ブッシュクラフトってご存知ですか?
アウトドア雑誌のテーマになったりすることもあるので、時々耳にしたという方も多いでしょう。
ブッシュ=藪、クラフト=工作なので、少しイメージできますが、サバイバルとは少し違うようです。
ここでは、ブッシュクラフトの定義、コンセプト、実践法についてご紹介します。すべて、日本で実践できるとは限りませんが、コンセプトとして、アウトドアに関心がある私たちは知っておくべきことだろうと筆者は考えます。
Contents
ブッシュクラフトとは?
英語版Wikipediaは以下のようにブッシュクラフトを定義づけています。
Bush craft:
Fire craft, tracking, hunting, fishing, shelter-building, the use of tools such as knives and axes, foraging, hand-carving wood, container construction from natural materials, and rope and twine-making, among others
簡単に確認しておきましょう。
火起こし、動物の痕跡を探しだすこと、狩猟・釣り、シェルターを作ること、ナイフや斧といった道具の使用、野生の食べられる材料を探すこと、木彫り、自然の素材から器など入れ物を作ること、ロープや蔓(つる)の利用などのことをブッシュクラフトと言います。
あ、サバイバルのことね、と言う声が聞こえてきます。
サバイバルとブッシュクラフトの違いは後章でお伝えします。
もう少し、ブッシュクラフトのコンセプトについて考えてみましょう。
ブッシュクラフトのコンセプトは?
ブッシュクラフトは森など自然環境の中での「生活の知恵」の総称で、その行為や技術をブッシュクラフトと呼ぶと言いましたね。
筆者は最近アウトドアって何だろう?と頻繁に考えます。
アウトドアブーム、アウトドア商品、アウトドアショップ、アウトドアブランド、アウトドアファッション……
現代人が失ってしまった先人たちの「生活の知恵」を学び直し、知恵や技術を生かすことで、より自然を身近に感じることができるのが、ブッシュクラフトなのです。
このような自然への接し方が、もっと日本のアウトドアの主流になればいいな、という思いで筆者は記事を書いています。(いつから、日本のアウトドアは今のような方向に進み始めたのだろう?山ガールという言葉が流行ったころだから、10年前になる。何でも流行らせて商業化し、骨抜きにするのが日本の常だから。筆者独り言)
なぜ、今、ブッシュクラフト??
高度にテクノロジーが発達した便利で快適な生活を後にして、人はなぜ、素朴で質素な、時には危険を伴うような活動をしに森にはいっていくのでしょうか?
もし、あなたが「都会の生活の罠にはまってしまった」と感じたら、森を歩いてみてください。
電子機器のスイッチを切って、ストレスの多い生活から逃げ出してみてください。
参考:Canterbury, Dave. Bush craft 101: A Field Guide to the Art of Wilderness Survival (p.14). Adams Media.
サバイバルとの違い
サバイバルの目的は「生還」。ブッシュクラフトの目的は「生活」であるところが違います。
両方とも行為が似ていますが、サバイバルは『状態』、ブッシュクラフトは『手段』と区別することもできます。
ブッシュクラフトで実際に生活している人や、趣味としている人、生業にしている人、継続して趣味等でブッシュクラフトを行っている人を、ブッシュクラフターと呼びます。
参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブッシュクラフトでは通常のキャンプのように、炭を買ってきて、着火剤を使って火をつけることはしません。
薪は自分で調達、着火剤は自分で作ります。薪には枯れた小枝等を使い、着火には火口を枝から作ります。
火口にはススキの穂や枯れ草などの乾燥した植物性の繊維を使うか、ナイフを使って薪を細かく裂いてフェザースティック状にしたものを使います。
食料調達も自分でします。食べられる野草やきのこ、木の実を探したり、魚を釣ったり自分で調達。
ブッシュクラフトって日本でできる??
ブッシュクラフトは最小限の道具しか持たないため、全て現地調達や自分が現地で作った道具で生活します。
普通のアウトドアならガスコンロを使って料理をしたり、お湯を沸かしたりしますが、ブッシュクラフトならたき火です!
お箸もスプーンもカップだって、ナイフを使って自分で作ります。
また、公有地・私有地を問わず、各自治体によって野焼き・焚き火行為が法律・条令によって制限されていることもありますから、注意してください。
竹で箸を作ろう
まず、竹の向きを確認してください。竹が立っていたときに、 どちらが 根元で、どちら が葉側かを確認します。
葉側から刃を入れると割りやすいです。
これが「木もと竹うら」と言われる所以です。先人の教えですね。
十分、刃が竹に食い込んだら、適当なところで竹を折ってください。
さらにお箸に合うサイズ に小割にしていきます。出来上がり!!!
ブッシュクラフトの必需品、ナイフの選び方
ブッシュクラフト用のナイフを選ぶ際の重要なポイントをあげてみます。
1. 身幅の広さ
キャンプと違ってブッシュクラフトでは木を切ったり、削ったり、割ったりと使う用途は多岐にわたるので、アメリカのキャンプで使われるような身幅の広いナイフを選ばなければなりません!
2. 扱いやすさ
ナイフでよく使う部分は柄を握って人差し指を伸ばした指先に位置する部分です。あまりに刃が長いと扱いづらいので短い刃のものがおすすめです!木製の柄がついたナイフを選ぶのがおすすめです。
3. 切れ味
ブッシュクラフトではいろんなシーンで使うので、サビにくく、研ぎやすいステンレス素材のナイフを選ぶのが良いでしょう。
おすすめナイフ
MORAKNIV(Mora Knife)ブッシュクラフト サバイバル
MORA(モーラ)のナイフです。
実用性を重視していて、カバーの部分に刃を研ぐようにダイヤモンドシャープナーがつけられています。
さらに、火を起こすようのファーヤースターターも付いていて、このナイフ一つでたき火ができます。
全長:約232 mm
刃長:約109 mm
重量:約123 g
バークリバーのブラボーシリーズですが刃渡りが1、1.5、2のようにありますが、1(約10cm)がサイズ的にコンパクトなので、ナイフで薪割りをおこなうバドニングなどをするときにも、フェザースティックを作るときにも取り回しが良いと思います。
おわりに
“Preconceived notions, especially when one is fairly brought up in their influence, are most difficult to shake off.” STEWART EDWARD WHITE, CAMP AND TRAIL, 1907
Canterbury, Dave. Bushcraft 101: A Field Guide to the Art of Wilderness Survival (p.13). Adams Media.
(周りから影響を受けた考え方は、なかなか振り捨てられない)
アウトドアを楽しむことは、格好や服装をきめたり、物を買ったりことではないことに読者の皆さんが気づいて下さったら、筆者として大変嬉しいです。
まずは自然を探し、そこに飛び込んでみること、自然を観察し、それを大切にすること、そこにこそ、アウトドアの原点があるはずです。
キャンプ施設の中には手ぶらで行って楽しめるキャンプ場や、バーやカフェ、ソファー、ベッド、暖房設備、AC電源、ミニキッチン、ミニデッキ付きの快適コンテナキャンプもあるようです。
これは、もはやキャンプではありませんね。残念ながら、日本だけの現象です。
次回は焚火のできるキャンプ場についてご紹介しましょう。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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