本日は個人で輸入した車の予備検査を通す方法(予備検査証取得)について書いていきたいと思います。
車を個人輸入した後の手続きに関しての概略は以下の記事で書いています。
Contents
並行輸入車の予備検査を受ける前の書類審査
輸入して通関証明書が発行された車はいきなり検査場に持ち込んでも実は検査を受けることはできません。
まずは事前の書類審査を通過している必要があります。
書類審査は並行輸入自動車届出書というものを所轄の自動車検査独立行政法人に提出することで完了することができます。
こちらについては以下の記事で詳しく解説しています。
事前審査には1週間程度時間が掛かるので車を個人輸入した後はなるべく早めに手続きを行っておきましょう。
並行輸入車の予備検査を受ける前に保安基準適合整備をしよう
仮に書類審査を通ったとして輸入したそのままの状態では基本的に日本の公道を走行することはできない状態となっています。
基本的にはいかのように法律で義務付けられた基準をクリアしなければなりません。
また保安基準には車両ごとに適用となる基準が異なり、
年式によっては基準に適用除外が発生する場合があります。
例えば筆者のインパラの場合1967年式であるため昭和42年12月31日時点の保安基準が適用となります。
年式別の保安基準についてはまた別記事にて書いていきたいと思います。
旧車(クラシックカー)の予備検査通過までの道のりは長い
この保安基準に基づいて現車の整備作業を進めることになります。
また書類審査の際に検査官より特別に指摘を受けた場合はその部分の改善整備も予備検査日までに行っておく必要があります。
クラッシックカーなどの場合パーツの手配などに一々時間を要するため、ナンバーを取得するまでに最も時間がかかる作業は整備になるかと思います。
予備検査を受ける前に自賠責保険への加入と仮ナンバーを取得しよう
ナンバーが付いていない車で公道を走行することはできないのでこれを一時的に乗れるようにするために保険代理店などで自賠責保険への加入と市役所で仮ナンバーの取得を行いましょう。
こちらについてはそれぞれ以下の記事で書いております。
全ての準備が整ったら予備検査の予約をしよう
ここまでで書類審査、整備、保険、仮ナンバーと事前準備が全て完了しているので車検予約システムを使用して検査予約を行いましょう。
予約自体は24時間いつでも無料で行うことができますが、基本的に丸1日潰れるほどの時間がかかりますので時間に余裕があるときに予約を入れましょう。
予約には新規アカウントの登録が必要ですがサイト上から即日登録と予約が可能です。
【千葉運輸支局】 ・ 受付時間:12:45-14:00 ・ 新規検査/予備検査(並行輸入車)
2018/10/23 (火) 第3ラウンド ・ 検査時間:13:00-14:15 ・ 普通車
するとこんな感じで予約をすることができます。
並行輸入自動車の予備検査当日はテスター屋さんで最終チェック
基本的な整備作業は自分自身で行ったり整備工場などで行ったりしているとは思いますが、
最終チェックとして陸運支局周辺にあるテスター屋さんと呼ばれるところで最終調整の作業がほとんどの場合で必須となります。
中には整備工場などでできる項目もあると思いますが余程設備の整っているところでない限りまずテスター屋さんに持ち込むことになるかと思います。
テスター屋さんでは主に以下のような項目のテストと調整を行います。
- サイドスリップテスト(舵取り車輪の横滑り量測定)
- ブレーキテスト(制動力測定)
- スピードメーターの誤差の測定
- 排ガス測定
- 光軸測定(ライトの照射方向の測定)
筆者は千葉の陸運支局に持ち込むため、コルザサンというテスター屋さんに現車を持ち込みました。
ここで係員の指示に従いながら上記の項目を1個ずつテストしていくことになります。
テスター屋さんの料金は高い?
料金はうえの項目すべてセットで5150円税込みです。
仮に1項目だけやったとしても3000円以上するのでそれなら全部まとめてやっちゃった方がいいかもしれません。
こちらは予約不要とのことなので車検場で手続きをする前に立ち寄ります。
並行輸入自動車の予備検査の受付
テスター屋さんで一通りの作業を終えたらいよいよ陸運支局に乗り込んで予備検査を受けるための手続きを行います。
まずは印紙窓口で2100円の検査印紙を購入して手数料納付書に張り付けます。
手数料納付書に関しては印紙窓口でもらえます。
次に陸運支局内で配布または販売されているOCRシート第一号様式を記入し新規検査受付の窓口で受け付けを行います。
なおOCRシートの書き方は場内に記載見本がそれぞれの手続き毎に設置されておりますのでそれを見ながら書けば問題ありません。
また受付時間が設けられていますので時間内に受付を済ませましょう。
受付が完了すると自動車検査票などの書類がもらえますので一式を持って並行輸入自動車届出書を提出したときのBOXへ向かい、
そこですべての書類を提出すると車検予約の有無を確認されたうえで並ぶべきレーンの番号を教えてもらいます。
また初見であることを担当者に伝えるとだいぶ親切に車検の一連の工程を補助してくれます。
並行輸入自動車の予備検査
ここで同じ時間に受ける車両がずらっと並んでいるわけですが、
自分も同じように並びます。
自分の順番が来ると検査担当者が声をかけてくるので書類一式を渡すと予備検査が以下のような流れで場外での外観検査から始まります。
- 書類上の車体番号と実車の番号の一致確認
- 前照灯、ウインカー左右の確認(ハザードチェックはなし)
- ナンバー灯、車幅灯の確認
- バックランプの確認
- ブレーキ灯の確認
- 後部反射板の確認(サイズも計測してた)
- クラクションの確認
- ボンネットを開けてエンジンルーム内の確認
- 非常用発煙筒の有無(使用期限はチェックしない)
- 車のサイズ測定
見てるかどうかわからない項目(多分見てない)
- ナンバーステーの有無
- ブローバイ経路
- サイドミラーの有無
- クラクションの表記
- 速度表記
- 車内装備全般
- その他特に声を掛けられていない部分
ここまでのチェックを終えるといよいよ建物内での検査が始まります。
もし同乗者がいる場合は運転手一人だけが入場を許されるので、同乗者は横の通路を車に合わせて歩きながら傍観することになります。
レーン内では以下の順序で検査が行われます。
- サイドスリップ試験
- 速度試験(時速40kmでクラクションを鳴らす)
- ライト光軸試験(ハイビーム)
- 排ガス試験
- ブレーキの制動試験
- 下回りのチェック?
各工程では検査機器が自動的に○×の判定が表示されることで合格したかどうかがわかるようになっています。
どこかの項目で仮に不合格だった場合も時間内は何度でもレーンに並びなおすことはできるようです。
因みに筆者は全ての項目で一発合格を果たしました。
これが終わると1番レーンに並びなおして車の写真撮影と車重の測定があります。
車重の測定では基本的にトランクなどに入っている荷物などを全て下ろしておく必要がありますが、
検査担当者に聞いたところ下ろす人もいるけどそのまま測定する人もいるとのこと。
なので筆者は交換したロアアームなどのあらゆるパーツをトランクにそのまま積んだまま測定を通しました。
結果的に自動車重量は1980キロになったわけですが仮にこれが2000キロを超えていた場合は自動車重量税が上がってしまうのでギリギリ回避。
車重測定が終わったら車を敷地内に適当に止めて暫しの待ち時間です。
大体30分くらい例のBOX内で待っていると書類を受け取れるはずが思わぬ問題が発生。
エンジン(打刻)キャスティングナンバーチェックしたのか問題
どうやら担当者がエンジンの打刻を目視で見たのか?と無線でやり取りをしている模様、
つまり最初の外観検査の時にエンジン打刻をチェックしなければならないところを担当者がよくわからないまますっ飛ばしてたみたい。
ということで再度3番レーンに並ばされ足回りチェックゾーンまでGO。
もちろんシリンダーヘッドなのでバルブカバーを外さなければ見えない部分であることを知ってますが、
とりあえずどこにあるかわからんとすっとぼけ。
しかし目視で確認できないことにはどうにもならん、ということで奥の手を発動。
こんなこともあろうかとPA-Rさんで調べて用意しておいたエンジンSUFFIXの資料と写真と位置を掲示。
結果から言うと問題なし!
これによって一連の検査は全て終了、次は職権打刻の工程へと進みます。
並行輸入自動車には原則として職権打刻がされる
基本的に正規代理店を通さずに海外で購入して輸入した車(つまり並行輸入車)に関しては職権打刻といわれる固有の車体番号が割り当てられます。
割り当てられた車体番号は車体フレーム、原動機(エンジン)に直接打刻され封印されることになりますが実際にはただシールを張り付けているだけです。
検査を終えるとBOXにて記入された検査票や審査結果通知表などの書類一式がもらえるのでこれを持って検査受付をした窓口で職権打刻の申請を行います。
特にこちらで記入する書類などはありませんのでそのまま窓口にもらった書類をそのまま出すだけです。
しばらくしたら職権打刻をするための道具を持った担当者の案内にしたがって敷地内の職権打刻上屋という場所で筆者立会いの下で打刻作業が行われます。
67インパラの場合、エンジンSUFFIXがあった場所と右フロントタイヤハウス内のフラットな部分にそれぞれ打刻が行われました。
並行輸入自動車の予備検査証をゲット!
職権打刻が終わると返却書類を持って再度BOXに行くように指示されますが、
すでに16時をまわっており閉まっているので陸運支局2Fの窓口へと直接向かいます。
この時点では既に場内のお客さん?はほぼいない状態になっていて半ば貸し切り状態となります。
2Fで書類を提出してしばらくすると書類が返却されるので今度は1Fの交付窓口に行き受け取った書類全てを提出します。
一通り書類の確認が行われますが通関証明書のコピーが1枚必要であるとのことで敷地内でコピーを行いました。
これで全て問題がなければ無事に予備検査証をゲットすることができます。
予備検査証が発行されたらやるべき3つのこと
予備検査証を入手したら有効期限の3か月以内に登録手続きを行ってナンバーをゲットしなければなりません。
今回の予備検査が一発で合格できるという確信があれば予備検査当日でもナンバーをゲットすることはできますが、
所見だと色々と難しいので基本的には2段階に分けてナンバーを取得することになると思います。
なので予備検査に合格したらまずは以下の手続きをすぐに進めましょう。
- 自動車リサイクル券の手続き
- 車庫証明の取得
- 自賠責保険の追加加入
この工程については以下で記載しています。
予備検査に掛かる時間はどのくらいか?
また今回筆者は予備検査を第3ラウンドで予約したため、
時間にして移動時間も含めてほぼ丸一日が掛かりました。
時間配分的には以下のようになってます。
出発11:46
テスター屋さん到着13:15
検査受付13:58
レーンに並ぶ14:15
検査終了16:06
予備検査証をゲット17:09
自宅へ帰還18:32
もし予備検査合格と同時にナンバーまで手に入れたいということであれば第一ラウンドで検査予約をしておかないと間に合わない可能性があります。
次回は並行輸入自動車の新車登録とナンバー取得手続きの方法を書きたいと思います。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
Twitter、インスタグラム、Youtubeなどでも活動中!