キャンプの楽しみといえば「料理」。
王道のBBQやカレーに始まり、最近は、様々な映えるキャンプ飯がメディアでも紹介されるようになりました。
キャンプは、これからハイシーズン(7~9月)を迎え、盛り上がっていきますが、時期を同じくして、「食中毒」が最も多くなるのもこの季節です。
せっかくみんなで楽しめるキャンプで、食中毒にかからないために、キャンプのご飯の準備・調理・食事のシーンで、気を付けるべきことをまとめました。
Contents
なぜキャンプ飯で食中毒が起きるのか?
キャンプ飯の食中毒については、1年中対策をしなければいけないですが、気温が高くなる7月~9月は、特に敏感にならなければいけません。
最近は、新型コロナウイルスのこともあり、除菌・消毒には敏感な人も多いと思いますが、キャンプやバーベキューでご飯を食べるとき、どうしても自宅での食事よりも安全度が低くなってしまいます。
ある程度差が出てしまうことは仕方のないことですが、まずは食中毒について、基本的な知識を身につけておきましょう。
キャンプ飯で食中毒になる原因
食中毒にかかってしまうと、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、頭痛、発熱などの症状があらわれます。基本的には、対症療法で症状は落ち着いていくケースがほとんどですが、人によっては重症化し、命の危険を脅かす危険性も十分にあるので、「おなかが痛くなる程度だろう」と決して油断してはいけません。
食中毒の原因は、大きく3つあります。
- 細菌
- ウイルス
- 原虫
キャンプでの食中毒の原因のほとんどは、一つ目の「細菌」です。
食中毒の原因になる主な細菌
生肉には、様々な食中毒菌が付着いています。
いくつか紹介します。
病原体 | 細菌をもつ主な動物 | 潜伏期間 | 主な症状 |
カンピロバクター | 牛・豚・鶏 | 2~5日 | 下痢(水様便、粘液便、血便)、腹痛、 発熱、悪心、おう吐、頭痛、悪寒、倦怠感 |
腸管出血性大腸菌 | 牛 | 3~5日 | 発熱、腹痛、下痢(水様便、血便) |
サルモネラ属菌 | 牛、豚、羊、 鶏 | 8~48時間 | 悪心、おう吐、腹痛、下痢 |
リステリア モノサイトゲネス |
牛、豚、鶏 | 数時間~数週間(平均3週間程度) | 発熱、頭痛、 おう吐 |
キャンプ飯の王道、BBQの主役となるお肉。
とてもおいしいお肉ですが、生肉には上記のような食中毒菌が大量に付着していて、生肉を通しての感染が毎年多く見られます。
詳しくは、後述しますが、これらの食中毒菌の弱点は熱です。
正しく対処すれば、もちろんキャンプ場でも、楽しくおいしく食べることができるので、しっかりと対策を徹底しましょう。
キャンプ飯で食中毒を防ぐために気を付けるべき6つのポイント
キャンプ飯で食中毒を引き起こさないために、気を付けるべきこと、キャンプ参加者全員で徹底すべきことをまとめました。
ポイントは全員で、対策を徹底することです。
しっかり理解して、みんなで共有するようにしましょう。
<食中毒予防の大原則>
- 菌をつけない
- 菌を増やさない
- 菌を死滅させる
食中毒対策は、とにかく上記の3つのルールを守ることです。
キャンプの準備から調理し、食べるまで、具体的にどこに気を付ければよいのか、一つずつチェックしていきましょう。
焼くまでお肉はできる限り低温で保存
食中毒の細菌は、37~42度くらいが最も菌を増殖させるのに適した温度であり、まさに夏の日、炎天下の下に置かれていると、菌は爆発的に増殖していきます。
クーラーボックスに入れておくことは当然のこと、調理直前ぎりぎりまで冷やしておきましょう。
<ポイント>
できれば、飲み物のクーラーボックスと、お肉などの食材のクーラーボックスは、分けることをおすすめします。
クーラーボックスは、開ける度に冷気が逃げて行ってしまいます。細菌は、10℃をこえると活発に動き始めるので、なるべく長時間室内の温度を低く保つ必要があります。
よって、お肉や魚介類などの生の食材は、取り出す頻度が多い飲み物とは分けておくほうが賢明です。
生のものは、しっかり焼く
食中毒の病原体は、熱に弱いです。
対策として一番効果があるのは、しっかり焼いて死滅させることです。
熱する温度が高ければ高いほど効果的ですが、一つの目安としては、「75℃で1分以上加熱すれば、ほとんどの菌は死滅させる」ことができます。
(ホタテやハマグリ、牡蠣などの二枚貝を焼くときは、ノロウイルス感染防止のためにさらに高温、85~90℃で90秒以上加熱してください。)
食材の内部の温度が計れる温度計は、1,000~2,000円くらいで購入することができるので、1本持っておくと安心・便利ですよ。
<ポイント>
冷凍肉は、一度解凍してから焼いた方がいいです。
凍ったまま焼いた場合、お肉の表面が焼けたように見えても、内側の温度がなかなか上がりきらず、すべての菌を死滅させることができないので、要注意です!
生の食材と調理済みの食品は分ける
生肉や魚介類をのせていたお皿に、調理済みの料理をそのままのせるのは絶対にNGです。
火を通したのが、すべて水の泡です。
もちろん、生の食材で使ったトングやお箸も同様、絶対に生食用と調理済み用と分けて使ってください。
手洗いはこまめに行う
食中毒予防で、当たり前すぎるかもしれませんが、やるとやらないとでは全く違います。
食事の前はもちろん、トイレの後や調理の前など、毎回石鹸をつかって丁寧に手を洗うことが大切です。
近くに水場がなければ、水タンクを使うことが理想ですが、ウェットティッシュなども便利です。
<注意>
手拭き用のタオルはなるべく共有せず、ペーパータオルがあると便利です。
調理済みのキャンプ飯を2時間以上放置しない
食中毒に注意をして、十分に加熱して作ったキャンプ飯ですが、長時間テーブルのうえなどで放置し続けると、そこにも再び食中毒のリスクが発生します。
気温が32度以上の空間においておくと、1時間もすれば食中毒のリスクが高まっていきます。
調理した料理は、なるべく早いうちに食べてしまいましょう。
<注意>
キャンプ場で作ったものだけでなく、道中で購入したフライドチキンなども注意が必要です。
夏場は、購入してから2時間以内になるべく食べてしまい、不安な場合は、再加熱して、菌を死滅させるようにしましょう。
調理時間をなるべく短くする
キャンプ場での料理は、その調理工程も楽しみたいことろですが、夏場のキャンプ飯は、なるべき時間のかからないものがおすすめです。
時間がかかればかかるほど、菌が増殖するリスクは増えてしまいます。
まとめ:キャンプ飯で食中毒を防ぐために気を付けるべき6つのポイント
キャンプ場での食中毒は、特別大げさな対策をする必要はありません。
少し細かくて、いちいち面倒だと思うかもしれませんが、ちょっとした気遣いで、食中毒リスクは減らすことができます。
また、誰か一人が油断してしまうことで、参加者全員に危険が及ぶ可能性もあります。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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