天気予報の番組で「雷が光ってから、聞こえてくるまでが20秒以内なら、すぐに非難してください」と言っていました。
どこが一番安全かご存知ですか?
ここでは雷の鳴るメカニズム、雷までの距離の測り方、射程距離、危険な場所、避難すべき安全な場所はどこかなど、雷に関し、キャンプで必ず役立つ情報をお伝えしましょう。
雷とは?
入道雲の中で、膨大な静電気が造られて、放たれるものが雷です。
夏に見られる入道雲は積乱雲の中で造られ、7~10㎞以上の高さにまで達します。
地球は高度が高くなればなるほど、気圧が下がりますよね。
積乱雲は気体でできていて、高空で冷やされて氷の粒(固体)へと変化します。
気体から固体へと変わる事で、動くスピードが上がり、氷の粒が上空の気流によって流されてぶつかり合ったり、こすり合わされたりする事で静電気を作り出すのです。
雲の中や、雲と地上との間で発生する放電現象が、雷というわけですね。
放電によって、莫大なエネルギーが放出され、それが光や音となって私たちの目や耳に届くというわけです。
では冬は安全なのでしょうか。
答えはNO! 危険!です。
日本海側では11〜3月頃に冬季雷と呼ばれる雷が発生します。
冬季雷は夏季雷よりも落雷数は少ないのですが、エネルギーが100倍以上もあるほど、強力なのです。
冬の場合は、中国大陸から流れ込む寒気が、日本海の暖流によって温められて、海から蒸発した水蒸気と一緒に上空に持ち上げられる事で作られます。
夏よりも、水蒸気の量もなく、上空との風の強さの差も大きいため、真っすぐ上に成長せず、夏のような山のような入道雲にはなりません。
しかし、その事は逆に危険とも言えます。雷雲が夏よりも、上空に上がれないので低い位置に存在します。
という事は地上に近い分、落雷率が上がるという事です。
雷!危険な場所はどこ?
キャンプ場・山・ゴルフ場・運動場・海辺などの開けたところでは、ゴロゴロが聞こえたら、すぐに安全な場所に移動してください。
雷鳴が聞こえたという事は、半径14km以内で雷が発生している、という事になります。
雷雲の移動速度は、時速5km~40kmですから、半径14km以内で雷が発生している、という事は、早いと20分くらいで雷が来る可能性がある、という事ですね。
ですから、雷鳴が聞こえてきたら、すぐに安全なところに避難しなければなりません。
たとえ、空が晴れていても、いきなり、雷に襲われます。
家の中も100%安全ではありません。電灯線・電話線の回路を介して落雷電流が流れます。
テレビアンテナへの落雷、金属製パイブの水道管へ雷電流が流れ込む危険性もあるのです。
また、コンピュータなど電子機器の電源タップは雷サージ対応のものを使用することが肝心です。
木の下は、危険です!
木の下の雨宿りは、落雷による側撃雷の危険性が高いです。
落雷による死亡の2位になっています。1位は開けた平地に立っていた場合です。
ですから、林や森の中にいる場合も非常に危険であるということを覚えておいてください。
キャンプ中に雷!どこに避難したら安全なの?
一番良いのは車の中です、ここは安全です。
一見すると車は車体が金属に覆われているので雷が落ちやすく危険と思われがちですが、タイヤ4輪がが地面に設置しているため万が一車体に雷が直撃したとしても雷は車体フレームに沿って逃げるので感電のリスクは低いです。
キャンプ場には高い建物、木、などがあるので、雷が落ちるとしても、どこか途中にある高いものに落ちます。
建物や車など周囲に何もない所では、コンクリート製の電柱のそばが安全といえます。
金属製柱や、フエンスのそばでは、フエンスや金属柱からの側撃を受ける危険性があります。
とはいえ電柱のそばなどであったとしても側撃を避けるために根元から4m以上離れ、かつ頂点から45度の延長線上で雷座り(後述)するのが緊急手段となります。
出展元:気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder4-3.html
建物の中、家の中は本当に安全?
100%安全ではありません。では、どうすればよいのでしょうか?
ここでお伝えすることが、あなたの生死を分かつかもしれない程の重要な情報です。
アメリカでは野外活動(キャンプ、登山、ハイキングなど)に備え「雷しゃがみ」を雷から身を守る避難訓練として、子どもに練習させます。
雷しゃがみ(雷座り)の体勢とは、まず、リュックなど、荷物をおろし、次に手で両耳をおさえてしゃがみます。
その時、両かかとをくつけて浮かせます。つま先立ちをするわけは、万が一、雷の電流が足から進入しても、片足から反対側の片足へ、流し返すためです。
上半身まで感電させない方法ですね。
体勢的につらいですが、地面との接地面を極力減らすことと、かかとを引っ付けることで全身へ電流が流れにくくする効果が期待できます。
これは、是非、日本の学校でも取り入れたらよい避難訓練の一つだと思います。
出展元:MERCOLA
雷が鳴り始めたらすること
近年、落雷事故が増えていると思いませんか?
落雷による日本での死傷者は、毎年15人平均にのぼっています。
昔は落雷事故といえば夏にキャンプ中や山の中が多かったと思うのですが、最近では平地でのイベント中だったりすることが多いですよね。
2012年8月、大阪・長居公園の野外コンサートで落雷が発生し、10人が病院に搬送されました。木の下で雨宿りをしていた女性2人が落雷によって死亡した事故のことは記憶に新しいですね。
「落雷事故」でネット検索すると、驚くほどの事例が出ていて、いずれもが、もっと雷のメカニズムや、してはいけない危険情報をしっていれば防げたものなのです。
たとえば、雷が鳴っているにもかかわらず、バイクや自転車で土手を走っていて事故にあったケースなどが実に多いのです。
キャンプ場、ゴルフ場、ビーチなど周囲が開けた場所で、高い建物などが少ないところでは、特に直接、人に落雷しやすくなります。
落雷にあわない最も確実な方法はあるのでしょうか?
それは雷警報器を使って、落雷の発生や接近を知り、落雷危険域に入ってしまう前に、安全な場所に避難することです。
参考:(2005/10/6 日本旅行医学会木曜セミナーあおば屋発表資料「落雷事故を防ぐ」)
おわりに
以上、雷のできる仕組み、雷が鳴った時の危険な場所と安全な場所を説明してきました。
キャンプの時は、即、車の中に避難してくださいね。避難場所がどこにもないときは雷すわりですよ!
「まだ、大丈夫」と思わず、対策は早め、早めにしてください。
特に戸外にいる時は、晴れているからと言って安心は禁物です。
昔から、三大怖いものとして、地震・雷・火事があげられますが、昨今の天災は尋常ではありません。
普段からできる対策は万全にし、万が一、雷が射程距離に入ったようなときは、慌てず、落ち着いて安全な場所に避難してください。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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