視覚障がいを持つ選手が相手ゴールを目指して自由に走り回り、私たちの想像をはるかに超える迫力あるプレーが繰り広げられるブラインドサッカー。
この記事では視覚障がいを持つ選手と健常者が力を合わせ、鈴の音と声だけのコミュニケーションが作り上げる感動のスポーツ、ブラサカについてお伝えします。
ブラサカのクラス分けやルールを知って、次にブラサカ観戦を楽しむ時の参考にしてくださいね。
リオデジャネイロ2016大会の後、ゴールのサイズとタイムの取り方が変更されましたので、併せて参考にしてください。
視覚障がい5人制サッカーって?
全盲・弱視といった 視覚障がいを持った選手がプレーできるようにフットサル(5人制室内サッカー)のルールを若干、修正したものが視覚障がい5人制サッカーで、前半・後半、各20分のプレーが行われます。
視覚障がい者サッカーはブラインドサッカー、略してブラサカとも呼ばれ、最近では日常的にTVなどでよく耳にしますね。

競技は「国際視覚障害者スポーツ連盟」(IBSA)が統括していて、「国際サッカー連盟」(FIFA)が定めたルールにそって行われます。
日本での視覚障害者5人制サッカーは「日本ブラインドサッカー協会」(JBFA)が統括しています。
2004年のアテネパラリンピック大会からパラ正式競技になったブラサカですが、始まりは1980年代で、中南米やヨーロッパで盛んに行われていました。


上の画像をご覧ください。
ブラサカで使われるボールには特徴があり、転がると中の小さな玉がシャカシャカと鳴ります。
そして、プレーヤー4人はアイマスクとアイパッチをつけ、安全のためにヘッドギアを装着しなければなりません。
ゴールキーパーは晴眼者(弱視でも可能)がつとめることが多いです。
監督とコーラーと呼ばれるガイドが選手にボールの位置や、相手側の選手の位置、試合の状況などを声で伝えます。
選手は相手側のボールを奪う時や、相手をタックルをする時には「ボイ」(スペイン語で「行くぞ」の意味)と叫ばなければなりません。
クラス分け
ゴールキーパー以外の4人のフィールドプレーヤーは、視覚障害の程度により、次の3つのクラスに分けられます。
- B1 – 全盲またはほぼ全盲 – 光を全く感じないか、光を感じても手の影を認識できないクラス。
- B2 – 弱視 – 手の影が認識でき、矯正後の視力が0.03未満、または視野が5度未満のクラス。
- B3 – 弱視 – 矯正後の視力が0.03~0.1、または視野が5度~20度までのクラス。
ブラサカの大会には2種類あり、B1クラスで行われるものが「ブラインドサッカー」と呼ばれ、B2・B3クラスが行う試合は「ロービジョンフットサル」と呼ばれます。
ここではブラサカに焦点を当てています。
ロービジョンフットサルとは全盲ではなく、弱視の方が行うフットサルです。
ブラインドサッカーと比較されがちで、混同してしまいますが、ロービジョンフットサルは目隠しをしませんし、ボールから音がなることもありません。
ロービジョンフットサルのルールの特徴は普通のフットサルと基本的に同じルールで、ゴールキーパーは晴眼者または弱視者、B2選手をフィールドに最低2名入れること、B3選手は腕章をつけることなどです。
ブラインドサッカーのルール
選手は足元を動かさずにボールを4秒以上持つことができません。
また、ゴールキーパーは、ゴール前の長方形のゴールエリア内のボールだけに触れることができます。
チームにはプレーヤーの他に、相手チームのゴール裏にコーラー(ガイド)を置き、プレーヤーに方向や距離などを伝えたり、シュートのタイミングなどを指示します。
観客として注意すべき点があるので覚えておいてくださいね。
ブラサカはボールの音や選手との掛け合いなど、聴覚を頼りとするスポーツであるため、プレーの妨害にならぬよう、プレー中に観戦客が声を出すことは一切禁止でマナー違反です。

ゴール裏から「6メートル、45度、シュート」のように、ゴールの位置などをガイドが伝えます。
ゴールキーパーは主に守備に関する情報を与えます。
そして、監督(コーチ)はサイドフェンスの外から選手に指示を出します。
それぞれ声をかけられる範囲が決まっていて、範囲外の選手に声をかけるとファウルになります。
ファウルになると、相手チームにペナルティキック(PK)が与えられます。
ペナルティエリア内でファウルがあった場合はゴールから6メートルの位置にキッカーが立ち、ゴールキーパーと1対1でシュートを行います。
もう1つは「第2PK」と呼ばれるペナルティキックで、前半と後半それぞれで、チームの累積ファウル数6つ目から相手チームに与えられ、キックは1つ目の「PK」よりも遠い位置である8メートルから行われます。
ルールの変更がありました!
リオデジャネイロ2016大会後、ゴールのサイズが変更になりました。
従来のフットサルサイズ(幅3メートルx高さ2メートル)からフィールドホッケーサイズ(幅3.66メートル×高さ2.14メートル)に拡大されました。
もう1つは試合時間の変更で、従来はサッカーと同じ、時計を止めずに試合を進行させるランニングタイムによる前・後半25分ハーフだったが、新しいルールではプレーが続いている間のみ試合時間を計測するプレイングタイムによる20分ハーフに変更されました。
ブラサカの魅力
5人制サッカーの見どころは、アイマスクを着けた選手が視覚以外の感覚を駆使してプレーする点です。
ボールの音からは位置だけでなく、転がり方やスピードなども把握するし、チームメートとの声かけによるコミュニケーションも重要なカギとなります。
また、足先の感覚を駆使したドリブルは華麗で、相手の息遣いや仲間の声を頼りに守備の隙間を見つけ、巧みに抜いていく動きは圧巻!!
試合は想像以上に目まぐるしく展開し、最後まで気を抜けない何とも言えない緊張感があります。
東京2020大会の見どころ
注目はやはり過去の4大会をすべて制覇しているブラジルです。
リオデジャネイロ2016大会ではイラン、アルゼンチンがメダルを制し、金メダルを獲得しました。
注目選手はブラジルの主将、「リカルド・アウベス」です。
アウベスは、パラリンピック初出場だった北京2008大会で活躍を見せ、ブラジルの2連覇に貢献しました。
リオデジャネイロ2016大会では決勝戦で貴重なゴールを決め、1-0でイランを下しました。
主将として、母国の連勝を守るなど、ブラジルチームの技術的・精神的支柱になっています。
まとめ
5人制サッカーの魅力は何といっても監督はもちろん、ゴールキーパーやコーラーの声を信頼してプレーする選手たちと、静かに観戦する観客が共有する空間・時間・心です。
ゴールが決まった時だけ湧き上がる歓声がメリハリになって会場全体が感動の渦に巻き込まれます。
東京2020大会は開催国として初出場が決まっています。
黒田智成や川村怜の活躍が本当に楽しみですね。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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