本日は車のセキュリティーのお話をしたいと思います。
とはいえあんなことがあった後なので正直今日ご紹介するセキュリティー対策はあくまでも盗難防止に役立つものであることを予めご承知おきください。
Contents
純正のセキュリティー装置だけでは不十分!
自分だけは絶対大丈夫と思っているそこのあなた!
世の中に絶対なんてありません、
そうです、大切な愛車がいつ何時あなたの元から忽然と消えるかもわからないのです。
特に最近の車にはイモビライザーや防犯アラームを備えている車も大半となっておりますがプロの窃盗団に掛かればそんなものは無意味に等しいのです。
プロの自動車窃盗団はこうやって車を盗んでいく
ピッキング(強制開錠)をして盗む
-現代の車だと鍵自体も特殊になっているのでひと昔前と比べればだいぶピッキングによる被害も少なくなっている傾向にあるようですが、
中古車市場がなくなったわけではないため、今なおピッキングによる被害は後を絶ちません。
一般的なピッキング方法ではピッキングツールと呼ばれる特殊な工具を使用することでプロの手に掛かればものの数分で開錠に至ります。
その後配線直結などを行ってエンジンを始動させて自走することで盗み出します。
またピッキングとは多少異なりますが旧車の場合はよくある洋画のように窓ガラスの隙間から直接ラッチを操作して開錠できるのは有名な話ですね。
窓ガラスを割って盗む
-昔からある王道テクの1つですね、単純に窓を破壊し車内に侵入、その後キーシリンダーを壊して直結操作でエンジンを始動して自走で盗み出します。
最近の車では警報装置がついているケースもありますが事前に解除しているタイミングを見計らって犯行に及ぶケースもあるようです。(後述)
イモビライザーを解除して盗む
-警報装置と同様に現代の車の多くにはイモビライザーと言われる認証機能がセキュリティーとして導入されています。
イモビライザーは主に車のキーにチップとして内蔵されており、
車とキーのそれぞれのIDを照合して一致しているときのみエンジンがかかるようにするための装置です。
調べてみるとイモビライザー自体が誕生したのは西暦2000年頃と比較的新しい技術となりますが、
このイモビライザーそのものを無効化してしまうイモビカッターなるものも登場し、
窃盗団はこういった機材を使用して車を盗み出します。
イモビライザー自体も年々進化しており対策もなされていますがそれすらも解除するものが生まれ・・・とイタチごっこを繰り返しています。
スマートキーの電波をコピーして盗む
-現代の車はほぼ全てスマートキーにとって代わっておりますがスマートキーからは大なり小なり電波が常に発信されています。
窃盗団はこれらの電波を特殊な機材を使用して増幅し、車がこれをキーが近くにあると錯覚して探知することで開錠に至ります。
その後はキーが手元にあるのと変わらない状態となりますので普通にエンジンを始動して盗み出します。
鍵の抜き忘れを堂々と盗む
-これは持ち主側にも多少の過失がありますが、エンジンをかけっぱなしでコンビニにいっていたりしている間にそのまま乗り逃げで盗まれます。
筆者の知り合いでは同じことして車上荒らしに合い、給料下ろしたて直後の財布を盗まれたという話しを聞きました。
クレーンやレッカーを使って車体まるごと盗む
-通りに面しているところや青天駐車場など比較的広いところに駐車している場合だと車両ごと積載で盗まれてしまうことがあるようです。
これにはどんなにエンジンがかからないように対策をしていたとしても効果はありませんね。
事故を装って盗む
-中には強引な手口もあります、基本的には窃盗団はグループで行動しますがそれぞれが役割分担で動きます。
犯人Aが対象車に追突などをして、運転手が外に出たところを見計らって犯人Bが車に乗り込んで乗り逃げで盗みます。
もちろん被害者は追いかけることはできません。
セールス広告を貼ってから盗む
-時々自分の車に「どんな車も買い取ります!」的な広告を貼ってあるのを見たことがある人も多いんじゃないでしょうか。
それらは全てまともに買い取りを目的としていないケースも中にはあるようです。
一度貼った広告が1週間も2週間もそのままになっている場合は持ち主が不在、あるいはほとんど乗らない車ということが見てわかるので窃盗団はそれを目印に犯行計画を立てていることもあるようです。
人力で持ち上げて盗む
-どんな電子的な対策をしていても最終的に物理的に持ってかれたら意味がありません。
あるところで超高級車と言われるフェラーリが盗まれるという事件が起きました。
このフェラーリは鍵付きのガレージの中に止められており、
さらに手前には別のフェラーリもあったようですがそっちには目もくれずにより高額なフェラーリのみを盗んだようです。
ガレージの中なのでもちろんクレーンやリフトを使用することはできませんから方法としては一つ。
人が直接車を持ち上げて運び出したということです。
どんなに重い車でも人が10人も集まれば意外と簡単に持ち上げることが出来てしまうものです。
実は警報装置(アラーム)の解除に特殊な道具は一切必要ない!?
車に物理的な衝撃や車体の傾き、最近では覗き込みといったものまで判断して警報を発する装置がありますね。
一見すると大きな音がなれば犯人もビビッて逃げていくのではないかと考えます。
これはその通りです、
ただ相手がプロの窃盗団ともなればちょっと話は変わってきます。
プロの組織に掛かればアラームがあってもあまり問題にならないのです。
これはどういうことかと言いますと、
まず犯人は適当な方法で防犯アラームを鳴らします。
その様子を近くで隠れてみていて持ち主が解除するのを待ちます。
解除されたら翌日も同じようにアラームを鳴らします。
同じことを何度か繰り返すと持ち主はある日思うのです。
アラームが壊れたかもしれない、と。
すると持ち主自身が近所迷惑になってはいけないと警報がならないように設定を変更します。
こうなれば後は窃盗団の思うつぼでまた別の日同じようにアラームを鳴らそうとしてもし鳴らなければあとは盗むだけです。
もはやプロの窃盗団から愛車を守る手立てはないのか?
こうやって見てみるとどんなセキュリティーも無意味に思えてきます。
おそらくどんな車でもプロの窃盗団に目をつけられたら盗まれるでしょう。
なので一番効果的な方法は盗まれない方法を考えるのではなく、
盗みにくくなる方法を考えるのが一番です。
そして窃盗団に対して、
- 防犯対策してるぞ!
- 監視してるぞ!
ということをアピールすることが大事です。
窃盗団としても全く同じ車種があったとして、
盗むのに手間のかかる車と何の対策もされていない車がおいてあったらわざわざ手間のかかる方は選ばないでしょう。
その車が特殊な車両だったり高級車であったりすればまた話は変わってきますが、
窃盗団としてもなるべくリスクは取りたくはないはず。
アナログセキュリティーを駆使して愛車を守れ
警報アラームもイモビライザーもないよりは合ったほうがいいですがなるべくならばこれに頼りっきりにならずに複数の防犯対策を愛車に施しましょう。
なんといってもアナログのセキュリティー対策ならばあまりコストを掛けずにしっかりと防犯効果を高めることができます。
そしてアナログであるがゆえに施錠の手間が掛かりますが、これはメリットにもデメリットにもなりうるものです。
施錠に手間がかかるということを裏返せば、
窃盗団にとっても開錠手間がかかるということになりますのでしっかりと車を守りたいのであればアナログ対策は非常に効果的なのです。
また製品を選ぶ際にはより目立つ色のものを選ぶようにしましょう。
それによって周囲に対して防犯対策アピールをすることができます。
目立たないものを付けているとガラスだけ割られて車は盗まれませんでしたーということにもなりかねませんね。
ということでおすすめのアナログ装備をご紹介します!
ハンドルロック/シフトロック
こちらは比較的安価に購入することが出来るわりに防犯効果も高いです。
また取り付けもハンドルに引っ掛けるだけになりますので楽々です。
この程度ならば自宅駐車場に駐車中の時だけでなく、出先やコンビニなどのちょっとした気にも簡単に取り付け取り外しが可能です。
中には警報装置が付いたものなどもありますが単純なもので十分かと思います。
ペダルロック
こちらも安価に購入することができます。主にブレーキペダルにかませて使用することでエンジンの始動や車の発進までの時間稼ぎをすることができます。
ただし取り付けには毎度運転席の下に潜り込んで施錠をする必要があるため、
難度的には今回紹介するもののなかでは面倒な部類に入ります。
主に自宅駐車場などで長い時間止めておく時には取り付けておきたい対策です。
タイヤロック
こちらはものによっては高額になります。
基本的には1つあれば良いのですがより防犯対策を高めたいのであれば前後で2つ設置することをおすすめします。
また2つ取り付ける場合はそれぞれ種類を変えても良いかもしれません。
種類を変えたものを取り付けることで開錠する方法も2つに分散するため盗む側としてもひと手間増えることになり効果的です。
中華製の安いものなら2~3000円程度から、ちゃんとしたブランドものなら5~6000円からとなります。
防犯カメラも設置して防犯効果を高めよう
やはりどんな時代でも防犯カメラの効果は絶大です。
一昔前ならば1台数十万円、設置工事も含めると相当な出費が強いられていましたが最近では中華製の安価な防犯カメラも増えてきており、尚且つそれがまあまあ使える。
無線式のものならば電源さえ確保すればどこにでも設置が可能であるという優れものまで登場しています。
また別途HDD付きのユニットがあるモデルを購入すれば業務用の防犯カメラ並みの設備が数万円程度で整えることができます。
肝心の画質についてですがガチの物に比べれば劣るものの、
あまりケチらなければ車のナンバーや人の顔をそれなりの距離から識別できる代物を購入することができます。
カメラ自体が安価なので5台6台と沢山設置してもあまり財布が痛まないのはありがたいところです。
車がもし盗まれた場合に備えてGPSを車載するのも手
どんなに盗難対策をしていてもやっぱり盗まれるときは盗まれます。
盗まれた車は運が悪ければ24時間後にはバラバラになって輸出されてしまうかもしれない
外国人系のプロの窃盗団の手に掛かれば、
車を盗んでから現金化するまでのすべての工程が仕組化されているので盗まれたら最後早急に車を見つけ出す必要があります。
よく言われるのは盗まれた車は盗まれて数時間後にはヤードと言われる解体工場に持っていかれてそこで原型がわからないレベル(パーツ単位)まで解体されます。
そして解体されたパーツはコンテナに詰められてパーツとして海外に輸出されます。
もちろんフレームなどの車体番号などは潰されるでしょうから証拠も残りません。
なので万が一車を盗まれた場合はなによりも初動が大切になってくると思います。
警察に届け出ても実際に捜査に着手した時点では輸出されてしまっている可能性もありますので、
GPSで追跡をして自分でその場所まで行き、目的地付近から警察に通報してしまったほうがいいかもしれませんね。
車にGPSを取り付けるサービスもあるようですがお値段は3万円~とだいぶ高いようです。
安価物ならば探偵用の機材などで1~2万円前後から販売されていますが、
回収が必要になり盗まれているのに回収できるわけないですからやはり地図上で追跡できるものが必要となりますね。
まとめ
- まずはプロの窃盗団の手口を知ろう
- 大事なのは盗まれない対策ではなく盗みにくくなる対策
- 防犯対策にはハンドルロック、ペダルロック、タイヤロックのアナログ対策が効果的
- 万が一盗まれた時のためにGPSを取り付けておくのも効果的
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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