キャンプパーの腕が試される部分でもある火起こし。
実はこの火起こしの方法には、かなりの種類があるんです。
筆者が普段行っている火起こしはブッシュクラフト流のフェザースティックとファイヤースチールを使った方法です。
しかし、ファイヤースチールを使った火起こしは風が強い日だと火の粉が飛び散ってしまい、着火をするのが難しいんです。
そんな風が強い日でも簡単に火起こしをできる方法の中には、火打石を使った火起こしがあります。
この火打石を使って最初の火種するのがチャークロスなんです。
今回はチャークロスについてと、作り方から着火方法までご紹介します。
Contents
チャークロスとは?
チャークロスとは、綿100%(コットン)の布を炭化させたもので、火起こしの火種として利用できます。
ライターやマッチといった、画期的な道具が無い時代は、火種として使われていました。
細かい繊維からできているため火が付きやすく、チャークロスに含まれる炭素は有機物に含まれる物質の中でも反応速度が遅いため、長時間燃焼します。
灰になりにくく火の手が上がらず、じわじわ赤熱して燃え続けるのでチャークロスは風にも強い着火剤なんです。
携帯ができる火種としてあらかじめ作っておくと、急な悪天候時の火起こしに備えられますよ。
チャークロスの作り方講座
チャークロスは、綿100%(コットン)の布を炭化させたもとはいっても、ただ燃やすだけでは作れません。
密閉したスチール缶の中に綿を入れて、シングルガスバーナーや、アウトドア用のストーブ、焚火などで熱して作ります。
今回はシングルガスバーナーを使った作り方をご紹介します。
【材料】
- 綿100% 厚めの生地
- スチール缶
【道具】
- シングルガスバーナー
- 錐(もしくわドリル)
- 軍手
【作り方】
- 可燃性のガスを逃がすために、スチール缶の蓋部分に直径1mm程度の穴を1つ開けます。
生地は3cm角程度にカットしておきましょう。 - スチール缶の中にチャークロスにする生地を入れて蓋をします。
- スチール缶の蓋部分を上にして、シングルガスバーナーに乗せて点火します。
火力は弱火。 - 蓋の穴から煙と細い火が出てくるので、どちらも出てこなくなるまで熱していきます。
- 焼きムラ出ないために、火ばさみを使って時々容器を逆さにし、全体に熱が伝わるようにしましょう。
動かす際は、容器のふたが開かないように注意!
蓋が開いてしまうと酸素が中に入り、布が燃えてしまいます!! - 煙と火が出なくなったら、シングルガスバーナーを消火して、手で触れる熱さまで冷まします。
- 冷めたら缶を開けて、生地が真っ黒に炭化していれば完成!
家に綿100%の分厚い生地とスチール缶がない場合はチャークロス自作キットを購入するのも1つの手です。
缶は元々、煙が抜けられるように蓋との接合部分に隙間ができているので、わざわざ穴をあける必要もありません。
チャークロス作成のポイント
容器は密封!焚火で作成する際は注意を!
まず初めに重要なのは容器は必ず密封できるものを選ぶこと。
生地をしっかり炭化させるには容器内に空気が無い状態にしなければなりません。
そうすることで生地は炭素だけを残してそれ以外はすべて燃え尽きます。
焚火で作成する際は火力が強くなりがちなので、キャップ付きの空き缶など薄いアルミ缶の容器を使用することはおすすめできません。
これは容器に穴が開いてしまう可能性があるからです。
また、容器を焚火に入れる際は深く埋め込まずに、薪の上に置いて安定させましょう。
チャークロスの生地は厚めの綿100%を!
チャークロスを作る際に重要なのは綿100%の分厚い生地であることです。
「綿100%でなければいけないのか、他の生地で代用できないの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
これには、ちゃんとした理由があるんです。
綿は植物由来の素材です。
したがって、木が炭になるのと同様に綿100%生地であれば炭になるのです。
仮に化学繊維の他の生地を炭に使用しようとすると缶の中で燃え尽きてしまいます。
炭は小さいと脆く崩れやすいですよね。
チャークロスも同様に生地の厚さがないと、脆く崩れやすいため、着火時に火打金でボロボロになってしまいます。
おすすめはキャンパス生地ほどの厚みがあるものです。
チャークロスを作った後は保管も大事
チャークロスは炭と同じなので湿気ると着火が悪くなります。
作った後は湿気らないようにジップロックなど密閉のできる容器に入れて保管しましょう。
チャークロス火種にした火起こし方法
今回はチャークロスと火打石を使った火起こし方法をご紹介します。
原理としては火打金が火打石によって削られた時に火花が発生します。
必要な道具は以下の5つです。
【道具】
- 薄手のキャンプグローブ(難燃性)
- チャークロス
- 火打金(火打ち鎌)
- 火打石
- 麻紐(ほぐしておく)
- 火吹き棒
- チャークロスを火打石の上に置いて指で挟みこむように持ちます。
- 火打金を石の角に向けてスライドさせ、火花を飛び散らせてチャークロスに移します。
火打金の持ち方は3本の指を添えて、親指を支えにして挟みます。 - チャークロスは火花が移ると、その部分から赤熱していきます。
- 火種になったチャークロスを麻紐に包んで火吹き棒で酸素を送り込むみます。
- 温度があがると煙が出始め、ボッと音を立てて発火します。
- 焚火台などに移して、燃えやす小枝などから重ねていき、着火完了!
チャークロスに火花を移す際のポイントは、いかに力を入れずに石の角に向かって火打金を削ることができるかです。
イメージとしては火打金が火打石によって削られていく感じです。
チャークロスを置く位置にもポイントがあります。
火打金の当たる石の角より少し上に置いて指で固定しましょう。
これは下に置くと火打金によってチャークロスがボロボロになってしまうからです。
空気を送り込む際は直接息を吹きかけるよりも、火吹き棒でピンポイントに空気を送り込むことでスムーズに着火できますよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回はチャークロスについてと、作り方から着火方法までをご紹介しました。
いつも同じ火起こし方法でマンネリ化してきたという方は、新しい火起こしにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
チャークロスはあらかじめ作っておけば、キャンプ場で優秀な火種として活躍します。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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