森林の生態系から生まれた恵みをいただく山菜採り。
相変わらず人気が高いですよね。
でも初心者にとっては、不安があります。
どこの山でも山菜を採っていいのかな?毒草と見分けがつけられる?健康にいいの?
ここでは、そんな疑問にお答えできるような情報をご紹介していきます。
毎年山菜採りに出かけて慣れているから、と過信せず、マナーを守って、安全な山菜採りを楽しんでください。
Contents
山菜って?
山菜とは野山の自生している食べられる植物のことです。
ほろ苦さと強い灰汁(あく)が特徴です。
最近ではスーパーでも見かける山菜ですが、自分で収穫した新鮮な山菜は、自然そのものです。
山菜が食べられ始めたのは、縄文時代ではないかと言われています。
江戸時代の食糧難がきっかけとなり、1802年には山菜とその食べ方を記載した『かてもの』が発刊されました。
『かてもの』には約80種類の山菜が紹介され、現在では300種類の山菜があります。
早春から秋まで次々といろいろな種類の山菜が芽吹きます。
旬がほんの数日しかない山菜もあります。
必ず、事前調査をして出かけましょう。
山菜採りに行くときの恰好、持ち物
黒い服は蜂が寄ってくるので止めましょう。
長袖に長ズボン、帽子と軍手も用意しましょう。
肌着は汗を吸い取るものだと、あとから体が冷えてしまいます。
化繊がおすすめです。
靴もできれば登山靴かトレッキングシューズにしましょう。
携帯電話、水と食料は必携です。
他に熊よけのためのラジオ・鈴、持ち帰り用の新聞紙を持参してください。
注意点
山菜は、むやみやたらに採ってはいけません。
食べ頃のものを、家族で食べられるだけ採るようにしましょう。
種類によって採り方が違います。
ウドやタケノコはナイフを使って、土ギリギリの所で切ります。
ワラビ、ゼンマイ、たらの芽などは、手で自然に折れるところから採ります。
それより下は固くて食べられません。
万が一、熊に遭遇したら、熊に決して後ろを見せてはいけません。
後ろを向けて逃げ出すと、習性として熊は追いかけ、襲ってきます。
じっと目を見て威圧感を与え、そのままの体勢で持っているものを左右に投げて熊の気を逸らしながら、後ずさりでゆっくりと逃げましょう。
人の山に勝手に入ってはいけません。
国立公園や自然保護地域に指定されている山では、山菜を採ることは禁止されています。
山菜と間違いやすい毒草
ドクセリ、トリカブト、ドクウツギは日本三大有毒物植物とされています。
トリカブトはニリンソウやモミジガサによく似ているので要注意。
毒は特に根茎に多く含まれていて、体内に入ると、手足の痙攣、しびれ、呼吸麻痺に陥ります。
スズランの葉は行者ニンニクにとてもよく似ています。
毒は特に花や根に多く含み、体内に入った場合、嘔吐、頭痛、めまい、心不全、血圧低下、心臓麻痺などを起こします。
ドクセリはセリ科の多年草で、葉がセリとよく似ているため、間違って食べる人があとを絶ちません。
葉がセリ独特の香りがしない、セリにはない根茎があることなどで、見分けがつきます。
ドクセリ全体に毒があり、皮膚からも吸収されやすいのが特徴です。
体内に入ると、痙攣、呼吸困難、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、意識障害などを起こし、命の危険が非常に高いものになります。
即、病院に行ってください。
ハシリドコロはナス科の多年草で、本州、四国、九州に分布しています。
食べると錯乱状態になって走り回ること、根茎がトコロ(野老)に似ているところから、ハシリドコロという名前がついています。
根茎と根に多く毒を含み、体内に入ると、嘔吐や異常なほどの瞳孔の開き、異常興奮を引き起こします。
最悪、死に至ります。
新芽がフキノトウそっくりなので、注意が必要です。
うるしは、うるし科の落葉高木です。
タラノキと間違われやすいです。
アレルギー反応を起こし、激しいかぶれが起こります。
オオバギボウシやコバノギボウシ、行者ニンニクと間違われやすく、体内に入ると嘔吐、手足のしびれ、痙攣などが起こります。
山菜の下処理、灰汁抜き、保存法
山菜は灰汁が強いので、そのまま調理して食べることはできません。
できれば、帰宅する前にちょっとした下処理をしておきましょう。
味が全然違ってきます。
下処理方法
汚れを落とし、不要な葉や枝、毛や皮、トゲを採り除いて、水で軽く洗います。
それぞれを分けて新聞紙に包んで持ち帰りましょう。
灰汁を抜く方法
塩茹で
塩茹はコゴミ、ハマボウフウ、たらの芽、セリ、ギボウシなどに行います。
塩茹でしたあとに、流水にさらします。
重曹
重曹小さじ1杯を熱湯2リットルに入れ、山菜を入れたらすぐに火を止め、落し蓋をして一晩さらしておきます。
ワラビ、ゼンマイ、フキノトウ、アザミなどはこの方法でアクを抜きます。
尚、山菜を長期保存する場合は、保存中にアクが抜けていくので下処理の必要はありません。
また、すぐに天ぷらで食べる場合にも処理は必要ありません。
長期保存方法
塩漬け
容器に山菜を並べ、たっぷりと塩を振り、さらに山菜を並べ、これを繰り返します。
重石をして冷暗所で保存。
ウド、イタドリ、モミジガサ、フキ、ワラビ、アザミなどに適しています。
乾燥
山菜を鍋に入れ、たっぷりの水を入れたら火にかけます。
沸騰する直前に鍋から出して、日当たりに良い場所で天日干しします。
手で揉みほぐし、よく乾燥したら、密閉容器に乾燥剤と共に入れておきます。
ゼンマイ、ワラビ、コゴミ、ヨモギなどが向いています。
冷凍
固く茹でて流水にさらします。
小分けにして保存袋にいれて冷凍庫で保存します。
数か月は持ちます。
山菜の効果・効能
山菜は私たちの健康に大きな効果が期待できます。
山菜ごとにみていきましょう。
ふき
豊富な食物繊維が大腸ガンの一因となる便秘を解消するだけでなく、利尿作用もあるため、血液中にある不要な塩分を排出する役目も担います。
たらの芽
たらの芽には、サポニンの一種で、エラトサイドという、糖尿病を予防する成分が含まれています。
ブドウ糖の吸収を抑え、食後に急激に血糖値が上がることを防ぎます。
また、抗酸化酵素を活性化させるため、がんの治療への応用が期待されます。
山のバターといわれるほど良質なタンパク質と脂質を含み、ビタミンも豊富です。
βカロテンも多く含まれており、美肌効果が期待できます。
ワラビ・ゼンマイ
利尿作用、高血圧予防、貧血改善、滋養強壮などワラビとゼンマイは多くの効果・効能が期待できます。
コゴミ
免疫力向上、動脈硬化の予防、高血圧の予防改善、老化防止、整腸作用が期待されます。
山ウド
ウドには強い抗酸化性と、ラジカル消去活性があります。
香り成分に血液循環をよくして体を温める作用があるので、冷え性の改善などに期待できます。
また、腸内の有害物質を排出する作用があり、鎮痛効果、低体温、麻酔の持続などが期待できます。
アケビ
アケビに含まれるサポニン類は、がん細胞に対して細胞毒作用があるため、抗腫瘍作用が期待できます。
アケビはあまり馴染みがないと思いますが、
山形ではとてもメジャーな食べ物らしく、一般的には甘い種のとこを食べる人が多いのですが山形県人は皮を食べるらしい。
おわりに
山菜採りで一番大切なことは、軽い気持ちで行かないことです。
車で近くまで来られるからと言って、山に入ることには変わりありません。
この記事が皆さんの楽しく安全な山菜採りの参考になれば大変うれしく思います。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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