野草を食べるという目的は、何もサバイバル的な問題だけではありません。
「春の七草」が旬の野菜と並んでスーパーに置かれるように野草にもおいしい調理法があり、栄養価もあります。
普段雑草として見向きもしない野草にもおいしい食べ方があります。
今回はキャンプならではの料理の一つとして、都会でも比較的よく見られる野草とその調理法などについてご紹介します。
Contents
野草の特徴と調理法一例(春)
ウシハコベ
【特徴】
春の七草の一つでもある「コハコベ」の仲間です。
北米原産の帰化植物で、草丈は50cmを超える大型の多年草です。
花が咲き始める頃までの枝先を2~3節摘み取り、さっと茹でてからいろいろな料理にアレンジしてみましょう。
【調理例】
ウシハコベのおひたし
- 採取したウシハコベをよく水洗いする。
- 塩を入れた熱湯でさっと茹でる。
- 冷水にさらし、すぐ軽く水気をしぼる。
- 器にもって、削り節、醤油、ポン酢などをかけて完成。
※冷凍保存しておくと、ラーメンやうどん、そばの青味や汁物の具として利用できます。
【アレンジ例】
ごま和えや白和え、マヨネーズサラダ、のり巻きなどにして食べることもできます。
タンポポ
【特徴】
都会では主にセイヨウタンポポがよく見かけられますが、日本在来種やシロバナタンポポなどたくさんの種類があります。
どの種類においても味や薬効に大差はなく、区別せず利用することができます。
タンポポの葉のサラダ
※葉柄の苦みが強いので、葉のみを使いましょう。
ルッコラのように生で食べるのが一番苦みが少なく感じられます。
タンポポの葉をトマトやレタスなどの野菜と一緒に混ぜるだけ。
※茹でて食べる場合は、半日ぐらい水にさらして苦みを抜きます。
【アレンジ例】
- 葉を食べる…タンポポの葉の卵とじ、タンポポの葉の炒め物など
- 花を食べる…花の天ぷら(花に衣を付けて油で揚げる)
- 根…きんぴら、タンポポコーヒーなど(根を日干しする)
ハルジオン・ヒメジョオン
【特徴】
北米原産で草丈30~60cmの多年草です。
春になると茎を伸ばし、4~6月に淡桃色の花を咲かせます。
庭や公園などどこにでも生える野草です。
早春に取れるものは柔らかく、香りもよいので食用に向いているといえます。
【調理例】
ハルジオンの和え物
- よく水洗いし、葉のつけ根のゴミを取る。
- 塩を加えた熱湯で茹でる。
- 冷水に取り、水気をしぼって2~3cmの長さに切って好きな味に和える。
※ごま和え、白和え、ピーナッツ和えなどにするとおいしい。
【その他調理例】
酢の物や天ぷらなど(葉や蕾、花の咲いた小枝ごと衣をつけて170℃ぐらいの油で揚げる)
ヘビイチゴ
【特徴】
野原や畦、畑の周辺などに繁茂するほふく性の多年草です。
ヘビイチゴという名前から毒があると思われている方もいますが、毒はありません。
味は無味無臭に近く、そのまま食べるのではおいしくありませんが、アイデア次第でどんな味や香りにも作り変えることができます。
【調理例】
ヘビイチゴのジャム
- ヘビイチゴの果実をよく洗い、果実と同量の砂糖とクエン酸(またはレモン汁)少々を入れます。
- ①を鍋に入れて火にかけ、よくかき混ぜながら煮詰める。
ゼラチンもしくはペクチンを適量加えるととろみがつく。 - 冷めたら完成。
野草の特徴と調理法一例(夏)
スベリヒユ
【特徴】茎は枝分かれし、20~30cmと赤褐色で地を這うように伸びます。
畑で最もよく見かけますが、道端や公園など日当たりのよい場所に生えます。
5月頃から採集できますが、7~8月頃の花の咲く前か、咲きだした頃のものが一番大きくて柔らかく食べ頃です。
【調理例】
スベリヒユのおひたし
- よく水洗いし、熱湯でさっと湯がく。
- すぐに冷水に取り、水を変えながら1~2時間さらす。(シュウ酸といって酸味をぬくため)
- 削り節をかけて、醤油やポン酢で味付けしたらできあがり。
【アレンジ】
キムチや酢の物、とろろ、ごま和えなど。
カラスウリ
【特徴】
つる性の多年草で、山や野原など日当たりのよい場所に生えています。
レース状の花弁を持つ白い花は日中開花するのを目にすることはありません。
食用になるのは、若い葉やつる先、蕾や花です。
カラスウリのつる先の和え物
- 茹であがったものを冷水につけ、30~60分ほどつけておいておく。
- 水気をしっかりしぼり、2~3cmの長さに切り、ごま和えや白和えなどにすると完成。
※花や蕾もつると同じように茹で、冷水にとってから酢の物にできます。
ドクダミ
【特徴】
山の中から庭まで日当たりがよく湿気が多い場所ではどこにでも生えます。
地下茎で増える生命力の強い植物です。
草丈10~60cmと生育環境によってかなり違いが見られます。
生で使う場合は地上部の葉は4月~11月頃に採取しますが、全草を日干ししてお茶にする場合は6~7月に刈り取ります。
また12月~3月の冬場は根を掘り出してお茶にすることもできます。
【調理例】
ドクダミ茶
- ドクダミの全草をよく水洗いし、泥やゴミ、黄葉を取り除く。
- 4~5本ずつ輪ゴムで束ね、角ハンガーなどに吊るし1週間ほど日干しする。
- 完全に乾ききる1歩手前でハサミで細かく切り、浅い箱にいれて、金網でふたをして、さらに3~4日日干しし、完全に乾燥させます。
- 保存用の容器に乾燥剤と一緒に入れて冷暗所に置いておく。(1年くらいは保存可能)
野草の特徴と調理法一例(秋~冬)
ギンナン
【特徴】
イチョウの内種皮をギンナンと呼びます。
9月~10月頃に果実が黄色に熟し、独特な臭いがあります。
果実の大きさは1.5cm~2cmで、色や形、味、香りには個体差があります。
学校や公園、街路樹として植えられています。
レンジで炒って食べる
- ギンナンに割れ目を入れ、封筒か紙袋に10~12粒入れる。
- 紙袋の口を2~3回折りたたみ、電子レンジ(750W)で1分ほど加熱する。
簡単にギンナンの口が開き、中身を楊枝で取り出してできあがり。
※薄い膜状の皮を取り除くとお吸い物や茶碗蒸しなどさまざまな料理に使うことができます。
マテバシイ
【特徴】
高さ10~15mになる常緑の高木です。
公園や街路樹としてよくみかけるどんぐりの木です。
できるだけ新鮮なものを拾い集めるには、毎日同じ場所で、その日に落ちたものを拾うようにします。
日当たりなど条件は違いますが、8月下旬ごろから落ち始め、9月~10月頃に最盛期を迎えます。
【調理例】
マテバシイの実を取り出して粉を作る
- 採集したマテバシイの実をよく水洗いし、水をはった容器の中で浮かんだものをはけ、沈んだものだけを取り除く。
- 天日で1日乾かし、3~7日日陰干しする。
- 殻を割って中身を取り出す。
薄皮も取り除いておく。
※この状態からフードミルなどで粉末状にし、マテバシイ粉を作ります。
揚げ菓子や茹で餅としてアレンジします
野草を採取するときの注意点
ここでは、できるだけ他のものと見間違えることのないような植物ばかりを集めて紹介していますが、野草の中には類似する種類があり、中には毒のあるものと間違えることがある植物もあります。
ここでご紹介した以外にも食用になる野草はいくつかありますが、見当に自信がない場合は、むやみに口に入れないようにしてください。
まとめ
普段道端でよく見かけるタンポポがまさか天ぷらにして食べられるなんて…と驚かれた方も多いでしょう。
野草の中にはビタミンA・C、鉄、カルシウム、カリウムなど栄養価値の高いものもあるので、抵抗がなければ一度アウトドアライフの一環として野草の調理にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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