この記事ではパラリンピックの水泳競技についてご紹介しましょう。
パラリンピック水泳には競泳、飛込、水球、アーティスティックスイミング、マラソンスイミングの5種類があるってご存知でしたか?
ついつい競泳に目が行ってしまいますが、それぞれの魅力をお伝えします。
最後にパラオリンピックを観戦する私たちの姿勢についても言及しました。
Contents
パラリンピック水泳の種類
競泳、飛込、水球、アーティスティックスイミング、マラソンスイミングの5種類それぞれの競技概要をご紹介します。
競泳
自由形、背泳ぎ、バタフライ、平泳ぎで一定の距離を泳いでタイムを競うのが競泳です。
リオデジャネイロ2016大会では計32種目の個人種目とリレー種目が行われました。
視覚障がいクラスで欠かせないのが、「タッピング」の技術です。
タッピングは目が非自由な選手が壁にぶつからないように工夫されたものです。
全盲クラス(S11)は安全確保などのためタッピングが義務づけられています。
日本では選手の頭または額を壁の手前で叩いて合図を出し、選手はその合図をもとにターンします。
タッピングバーに関するルールはなく、日本は弾力性がある釣竿を改良した手作りタッピングバーを使用しています。
今は海外のチームにも「日本のタッピング棒はいい」と評判らしく、マネをして作るところもあれば、「譲ってくれないか?」というところもあるくらいです
飛び込み
3メートルのジュラルミン製でできた飛板を使い、反発力を利用して演技を行う「飛板飛込」と、10メートル高さの台から飛び込む「高飛込」の2種類が行われます。
演技は、踏切の方向と宙返りの方向、演技に捻りを加えたもの、逆立ちからスタートするものがあり、採点は、回転の型(伸型、蝦型(えびがた)、抱型)の3種類を組み合わせた演技の美しさや入水時の水しぶきの少なさなどを見ます。
これに加え、シンクロナイズドダイビングは、2人でどれだけ演技が同調(シンクロ)しているかも採点されます。
種目:
3m飛板飛込(男子/女子)
10m高飛込(男子/女子)
シンクロダイビング3m飛板飛込(男子/女子)
シンクロダイビング10m高飛込(男子/女子)
水球
水深2メートル以上のプール内につくられた縦30メートル横20メートルのコートで、2チームがボールをゴールに投げ入れ合って得点を競う水中の球技です。
ゴールキーパーを含めた1チーム7人の選手たちは、試合中一度も底に脚をつけずにプレーします。
攻撃開始から30秒以内にシュートまで持ち込まなければならないというルールがあり、それを過ぎると攻撃権は相手に移ります。
試合時間は4ピリオド制(1ピリオドは8分間)で、プールで行われる唯一の球技種目です。
種目: 水球(男子/女子)
アーティスティックスイミング
音楽に合わせてプールの中でさまざまな動き・演技を行い、技の完成度や同調性、演技構成、さらには芸術性や表現力を競う女子だけの競技です。
2分20秒~50秒の曲に、決まった5つの動きを入れるテクニカルルーティンと、3〜4分の曲の中で自由に演技するフリールーティンが行われます。
水の中で舞う選手たち。
同調性、難易度、技術、そして演技構成などが採点され、順位が決まります。
種目:
デュエット(女子)
チーム(女子)
マラソンスイミング
マラソンスイミングは、海や川、湖といったなかで安全に配慮された場所を使い、男女ともに10kmを泳ぐ、水泳のマラソンです。
北京2008大会から正式種目に採用され、比較的新しい競技です。
基本的には周回コースで、選手たちは途中で給水を行いながらも、約2時間に及ぶ耐久レースを戦い抜きます。
記録も重要ではあるが、天候等の環境によって試合環境が左右されるため、戦略を含めた勝負の比重が高く、いかに波や潮の流れなどの自然環境を味方につけ、活用していくかも勝負の大きなポイントにもなります。
自分を磨き上げることはもちろん、駆け引き、環境への対応、戦略などの経験が生きるためベテラン選手も多く、抜きつ抜かれつの見応えのある試合展開が魅力です。
北京2008大会から正式種目に採用された10kmマラソンスイミングだけが、海や川、湖など、プール以外で行われるオープンウォータースイミングです。
種目:
10kmマラソンスイミング(男子/女子)
パラリンピック水泳の歴史
初期の頃、パラ水泳競技は肢体が不自由で車椅子で生活をしている選手だけしか参加できませんでした。
しかし、その後、上肢・下肢切断の選手、視覚障がいの選手、知的障がいの選手などの参加が認められていき、現在は幅広くさまざまな障がいの選手たちが参加できるようになっています。
1991年以降、ジャパンパラ水泳競技大会を実施されています水泳は、1960年の第1回ローマパラリンピック大会から正式競技として行われています。
水泳競技は、日本の選手が過去のパラリンピックで、たくさんのメダルを獲得してきた競技のひとつです。
パラリンピック「水泳」のルール・クラス分け
スタートやターン、ゴールの時に、障がいの程度によって方法が少し変わります。
補助が入ることで、背泳ぎ以外は飛び込みでスタートするのが基本ですが、飛び込みが難しい場合は水中からのスタートも認められます。
水中からのスタートではスターティンググリップを握らなければなりませんが、難しい場合は紐やタオルを口に加えてスタート体勢を取ることも出来ます。
また、これらと併せて、肢体不自由の選手は、運動機能のテストとしてベンチテスト、ウォーターテスト、競技観察なども行ってクラス分けされます。
各クラスは種目、障害の種類、障害の度合いで分けられ、以下のように、アルファベットと数字で表記されます。
- S=自由形、背泳ぎ、バタフライ
- SB=平泳ぎ
- SM=個人メドレー
障がいの種類と度合いは数字が小さいほど重度の障がいを表しています。
- 1~10……切断、脊椎損傷、脳性まひなどによる肢体不自由
- 11~13……視覚障害
- 14……知的障害
まとめ
以上、パラリンピックについてシリーズでお伝えしてきました。
パラリンピックは努力をしている選手たちが輝く場であり、見どころ満載のスポーツの祭典であることは間違いありません。
しかし、下の引用にも見られるような、「障がいを抱えて普通に生きている人々」の声も大切ではないか、と筆者は気づかされました。
オリンピックもそうですが、パラリンピックもタイムや得点やメダルを競うだけのイベントになってしまえば、ロンドン大会での苦い教訓を繰り返しかねないと思うのです。
「過去最高のパラリンピックと言われたロンドン大会も、大会後の民間調査では「健常者の態度が悪化した」と答えた障害者が多いという結果が出ました。
これについて英コベントリー大学准教授のイアン・ブリテン氏は、「障害を乗り越えたパラアスリートのイメージが浸透することで一般障害者は却って肩身が狭くなった。
『共生社会』はむしろ遠のいた。」と断罪しています。
引用:「パラリンピックが一般の障害者を苦しめるという懸念~努力信仰・能力信仰に繋がるだけ?」2019.9.4
「努力しなきゃ認めてもらえない!努力できない自分に価値はない!~私を無意識に縛っていた呪い」2019.9.5
Youtubeやってます!
チャンネル登録ぜひよろしくお願いします!
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
Twitter、インスタグラム、Youtubeなどでも活動中!