スポーツ栄養士という仕事があるのをご存知ですか?
2020年はオリンピックが開かれ、スポーツへの関心は深まるばかりで、スポーツ栄養士という仕事にも関心が集まっています。
そこで、今回は選手の競技力を向上させる影の功労者であるスポーツ栄養士に焦点をあてて、どうすればスポーツ栄養士になれるのか、またどのような仕事をするのか深く掘り下げてお伝えしましょう。
Contents
公認スポーツ栄養士とは
公認スポーツ栄養士は、競技者、監督、コーチ、トレーナー、競技団体などのニーズに的確に応えることのできるスポーツ栄養の専門家です。
オリンピックに参加するようなトップアスリートから健康増進を目的とした大人や子どもなどから求められている仕事です。
スポーツ医学、運動生理学、法学、スポーツ心理学などの専門家と連携し、栄養面からの専門的なサポートを行います。
公認スポーツ栄養士資格について
公認スポーツ栄養士の数は、現在309人です。
公益社団法人 「日本栄養士会」と、公益財団法人 「日本スポーツ協会」の共同認定による資格です。
では、どのようにすれば、その資格を取ることができるのでしょうか?
申請資格
- 管理栄養士(後述)であること
- 公認スポーツ栄養士養成講習会を受講しようとする年度の4月1日時点で満22歳以上であること
- スポーツ栄養指導の経験(またはその予定)があること
- 日本スポーツ協会と日本栄養士会が認めた者
管理栄養士って?栄養士とはどう違うの?
管理栄養士・栄養士になるには、高校卒業後、管理栄養士養成課程または栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門学校で、所定の専門課程を修得することが必要です。
さらに管理栄養士は国家試験に合格することが必要で、現在全国に20万人います。
栄養士は養成施設の卒業と同時になれ、100万人以上います
言い換えれば、管理栄養士は、国家資格で、厚生労働大臣から免許を受けるためには国家試験に合格しなければならず、仕事内容は病気療養中の人や高齢で食事がとりにくくなっている人だけでなく、健康な人に向けて、専門的な知識と技術を用いて栄養指導や給食・栄養管理などを行います。
栄養士は大学や専門学校で専門課程を修得すれば、試験無しで都道府県知事の免許がもらえる資格で、主に健康な人を対象にして栄養指導や給食の運営を行います。
公認スポーツ栄養士に認定されるまでのステップ
- 日本スポーツ栄養学会が開催する「スポーツ栄養ベーシックコース講習会を受講
- その後、日本スポーツ栄養学会へ「公認スポーツ栄養士養成講習会」の申込書を提出し、受講決定を待つ
- 通知受領後、「公認スポーツ栄養士養成講習会」
受講料:38,880円 - 共通科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ検定試験を受ける (筆記試験)
- 共通科目の検定試験合格、専門科目集合講習会を受講の後、専門科目検定試験を受ける
以上の5ステップをクリアすると「公認スポーツ栄養士」に認定されます。
資格の有効期間は認定日より5年間で、認定登録料が18,000円 必要です。
公認スポーツ栄養士養成制度
出典:日本栄養士会「【募集】「公認スポーツ栄養士」平成29年度募集」
講習会全般に関する問合せ先:
公益財団法人日本スポーツ協会 スポーツ指導者育成部 スポーツ栄養士担当
〒150-8050東京都渋谷区神南1-1-1
メール: coach@japan-sports.or.jp
TEL:03-3481-2226
FAX:03-3481-2284
共通科目集合講習会で勉強する内容
共通科目の学習は、自宅学習と集合講習会があり、全体で152.5時間のカリキュラムです。
【共通科目カリキュラム】
共通科目Ⅰ(計35 時間、自宅で学習のため、スポーツ栄養学の講座開講がある大学等を選ぶとよいですね。指導教官が公認スポーツ栄養士資格者であればなおさらです)
- 文化としてのスポーツ
- 指導者の役割Ⅰ
- トレーニング論Ⅰ
- スポーツ指導者に必要な医学的知識Ⅰ
- スポーツと栄養
- 指導計画と安全管理
- ジュニア期とスポーツ
- 地域におけるスポーツ振興
共通科目Ⅱ(計35 時間)
- 社会の中のスポーツ
- スポーツと法
- スポーツの心理Ⅰ
- 対象に合せたスポーツ指導
共通科目Ⅲ(計82.5 時間)
- 指導者の役割Ⅱ
- アスリートの栄養・食事
- スポーツの心理Ⅱ
- 身体のしくみと働き
- トレーニング論Ⅱ
- 競技者育成のための指導法
- スポーツ指導者に必要な医学的知識Ⅱ
出典:平成 30 年度日本体育協会公認スポーツ栄養士養成講習会開催要項
上記には栄養関係だけでなく心理学、医療、法律関係の講義も含まれ、スポーツ栄養士には広範囲な知識が要求されていることがわかります。
専門科目集合講習会で勉強する内容
専門科目は、集合講習とインターンシップで、116.5時間以上のカリキュラムです。
インターンシップの実施先(受け入れ先)は受講者本人が探し、スポーツ現場のスポーツ栄養マネジメントの実習を行います。
【専門科目カリキュラム】
専門科目
- スポーツ栄養士に必要な基礎的知識
- スポーツ栄養士の役割
- スポーツ栄養マネジメント(講義・演習)
- スポーツ栄養アセスメント(講義・実習)
- 食事管理(講義・演習)
- 食事・栄養指導法(講義・演習)
- スポーツ医学(講義)
- 運動生理・生化学(講義)
- エビデンスベースドスポーツニュートリション(エビデンスに基づいたスポーツ向けアミノ酸やプロテインなど)(講義)
- インターンシップ
参考:平成 30 年度日本体育協会公認スポーツ栄養士養成講習会開催要項
公認スポーツ栄養士は具体的にどこで、どんな仕事をするの?
民間のフィットネスクラブや健康増進センター、行政機関、病院などで働いています。
求人数はあまり多くありません。
そのため、まず新卒で病院や高齢者施設などに管理栄養士として就職し、経験を積んだ後に、スポーツ分野へ転職し、将来的に独立し、フリーランスとして活躍することも可能です。
個人的に特定選手と契約を結ぶ形になります。
スポーツ選手の栄養管理は特殊で、トレーニング中・試合前・試合後のすべての食事の栄養管理をし、過不足はないか?サプリメントは必要か?などをアドバイスします。
さらに、日常生活でも自分で食事を管理できるように、生活全般におよぶ栄養マネジメントが主な仕事です。
公認スポーツ栄養士の将来性
高齢化時代を迎えた日本ではますます健康志向が高まっていくことは明らかです。
そして来年行われるオリンピック開催に向けてアスリートの栄養指導など、公認スポーツ栄養士の需要はますます高まって行くと思います。
これ程の努力の結果得られた「公認スポーツ栄養士」資格が、もっと広く知られるようになって欲しいと思います。
まとめ
公認スポーツ栄養士の資格を取得するまでには非常に多くの講習を受けなければなりませんし、試験の難易度もとても高いです。
しかし、スポーツ栄養学の知識を深め、専門領域のスペシャリストとして働くことは、この上もなく大きなやりがいがあります。
今後、公認スポーツ栄養士が活躍できる職場はさらに広がっていく可能性があります。
そして、オリンピックをバネにもっともっと多くの人にこの仕事の重要性が認知されていくことでしょう。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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