今回はメスティンを持っておくと便利な理由や、これからメスティンを初めて使う方に、必要な手入れとその理由、基本の炊飯方法などをご紹介します。
使い始めのシーズニング方法やその必要性についてもご説明いたします。
キャンプの万能ギア、メスティンの特徴やメリット
四角い形をしていてハンドルがついており本体や蓋はアルミ製ですが、日本で使われている従来型の飯盒とは少し違い、調理器具だけでなく食器としても使えることや、ソロキャンプなど一人用飯盒としても使いやすいサイズなのが特徴です。
現在トランギア社のメスティンは、スモールサイズ750mlとラージサイズの1350mlの2サイズが販売されています。
メリットその1:キャンプ時の料理幅が広がる
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メスティンはご飯を炊く以外にも、シューマイや豚まんなどの蒸し料理や燻製、グラタンやパスタなどさまざまな料理を作るのに適しています。
これらのレシピはダッチオーブンなどでも作れますが、ダッチオーブン鉄製なのもあり、持ち運びするには重いという難点もあります。
その点、メスティンはスモールサイズで160g、ラージサイズでも270gと非常に軽く持ち運びも楽です。
メリットその2:お米を炊くととてもおいしい!/h3>
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メスティンはアルミの特性上、高い熱伝導率を誇ります。
そのため熱が器全体に回りやすい仕組みになっていますが、アルミ鍋でご飯を炊くのとはまた違い、米一粒一粒に旨みが凝縮されたような、おいしいご飯を炊くことができます。
メスティンは蓋が密閉される仕組みになっているので、器の中で圧力がかかり、より一層ご飯がおいしく炊きあがるのではないかと考えられます。
メスティンを使う前に「バリ取り」を!
購入したばかりのメスティンは本体と蓋の縁に「バリ」といって、材料を加工する際に発生する突起した部分が残っています。
アルミの切り口は非常に鋭利で指を滑らせたり、そのまま口を付けて食べたりすると、手や口に切り傷を負ってしまうほど危ないので取扱いには十分注意しましょう。
紙やすりでヤスリ掛け
バリ取りは紙やすりを使ってヤスリがけをします。
大体#400番~#1000番台までを使って番号の小さいものから順番に仕上げていきましょう。
紙やすりは、番号の大きいものほど目が細かくなるので仕上げ磨きに適しています。
縁まわりをヤスリ掛けし、ザラ付きがなくなったら完了です。
バリ取りの際はケガをしないように軍手を着用しましょう。
シーズニングをする理由?
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使い始めたばかりのメスティンは、内側に金属臭を感じることがあります。
そのアルミ臭さを消すために米のとぎ汁などを使って表面にコーティングします。
メスティンの表面に皮膜をコーティングすることでアルミの表面に水中の鉄分やカルシウムなどのミネラル分が吸着して黒くなる「黒変現象」を防ぐこともできます。
- メスティンが浸かるぐらいの大きさの鍋に米のとぎ汁を入れて沸騰させる
- 沸騰させたとぎ汁にメスティンと蓋を漬けて15分ほど煮込んで取り出す
以上がシーズニングのやり方です。
シーズニングは不要だという意見も実はある
アルミの金属臭を取り除くためや、内側に米がへばりつくのを防ぐためにシーズニングを行う必要はあります。
(アルミ臭については個人差あり)
しかし、アルミの黒ずみを防ぐために初回の1回だけシーズニングをするのでは意味がありません。
その理由としては、そもそも米のとぎ汁で煮詰めるだけで表面が一生コーティングされるわけではありませんし、ラーメンなどを煮込むとたった一回のシーズニングではすぐに膜が剥がれ落ちてしまいます。
また味噌汁やこんにゃくなど強アルカリ性食品を煮込むと、たった一回だけでもびっくりするほど黒ずむことがわかります。
要するにメスティンで何を煮込むか重要
実はアルミはシーズニングなどしなくても、しっかり乾燥さえしていれば空気と反応して酸化皮膜を張ります。
またメスティンでは米の炊飯だけしかしないと決めたら、シーズニングを行う必要はありませんし、生のこんにゃくなど強アルカリ性食品を調理するなら、フッ素加工の鍋を使って調理したほうがいいのです。
仮に強力なアルマイト加工を施した調理器具であっても、アルミである以上、アルカリ性に触れるとすぐに腐食します。
また食器用漂白剤のつけ置きなども1回しただけでアルマイトの部分が消えてなくなってしまいます。
※アルマイト加工とは、アルミニウムを+極で電解処理して人工的に酸化皮膜を作る表面加工のことです。
もしメスティンが黒ずんでしまったらどうしたらいいのか?
もし今お使いのアルミ製メスティンが黒ずんでしまった場合に黒ずみを取り除く方法があります。
アルミの黒変現象は、酸性で中和させればきれいになります。
あとは、キャンプで何度かラーメンを作ったら、一度白米を炊飯するなどして切り替えをすると黒ずみがとれます。
メスティンを使った炊飯方法について
メスティンの手入れについて少しおさえたところで、メスティンでの自動炊飯(基本の炊き方)を覚えておきましょう。
メスティンを使った基本の炊飯方法
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今回の手順は米1合750mlを炊く場合の手順になります。
※米は事前に水で洗っておき、30分以上~1時間程度浸水させておき、浸水後はザルにあげておきます。
【用意するもの】
- メスティン
- 米1合
- 水180㏄(好みで増減)
- 固形燃料(25g)
- ポケットストーブ(シェラカップやエスビットなどから販売されている折りたたみ式の着火台)
- お米1合に対して水を200㏄入れる。
(メスティンの内側に丸く「ポチ」と出ている部分がありますのでそのポチの下のラインぐらいまで(水の量は好みで調節してください) - 固形燃料に火を付けたら、炊飯スタート。
火が自然に消えるまで20分ぐらい待つ - 火が消えたら蒸らす。
タオルなどで包み10分ぐらいメスティンをひっくり返して蒸らして完成!
メスティンはキャンプ中に使う焚火、ガスコンロ、バーナーOK?
上記の基本の炊飯方法ではポケットストーブと固形燃料を使った方法をご紹介しましたが、
火の種類によって燃える温度が違います。
アルミの融点は660℃だといわれていますが、キャンプで使う焚火や固形燃料やガスバーナーの火、いずれも使用可能なのでしょうか。
空焚きしなければ溶けない!
一般的にガスバーナーやガスコンロの温度は1400℃~1700℃、焚火台の表面温度は800℃(炎自体は900℃前後)になるといわれています。
いずれもアルミの融点を超えた温度ですが、鍋の中の水分が蒸発するために、アルミを溶かすまでの温度に至らないので、火の消し忘れなどよほどのことがない限り容器が溶けるようなことはありません。
ただ、いずれの炎の種類であっても火にかけたあと底が黒く煤で汚れることがあります。
気になる方は、調理前に軽くジフ(研磨剤)などをスポンジなどで軽く塗っておくと、煤汚れが付きにくくなります
ステンレスの調理器具と違い、アルミは傷がつきやすいので金タワシや研磨剤でゴシゴシこするのは避けましょう。
まとめ
メスティンは使う前にいくつかやることがありますが、理由を知ると納得していただけると思います。
今回はご紹介できませんでしたが、白米の炊飯以外にもさまざまな調理ができるメスティン、キャンプ時に一台は持っておきたいところです!
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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