ヘビは「怖い!」というイメージがありますが、皆さんはキャンプ場でヘビにバッタリ出くわした経験はありませんか?
毒を持っていて危険なヘビはマムシ、ヤマガカシ、ハブです。
ここではこれら毒ヘビの住処、遭遇時期と時間、形状など毒ヘビの生態について解説します。
毒ヘビに咬まれないための予防対策
毒ヘビの住処に近づかないことが一番の対策です。
常に「いるかもしれない」という気持ちの準備をしておいてください。
キャンプ場の石垣に何気なく寄りかかって、マムシに咬まれたケースも多いです。
服装にも気を付けてください。
長袖、長ズボン、長靴、軍手は山間部に入るときの常識です。
怖いマムシとは?その生態
マムシは、クサリヘビ科、マムシ属のヘビで、北海道から沖縄まで、全国的に生息している毒ヘビです。
落ち葉や土の上にマムシがいても、保護色のため、わかりにくく、うっかり踏んでしまうことがあります。
体の模様は楕円形の斑紋で、銭形、メガネのような模様です。
マムシは40cm~100cmぐらいの体長で、ヘビとしては小さめです。
まれに北海道のマムシは体長が1メートル近くになるものもあります。
伊豆大島には「赤まむし」の別名を持つ赤いマムシが生息しています。
頭の特徴がよく知られていて、三角形になっています。
細い首、太い胴体をもつ寸胴型のヘビですが、尻尾が急に細くなっています。
本来はおとなしいヘビなので、こちらが刺激しなければ襲ってくることは、まずありませんが、マムシはその牙に強い毒を持っているので、注意が必要です。
毒は上あごの牙の先端部分にあって、獲物に噛みついて、その毒を相手の体内に注入します。
毒は出血毒といい、蛋白質分解酵素によって血液凝固を阻害し、細胞を破壊します。
咬まれた部分はすぐに腫れ上がり、場合によっては紫色に変色します。
放置しておくと意識が朦朧としてきたり、物が見えにくくなったりします。
もし咬まれてしまった場合は、すぐ病院へ行って処置を受けてください。
日本国内で毎年3000件以上のマムシ被害が報告されています。
平地から山地の森林、藪にすみ、渓流沿いなど水場周辺や山間部の小川近くで見かけることも多いです。
九州のマムシは4 ~5月と10月は昼行性で、6 ~9月は夜行性です。
習性として危険を感じると舌を出し入れします。
興奮すると、尾を細かく振るわせて威嚇音を出すこともあります。
11月~3月は冬眠し、冬眠前後の温暖な日には日光浴をし、体温を上げるといわれます。
マムシはだいたい5~15匹程度のこどもを産みます。
面白いことに、マムシはヘビには珍しく、卵胎生なので、体内で卵をかえして出産します。
被害に会うことが多くなるのは、昼行性になる妊娠中です。
妊娠したメスは栄養を多く必要とするために、昼夜を問わず餌を探して移動するからです。
油断できないヤマカガシとは?その生態
ヤマカガシは、爬虫綱、有鱗目、ナミヘビ科、ヤマカガシ属で、体が鮮やかな美しい色のヘビです。
毒性は強いですが、おとなしい性格のヘビで、人間を見つけるとすぐに逃げていきます。
日本国内では北海道や小笠原諸島以外ならどこにでも住んでいて、近年まで全く毒蛇だと思われていませんでした。
ヤマカガシは、全長が70cm~150cm程度の大きさで、日本に生息するヘビとしては中型です。
表皮は鱗状で、ヤマカガシの頭部は、マムシやハブのように三角形ではなく、細丸型をしているので、すぐ見分けがつきます。
ヤマカガシは山間部の低い標高地域や平野部の水場に住んでいます。
明るい時間に活動することが多く、夜間はあまり積極的に動きません。
冬場は土の下などで冬眠をし、見かけるのは温かくなる春~夏です。
ヤマカガシの毒はたとえ咬まれても、すぐには表面的な症状は出てきません。
マムシと違って患部も腫れず、痛みもほとんどありません。
しかし、放置しておくと、毒が体内を回り始め、血管内の血小板に異常をきたして体内出血が起こります。
全身に皮下出血、歯茎出血、内臓出血、腎機能障害、血便、血尿などが起こり、最悪の場合は死に至ります。
沖縄でご注意!ハブとは?その生態
ハブは、クサリヘビ科、ハブ属のヘビの総称です。
日本国内ではハブの仲間は沖縄だけに生息していて、ホンハブ、ヒメハブ、サキシマハブ、タイワンハブの4種類が確認されています。
ハブの長さは100cm~150cm、体重は1kg~2kgと大型です。
色は腹のほうが白~黄色で、背中は黒い網目模様がついています。
ウロコはほかのヘビに比べると非常に目が細かく、判別する目安にしてください。
ハブは気性がとても荒く、好戦的で、飛びかかってくるので用心してください。
ハブの毒は強烈で、鋭い牙の先には毒腺があり、相手に噛み付くと、直接その毒を体内に流し込みます。
マムシと同じく出血毒で、細胞を破壊して針で刺すような強い痛みがはしります。
毒そのものの強さはマムシより弱いと言われていますが、注入される毒の量がハブのほうが断然多いため、結果的にはマムシに咬まれた時よりも深刻な症状が出るケースが多くみられます。
ハブは冬眠をせずに一年中活動を続けていますので、注意が必要です。
基本的に夜行性なので、昼間はほとんど見かけることはありません。
茂みの中、サトウキビなどの農作物の根元、
木の空洞や根元、石垣の隙間、地面の穴の中でじっとしています。
そういった場所に不用意に近づかないようにしてください。
沖縄でキャンプをしたいが、ハブが心配という方もいらっしゃるでしょう。
「ハブノック」というハブ用の撃退スプレーが便利です。
アマゾンや楽天市場などで購入ができます。
これを使うと、遠い距離からも噴射してハブを攻撃することができ、薬剤がかかったハブは数時間で死んでしまいます。
もし毒ヘビに咬まれたら
マムシとハブに咬まれると、牙の穴が4つ開きます。
(上顎の牙×2本、下顎の牙×2本)
咬まれた直後には、針で突かれたような激しい痛みに襲われ、段々ジンジンとした激痛がはしります。
応急処置として、咬まれた部分より心臓に近い(10センチの位置)をタオルなどできつく縛って下さい。
強く縛りすぎないよう、指1本入る隙間を開けてください。
よく聞く口で毒を吸い出す方法は、口の中の傷から毒が入る危険性があるので止めましょう。
必ず病院へ行って適切な処置を受けてください。
毒ヘビに咬まれたからといって、その直後に死んでしまうことはありませんので、焦らないでください。
パニックになって暴れたりすると、毒が体内を早く回ってしまい、かえって状況を悪化させることになりかねません。
おわりに
今回は毒を持っている危険な毒ヘビ3種、マムシ、ヤマガカシ、ハブについてお話してきました。
毒ヘビの生態、形状、住んでいる場所、遭遇時期や時間、毒などだけでなく、予防対策、咬まれた時の症状、対処法などを解説しました。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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