本日はインパラのクーラント(LLC)交換やエア抜きの方法などについて書いていきたいと思います。
前回までは社外の水温計やステンレスホース、そしてリザーブタンクの取り付けなどを行いました。
一応本日でラジエーターまわりの整備に関してはひと段落する予定です。
ということで早速いってみよう。
Contents
シボレーインパラのクーラント(LLC)の抜き方
インパラからクーラントを抜く場合は下方にドレンコックがあるのでこれを半時計回りに緩めると抜くことができます。
インパラのクーラントの量は327スモールブロックエンジンの場合、マニュアル上では16qt(クウォート)入っているようです。
16qtだと大体15.14Lなので今回は95%のクーラント原液を2Lで4本、計8Lを手配しています。
ドレンコックから抜いても一気に全量が抜けるわけではなく大体半分くらいしか抜けませんが、
10L以上入るバケツなどをおいて作業を行いましょう。
エンジン停止直後だと噴き出して火傷したりするので基本的には冷えているときに作業します。
裏技的に一気に抜くためにわざと熱い時にやる人もいるようですが….
また抜くときはラジエーターキャップを反時計回りに外してからでないとスムーズに抜けません。
上から見ていると徐々に減っていくのが見れると思います。
で、抜いたクーラントがこちら。
茶色はおそらく錆の色です。
インパラの全量クーラント入れ替え作業
先ほども書いたように1回では全量が抜けないので2回3回….と何度も繰り返して最終的に交換が完了します。
また原則としてクーラントは1対1で希釈して使用するためラジエーター側だけで約半分ならばまずは全量を水に入れ替えたうえで最後に95%の原液を入れればほぼ1対1の比率になります。
1回目抜き終わったら一度コックを閉めて上から水道水を入れていきます。
こんな感じでペットボトルを逆さまにして漏斗変わりに使用すると作業がやり易くなります。
ここからホースで水を入れていきます。
でこのままキャップを開けたままエンジンを始動。
クーラントが熱くなるまで待ちます。
67インパラのサーモスタッドとファン動作の再確認とエアー抜きの方法
前々回くらいの記事で多少書いたと思いますが改めてこの年式のアメ車のサーモスタッドとファン動作の関係性について書いておきます。
旧車に詳しい人物いわく、
60年代のアメ車はファンカップリングがなく直動になるためラジエーターにダンボールを貼って冷やさないようにして、ラジエーターキャップを外して温度計を挿してサーモの開閉弁の設定に応じて大体74℃くらいから開き始め82℃で全開。温度計やキャップ穴から水が流れ始めたら水を足して数回繰り返し、ある程度落ち着いたらキャップを閉めてエンジンを止めて冷やすということを2度繰り返せばエアーが抜けるとのことです。
筆者はリザーブタンクを取り付けましたが、
リザーブタンクが無い場合はオーバーフロー用のホースをラジエーターキャップに取り付けておきエア抜き作業中はうえに向けておくかクリップで止めてフローしないようにしておき、エンジンを止めた後に2Lのペットボトルに水を1Lほどいれてそれにホースを挿すと良いようです。
これがリザーブタンクの代わりとなるのでペットボトルに半分以上水を入れてしまうと熱いうちは噴き出すので注意が必要です。
何度繰り返してもクーラントがキレイにならない件
うえでは2度やればエアーは抜けるとのことですが、これはあくまでもエアー抜きの話です。
まずはクーラントを綺麗にしてあげる必要があるので抜いては入れてを繰り返す作業が必要です。
正しいかどうかはわかりませんが、
この作業中に筆者はキャップを閉めたりなどはせずに、
ひたすらクーラントを抜いてはうえから水を入れ、
エンジンをかけて水温が70℃くらいになるまで待ち、
都度流動が確認出来たらエンジンを止めてまた抜いてという作業を繰り返しました。
大体1回約8Lを抜くのに15分~20分くらい。
エンジンかけて10分~20分くらい。
なので1サイクル大体40分程度を目安に作業を行いました。
最初の画像が初期のクーラントの色
そして2回目がこちら
3回目
とやってもほとんど色が変わらず。。。
挙句の果てには流動が確認できるとラジエーター内部の錆びと思われる金属片がぷかぷかと浮いてくる始末。
ちなみにエンジンのアイドリング中に回転数を上げてあげると混ざり合うのが早くなるようです。
この時点で内部のクーラントは半分の半分の半分の半分、つまり100%だとしたら6.25%程度なのでほとんど無色に近いはずです。
念のため後3回同じ工程を繰り返し。
実質0.78%の濃度になったはずなのに、
あまり変わらないのはなぜだろう?
おそらく全て錆の色なので相当ラジエーターの中が汚れていると判断しました。
ここまでで大体5~6時間くらい時間を使って日が暮れてしまったので作業は翌日に持ち越しとなりました。
綺麗にならないクーラントはラジエーターを流水で洗う
痺れを切らしてしまった筆者はドレンからクーラント(もはや真水)を抜きながらエンジンをかけて尚且つ上から水を入れ続ける作戦を取りました。
これはラジエーター内部の汚れをとにかく洗い流してしまうためです。
筆者のインパラはクーラントが抜けたときにキャップのところからラジエーターが目詰まりしているのがわかるくらい錆がでてしまっていたのでまずは最優先でこれを洗浄しなければなりません。
もちろん水が切れたりしようものならエンジンが一瞬でオーバーヒートするので諸刃の剣ですが最新の注意を払って行います。
途中錆でドレンコックが詰まったりしていたようですが、
ぐりぐりとまわすとつまりは改善しました。
そのまま1時間くらいやっていたらようやく水が綺麗になってきました。
バケツが黒なのでペットボトルの方がわかりやすいですね。
だいぶ透明度が上がってきてます。
ここからさらに2回同じ作業を繰り返し。
ペットボトル自体に錆の色が付着してしまってますが実際はもう透明です。
まだ注水口のペットボトルには黒い錆が浮いたりしてますが完全に除去するのはたぶん不可能なのでこのくらいを妥協点と判断しました。
新しいクーラントの補充
現状はラジエーター側の水が抜けている状態で大体8Lくらいがエンジン側に残っている計算なのでここに今回購入した95%の原液8L分入れていきます。
一応本当に8Lが抜けているのかを計ってみるためにラジエーターのクーラントの抜け量をダンボールにメモリを振って計算してみました。
メモリがある位置が真水を8L入れた場合の位置で、画像が実際にラジエーターからクーラントを抜いた時の実際の量になります。
こう見ると実際にラジエーター側から抜ける量は8Lよりもちょっとだけ少ないみたいですね。
そうすると比率はだいたい4対6くらいで水の方が多少割合多めになりそうです。
このくらいの誤差であれば特に問題はないらしいですがあまり極端に水の割合が多いと冬に結露したり本来の性能を発揮できなくなるようです。
多少水が多い場合は冷却性能が上がるみたいなのでまあいいかということで作業を進めます。
気を取り直して空気口を正しく上に向けて入れていきます。
全量入れたところ微妙に空間が残ったので不足分は水をつぎ足します。
インパラのクーラント交換でのエア抜き方法
冒頭のほうで複雑なエア抜き方法を書きましたが、このままだとキャップも締められないのでとりあえずエンジンをかけてアクセルを多少吹かしながら混ざりこみを確認します。
しばらくするとこんな感じでしっかり混ざります。
エア抜き中は常にポコポコと表面が泡立っているような感じになります。
また今回はアッパーホースをステンレス化してしまったのでできませんがゴムホースの場合はもんであげたりしたほうがいいみたいです。
筆者の場合は時々アクセルを強めにふかしながらぼこぼこいわせておきます。
エアが抜けるとその分クーラントの量が減るのでさらに水を足します。
さっきよりもだいぶエアーの量が減りました、
もう少しエアー抜きをして、この状態でリザーブタンクのキャップを外せばペットボトル内のクーラントはリザーブタンクのほうへとすーっと流れていきます。
リザーブタンク側に大体半分くらいになるように水を補充してきっちりとリザーブタンクのキャップを閉めておきます。
シボレーインパラのラジエーターキャップの交換
そして仕上げに新しく手配しておいたラジエーターキャップの交換を行います。
見たところ初期不良、
販売店に交換を依頼して送ってみたところたんにずれているだけでした。
後は時計回りに回しこんではめるだけです。
口一杯までクーラントが入っています。
これで一応クーラント交換は完了になります。
ただ完全にエアーはまだ抜けきっていないのでまた道路を走れるようになった後、
時々キャップを開けてエアーを抜く必要があります。
大体市内を30分くらい走ってはエアーを抜いてというのを繰り返せば完全に抜けるようです。(もちろんエンジンが冷えてから空けます)
後日仮ナンバーを付けて走ったところ開けるたびにプシュッと音がするのでその音がするうちはエアーが入っているということですね。
オーバーヒートが心配ならば冒頭で書いた方法でダンボールを貼ったりしてエアー抜きをしてもいいと思います。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
Twitter、インスタグラム、Youtubeなどでも活動中!