本日は車を個人で輸入した際に必要な手続きで並行輸入自動車届出書の書き方や書類審査の進め方などを書いていきたいと思います。
車両を輸入した後の全体の流れについてはこちらの記事で書いております。
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車を輸入したときに必要な並行輸入自動車届出書とは?
個人や業者を問わず基本的に車を海外から輸入した場合には税関などの手続きを終えた後に並行輸入自動車届出を行わなければなりません。
この届出は所轄の自動車検査独立行政法人(主に陸運支局の敷地内にある)に対して行うもので、車の車検を行うための事前の書類審査となっています。
つまり、いきなり訳のわからん車を検査場に持ち込まれても検査官が困ってしまうので、
まずは実際の検査を行う前にどんな車を検査に持ってくるのかということや、
最低限の持ち込む車体の解説などを事前に行っておくものと思っていただければいいと思います。
並行輸入自動車届出書には専用のフォームが用意されておりますので以下よりダウンロードしましょう。
(1)並行輸入した乗用車の届出を行う場合の中の第1号様式(並行輸入自動車届出書)、第2号様式(車両諸元概要表)、第9号様式(総排気量計算書)のそれぞれが必要です。
並行輸入自動車届出書の書き方
基本的に記入すべきところは赤で記していますがわからないところや不明な部分は白紙の状態で出して問題ないと思われます。
並行輸入自動車届出書第1号様式(その1)の書き方
赤で囲った部分が記入しなければならないとされる部分です。
- 年月日:提出日の日付
- 届け出および輸入者の情報
- 印鑑:捺印しましょう
- 車名及び型式:通関証明書に記載のあるものをそのまま記入
- 種別:普通
- 車体の形状:空欄
- 用途:乗用
1ページ目他空欄
並行輸入自動車届出書第1号様式(その2)の書き方
- 車両の各情報:WEBやオーナーズマニュアルから引用したものを記入
- 最大積載量など:不明な場合は空欄
- タイヤサイズ:現在履いているものを記入(空欄でだしたら後日電話確認あり)
- 車体番号又はシリアル番号の様式の解説
-こちらは通関証明書に記載されている車体番号(VINナンバー)に対する解説資料をWEB上のVINナンバーデコーダー等を使用し印刷して提出
また拓本にはVINナンバーが読める状態の写真を添付して提出 - 原動機打刻番号等の様式の解説
-実車に積んであるエンジンのキャスティングナンバーに対する解説資料をWEB上から印刷して提出
同じく拓本にはエンジン打刻(キャスティングナンバー)が読める状態の写真を添付して提出
*補足事項
筆者は最初にシリンダーヘッドのキャスティングナンバーを使用して書類審査を通過しましたが、
予備検査当日は目視によるキャスティングナンバーチェックの工程があるため目視が出来ない場所の打刻を資料として提出すると予備検査を取得することができません。(その場で分解などして確認できる場合は別)
したがって急遽エンジンのSUFFIXコードで検査当日に証明することで一発合格することができました。
- 拓本貼付:この欄には別紙と記入
保安基準に適合させるための改善事項等に関しては空欄です、
当日書類を提出したときにどこを改善しなければならないのかを担当官が口頭で教えてくれます。
他排出ガス発散防止装置や騒音防止装置に関しては不明なため空欄。
車両諸元概要表の書き方(1ページ目)
青で囲った分は筆者が記入した部分、それ以外空欄で提出
- 車両重量等:予備検査日に重量を計測して記入されるので空欄
- 車輪配列:後輪駆動
- 気筒配列及び気筒数:V8
- 燃料装置:タンク容量と材質を選択
- ホイール材質:鋼
- ハンドル位置:左側
- イモビライザー:なし
- 盗難発生警報装置:なし
- ブレーキ:前後ドラム、系統、シングル、液圧式
車両諸元概要表の書き方(2ページ目)
- 駐車ブレーキ型式:ドラム、後輪
- 座席:前3個、後ろ3個
- 座席ベルト:前2個、後ろ2個
ある記事で座席の数とベルトの数が違う場合は新しくシートベルトつけなければならないのような記述をみましたが、
もともとないものは付けようがないということとベルトが要らない年式であるという点から仮に6人乗りだとしてもベルトは4つで問題ない模様です。
実際にベルトの有無を確認されることもありませんでした。
他すべて空欄。
総排気量計算書の提出は基本的に不要
なお3つ目のフォームの総排気量計算書は第1号様式その2で記入したエンジンのスペックで排気量と馬力が証明さえできれば提出の必要はありません。
逆にキャスティングナンバーなどがどこにあるかわからない、とか経年劣化で読み取りができなくなっているという状況になっている場合は、
エンジンをバラして超絶面倒くさい工程で原動機の証明資料(主に排気量の計測)をゼロから作らなければなりません。
シボレーのV8スモールブロックエンジンの打刻(キャスティングナンバーの位置)
エンジン打刻自体は色々あるようです例えば以下
- バルブカバーを開けたところに見えるシリンダーヘッド打刻
- エンジンの運転席側側方、デスビの下らへん
- ヒーターホース出口の左らへん(SUFFIX)
デスビ下の打刻に関してはどう頑張っても検査員が目視で確認するのは難しい位置なのでシリンダーヘッドかヒーターホース出口左らへんにあるSUFFIXで証明することになると思います。
ただしシリンダーヘッドの場合は当日分解する必要があるのとそもそもシリンダーヘッドだと該当のエンジンが複数あるなどして証明要素に乏しいため、この場合SUFFIXで証明すると比較的楽かと思います。
SUFFIXはこんな感じの台座の上にあります、
なお車体のシリアル番号と同一である場合はエンジンが当時モノのオリジナルなのかどうかという判断も実はできたりする便利なものです。
因みに筆者のインパラは車体番号とエンジン打刻が一致したのでエンジンの載せ替えがない当時モノであるということがわかりました。
見つけたSUFFIXはこんな感じの秘密のコーデックスを使用して該当項を印刷して提出したりします。
秘密のコーデックスについて知りたい方はぜひPA-Rさんに立ち寄ってみてください。
並行輸入自動車届出書の提出に必要な資料まとめ
さて並行輸入自動車届出書を作成するうえで様々な資料を探し回ったと思いますが、
それらの資料は全て紙で印刷やコピーをして保存しておきましょう。
何故なら全ての資料は証明書類として並行輸入自動車届出書と一緒に窓口で提出することになるからです。
また基本的に外部の資料のみで車体の証明を行っていくのであれば最低限以下のような資料が手元に必要なってきます。
- 車体のスペック情報が記載されている資料
-サイズ情報、車両重量、乗車定員、変速機、エンジンスペック、タイヤスペック - VINナンバーの解説資料
- 搭載エンジンの解説資料
もし一つの資料で解説しきれない場合は複数のサイトからそれぞれの解説資料を印刷して最終的に一つの解説が成り立てば問題ありません。
例えば1234C567という番号があるとして、
あるサイトには番号1234の解説のみ、またあるサイトにはCの解説、またあるサイトには567の解説があれば各サイトから該当の項のみを抜き出して印刷すればよいです。
シリンダーヘッドの番号なんかだと複数のエンジンが紐付いてくるので頑張って1個だけ紐付いているサイトを探したりとかして最終的に解説が成り立てばOkと考えます。
また上記したもの以外にも以下の資料も必要となります。
- 実車の写真:車両の外観写真が正面、後ろ、左右
-A4用紙などにカラーでまとめて印刷すればOK - 自動車通関証明書のコピーと原本
-なくしたら車が鉄くずになる最重要資料
一応ピンクスリップのコピーも持参した。
それと陸運支局によっては改善内容一覧表を要求されることがあるらしいですが、
千葉では不要だったので基本的には不要なものだと思います。
並行輸入自動車届出書の提出の流れ
ということで上記の資料を持って事前の書類審査を行うために所轄の陸運支局内にある自動車検査独立行政法人へと向かいします。
ここではナンバーセンターとその隣に1Fに車検の窓口がある建物と2Fに自動車検査独立行政法人があります。
とりあえず右も左もわからなかったため適当な窓口の担当者に質問したところ、16時までは基本的に車検場のほうで対応しているということで2Fではなく車検場横のBOXまで足を運びます。
中に入ると検査を終えた人たちが数人待っていることもありますが、
基本的に誰かしらいるはずなので並行輸入自動車届出書を持ってきたという旨の説明をすれば対応してくれるはずです。
因みに書類審査に予約や手数料の納付などはありません。
ただし書類に不備(主に足りない場合)があった場合出直しを余儀なくされる可能性はあります。
大量の資料を検査員に渡してその場であれこれとチェックをしてもらいます。
一通りのチェックをしてもらって問題がなければここから書類審査で1週間程度かかります。
特に控えの書類などはもらわなく、問題なく書類審査が終わった場合はその連絡が来ることだけが伝えられます。
また何年の保安基準が適用になるのかに加えて写真やスペックなどから必要な改善整備について教えてくれます。
筆者の場合は非常用発煙筒の車載と右ミラーの取り付けでした。
右ミラーについては対応していただいた担当官曰く、
昔はなくても問題はなかったらしいですが、
最近はかならず搭載しなければならないように基準が変わったらしいです。
ただ法律的な解釈ではたぶん不要なはずですが、
検査員がこう言っている以上取り付けを回避するのは難しいかもしれませんね。
審査期間中は結構電話がかかってくるかも
筆者の場合はタイヤのサイズ確認とエンジン打刻の紐付き問題、それとエンジンの回転数(RPM)の件で2、3度ほど電話がかかってきました。
その都度解説資料を印刷してFAXしたりなどして対応を行うことで事なきを得ましたが、だいたい5営業日程度で書類審査は通過することができました。
書類審査に通過した後の手続き
書類審査を通過するとその旨の電話連絡と予備検査の予約について案内があります。
この連絡がくればいつでも車検予約システムから予約を行って予備検査を受けることができる状態になります。
予備検査を受けるためには保安基準に合わせるための整備作業や自賠責への加入、仮ナンバーの取得などが必要になってきますのでまた次回個別記事を書きたいと思います。
*注意*
筆者は車屋さんでもなんでもないただの素人なので記事に誤りなどがあっても保証いたしかねます、質問もお受けできません。
また最終的な判断は陸運支局によって下されますので担当官の指示に従ってください。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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