夏休みは子どもたちと戸外で思いっきりアウトドア体験をする絶好のチャンスです。
キャンプ、ハイキング、虫取り、ボルダリング、野外料理、もの作り体験など枚挙にいとまがありません。

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ポートフォリオって?

ここで言うポートフォリオは教育評価の一つで、アメリカでは30年前から行われています。
イギリスでも16才以上の生徒は、自分自身でポートフォリオを作成し、学習をした証拠を示すことが義務づけられています。
ポートフォリオ作りをとして、自分の学習成果をまとめて振り返り、それをもとに自己アピールできる子どもを育つのです。
「ポートフォリオとは、子どもの作文、レポート、作品、テスト、活動の様子が分かる写真やVTRなどをファイルに入れて保存する方法」(グロワード,1999,p.8)と定義されています。
e-ポートフォリオというものもあって、すべて電子化して保存しておくと、ちょうどアルバムのように整理でき、後でもいつでも取り出せ、追加できるという利点があります。
ポートフォリオ評価は、残したいものを選んでファイルすることを通して、子ども自身が以前より伸びたこと、達成したことを明確に知り、子どもの達成感や自己肯定感を高めることができます。
点数で評価する方法の対極にあります。
アウトドア体験を記録しよう
では、具体的にポートフォリオを作ってみましょう。
まず、テーマを決めます。
ここでは「キャンプで野外料理に挑戦」にします。
- キャンプに行く前に、今回のキャンプで何を料理するか決めているところを写真に収める(買い物メモ作成とその画像を保存)
- 材料を調達している所の写真(スーパーでの買い出し風景など)
- 子どもがキャンプ飯を調理をしているところや出来上がった料理などの写真を撮る
- まとめる① (この作業が大変重要で、帰宅後でもいいですが、できればその場で口頭で大人が子どもにインタビューする形にすれば音声付きのポートフォリオができます。帰宅後に文字化しましょう)
その時に、以下のような質問をしてみるといいですね。
・料理の説明や作ってみての感想
・いいところ(自慢)と直したいところ
・作るときに気をつけたことやコツ
・褒められたこと
・注意されたこと
・楽しかったこと
・嫌だったこと - まとめる② (これは帰宅後に落ち着いてネットや本で調べたものをまとめ、記録します)
・キャンプの歴史を調べて書く
・今回行ったキャンプ場の地域のことを調べてまとめる等 - 仕上げ
撮った写真をプリントし、スケッチブックに貼ります。
完成品の写真だけでなく、調理過程の写真、調理中の子どもの写真なども貼りましょう。
出来上がったら、スケッチブックの表に「~~~作品集」とタイトルを書きましょう。
以上で、立派なポートフォリオが完成です。
電子化も同時にしてしまい、USBスティックに保存しておきましょう。
ポートフォリオ作りに適したテーマを探そう
テーマはどのようなものでも良いのですが、アウトドア体験が適しています(後で理由を述べます)ので、例をあげてみましょう。
- 家族旅行
- ペットの世話と観察
- 草花の成長記録
- 家の手伝い
- 海水浴
- おじいちゃん・おばあちゃんの家での出来事
- お盆行事について(日本各地のお盆の迎え方の比較など、小学校の中・高学年ならできそうですね)
- 虫取り体験
- ものづくり体験
- 趣味や日常的に頑張っていること
- 習いごと
- 低い山ハイキング etc.
テーマの選び方のコツは、子ども自身がもともと好きなことや興味を持っていることを見つけ、それに少しだけ研究的な視点を加えると、子どもも喜んで取り組み、失敗も少ないと思います。
この方法の長所は、まとめとして書くプロセスで、振り返ったり、改めて考えたりすることができるという点です。
もう一つ、実践のヒントになりそうな例とポートフォリオへのステップをご紹介しましょう。
タイトル「クロールができるようになった2019年の夏休み」
- 子どもが準備運動をしたり、泳いでいるところの写真を撮る
- 自分の泳ぎのいいところと直したいところ、難しいところ
- コーチに褒められたこと、注意されたこと
- これから頑張りたいこと
- いろいろな泳法について調べてまとめる
- 水泳の歴史を調べて書く
- オリンピックや世界大会で活躍した選手について調べて書く
- まとめ (振り返り)
- 以上をスケッチブック上に貼り、他の人に見せられるようにする
なぜ、アウトドア体験が子どもに大切なの?
日本では2020年に教育改革がなされ学習指導要領が変わります。
それを見ると、未来を生きる子どもたちに「どのような力(資質・能力)を身につけるのか」「何ができるようになるのか」まで踏み込んで求める教育を目指します。
これからの子どもには、知識や技能を修得するだけでなく、それをもとに「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ことが求められるのです。
人の話をきちんと聞け、発信できる「コミュニケーション力」、先のことを見通せる「プログラミング思考」、新しいものを生み出せる「発想力」など「生きる力」が、アウトドア体験を通して身についていきます。
次にアウトドア体験のメリットを子どもの成長の通して見てみましょう。
子どもにとって自然の中で過ごすアウトドア経験は、ドキドキやワクワク、驚きの連続で、こうした感情は、脳の前頭葉を刺激し、脳の発達を促します。

アウトドア活動で伸びていく子どもの力
- 協調性やコミュニケーション能力、計画性、集中力の向上
- 親子の関係を良好にする力
- 問題解決能力が上がる
- 感受性が豊かになる
- 災害に強い精神とスキルが身につく
- 目標に向かってやり抜く力、自主性が育つ
- ストレスに強くなる
本紹介『未来に役立つ8つの力が育つ週末体験あそび』
最後にポートフォリオ作りに役立つ上記の本をご紹介します。
出版年: 2019/6/27
上記の本によると、子どもに体験をさせることで以下の8つの力がつくと言います。
興味がある方は是非、お読みください。
- コミュニケーション力がつく
- 思考力・集中力が育つ
- プログラミング思考・計画性が育つ
- 表現力・創造力が育つ
- 協調性・思いやりが育つ
- 洞察力・発見力が育つ
- 筋力・バランス力が育つ
- 発想力・想像力が育つ
Amazon カスタマーのコメント:
「14年後のわが子へ! 2019年7月5日
子が小学生になって『この子は将来どんな大人になり、どんな人生を歩んでいくんだろう』とぼんやり思うようになってきたと同時に、まわりのお友だちは習い事や塾に忙しくしはじめ、やや焦りも感じ始めていた頃。
本書の「未来に役立つ8つの力」というタイトルが響いて、思わず購入。
「6-9歳の時期こそ、親子で体験あそびをするのがよい」という脳科学やスーパー保育士の先生のお話が、スッと胸に入ってきました。
気質別のおすすめ体験、8つの力ごとの説明も興味深く、なかなか読み応えたっぷり! 体験スポットもたくさんのっていて、夏休みにたくさん子どもと出かけたくなりました。』
引用:amazon.co.jp 未来に役立つ8つの力が育つ週末体験あそび-JTBのMOOK
まとめ
現在の学校では、「自由研究」という言葉は使わないそうで、「自慢できること・もの」と表現するそうです。
親も協力して仕上げる子どもの作品集、ポートフォリオをご紹介しました。
大切なことは嫌がる子どもに親が無理強いしないことです。
スーパーに買い物に行った時に外国から輸入された食材を調べたり、野菜や果物の産地を記録するなどして、気が付いたことや感想を書くなど、気軽に考え日常生活の中からテーマを子どもと一緒に考えましょう。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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