本日は67インパラの足回り整備を行っていきたいと思います。
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ダストブーツ破れは車検非対応!?
インパラの予備検査を通すためには車検対応整備を事前に行う必要があります。
その中でも特に足回り系の整備に関しては素人には難しく、リフトがないと出来ない作業も多くあることでしょう。
車検を通すために必要な足回りの整備としては以下のようなものがあります。
- タイヤ溝
- ダストブーツ破れ
- 足回りのがたつき
- アライメント調整
このあたりの整備がしっかりできていない場合、検査時に不合格になることがあります。
また上述したダストブーツの破れや足回りのがたつきといったものは旧車にはあるあるなので、
個人で車を並行輸入した場合にはほぼ間違いなく必要な整備になると思ったほうが良いです。
そもそもダストブーツっとは?
ダストブーツというのは基本的にロアアームやアッパーアームといったパーツのボールジョイント部分を異物や劣化から保護するために装着されているカバーのことです。
ボールジョイントは車の関節に相当する部分となっているのでここが劣化すると最悪車輪が脱落したりなどの重大な事故に繋がります。
筆者のインパラの場合以下のような感じでブーツに破れが発生しておりました。
通常このダストブーツの内部にはボールジョイントの保護と潤滑をよくするためのグリスが充填されているのですが、
こんな感じに破れてしまうとグリスがなくなってしまいボールジョイントの劣化に繋がります。
またボールジョイントが劣化してしまってガタが出ている場合、
ダストブーツの交換をしても改善しないのでボールジョイントの交換やロアアームの交換といった整備が必要となります。
因みにダストブーツの交換は車種にもよって異なりますが67インパラの場合はドラムユニットを外したり、
スプリングのテンションを緩めたりなどしなければならないため素人作業は難しいのとそれ以上の危険も伴います。
サスペンションまわりにガタがある場合はロアアームのボールジョイントが異常か?
故障診断をする場合はタイヤまわりをゴムハンマーなどで叩いてその反応をみます。
上で説明したようにボールジョイント部分などにガタがあるとビビりが発生したり正常な手ごたえが返ってきません。
いずれにしても旧車のような数十万キロ単位で走行している車であればロアアームなどをAssyごと交換するのがおすすめです。
こちらは筆者の67インパラのロアアームの劣化状態が良くわかる動画です。
ただアッパーアームに関してはロアアームほどダメージを受けていないので交換しなくても問題ないケースは多いみたいです。
前置きはこのくらいにしてここからは足回り整備、実作業の様子を書いていきたいと思います。
1967年式シボレーインパラのロアアーム交換の様子
まずはスプリングを縮めてからのドラムユニット下ろし
アッパーアーム側から外していましたが実際にはロアアーム側から外した方が作業効率はいいみたいでした。
事前にスタビライザーまわりも外しておきます。
なんかフレームの穴の形変わってる?
アッパーアームとロアアームの根元を外すとユニットごとボロッと外れます。
ここまで外すととダストブーツにようやっとご対面
今回手配したロアアームがこちら
新品のダストブーツ付き
新旧比較
アッパーアームのブッシングも交換してます。
新しいロアアームなど、パーツをどんどん取り付けていきます。
ずぶずぶだったスタビライザーブッシュも交換しました。
このかまぼこ型のブッシュを交換。
手配したブッシュの規格が微妙に異なるためステー溶接してブッシュがズレないように加工しました。
なぜかこの赤いやつだけ新しいのがもともと付いていた。
各ボールジョイント部分には忘れずにグリスを注入しましょう
グリスもなにも入っておらずカラカラなので必ずグリスを注入します。
注入するにはこのようなグリスニップルというパーツからグリスガンを使ってモリブデングリスを注入しておきましょう。
隙間から溢れ出るほど入れておきます。
なおグリスは今後定期的に注入を行ってメンテナンスをしておく必要があります。
67インパラのロアアームを交換するときの注意点まとめ
今回の記事では詳細な説明を省いて書いてしまったのでその大変さがあまり伝わらなかったと思いますが、
アメ車整備歴28年のベテラン整備士が行っても作業には丸2日程度の時間が掛かっております。
旧車ならではですが劣化したボルトや既に破断しているボルトなどもあり一筋縄では作業が進まなかったのが原因ですが、
それ以上に安全対策を万全に整えてから作業を行わないと死にます。
まずパンパンにテンションが掛かったスプリングに注意しましょう。
作業中に手元が狂ったりしたらバネが弾けたついでに頭も弾ける可能性があります。
特に中華製の道具を使用するならなおのこと注意が必要です。
また構成されているパーツはなにもかもが重いので作業にあたり体力も必要です。
油圧式の昇降台やリフトなどの設備があれば最低限の体力でなんとかなりますが、
もしこれらがない場合は作業そのものを辞めた方が無難でしょう。
それと当たり前のことですが整備作業を一旦始めると車をその場所から動かすことができなくなりますので、
必要そうなパーツは事前に全て手配をしておかないと場所を占有されてしまいます。
焦って作業を進めるような展開にならないように事前準備とイメージトレーニングをしっかりと行いましょう。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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