キャンプ時、豪雨に注意!その前兆と対処方法

キャンプに行く前、しっかり天気予報を確認したのに、思わぬ大雨にあったことはありませんか?
このところ異常気象により大気が不安定になることが多いですよね。
経験したこともない大雨・洪水・土砂災害、局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)が発生し、前例がない場所でも深刻な被害をもたらしています。
ここではアウトドアを楽しむ私たちが心得ておかなければならない注意点をお伝えします。

局地的集中豪雨って?

梅雨前線の停滞や台風の接近などのために狭い場所で積乱雲が次々に発生し、発達した結果、急に雨が強く降り、数十mm降る雨のことを局地的集中豪雨といいます。
このような局地的な大雨は、険しい山や急流が多い日本では、河川の氾濫や土砂災害を引き起こし、建物の浸水や道路の冠水といった洪水被害が発生する危険があります。

局地的集中豪雨はなぜ起こるの?

大量の水蒸気を含む暖かい空気が、上昇気流により上昇することで雲が発生します。
周囲の空気を吸い込みながら上昇した雲が大きな積乱雲へと変化し、上空で冷たい空気に冷やされた積乱雲は、その中で氷の粒をたくさん作り、それが落下することで激しい雨を降らせます。

やまひつじ
それには下にあげる3つの条件が重なります。
  1. 夏の晴れた日
    「南高北低」という夏の気圧配置により日本の南側の太平洋高気圧が居座り、南から暖かく湿った空気が流れ込むことによって雲ができやすい状態になります。
  2. 上空に冷たい空気
    偏西風が南側に張り出してくると、それに併せて冷たい空気が南下します。
    日本の上空に入ってくるために上空の冷たい空気が流れ込みます。
  3. 積乱雲が発生
    地面付近の暖かく湿った空気が上昇して対流が発生し、空気中の水分が凝結され積乱雲となり狭い範囲に激しい雨を降らせます。

一般的に積乱雲の発生には、近くに山々が迫っている状況が必須になります。

局地的集中豪雨の前兆は?

前兆が分かれば対処の方法も分かってきますね。
以下のような変化から局地的集中豪雨が迫っていることに気づきましょう。
天気予報を調べて、大雨や洪水の警報・注意報や雷注意報はもちろん、「大気の状態が不安定」「天気の急変」等の表現にも注意してください。

積乱雲が近づいてきた際の主なサイン

  • 空が真っ黒な雲におおわれ始める
    積乱雲は縦に積み重なっています。
    地上から見ると太陽の光を通さないので、黒く見えます。
    こういった真っ黒な雲が近づいてきて、辺りが薄暗く感じるようになったら局地的大雨に注意しなければなりません。
  • 雷の音が聞こえる
    雷も積乱雲の接近を知らせるサインです。
    雷鳴が聞こえたり、雷光が見えたりすると危険です!
    ゴロゴロといった音が聞こえてきたら、約10~20km先まで積乱雲が近づいてきていると考えてください。
    積乱雲のスピードは意外と速く、中には時速60kmに達するものもあるといいますから「まだ遠くで鳴っているから大丈夫」などと安心していると、すぐに大雨に見舞われる可能性があります。
  • 急に風が冷たくなってきた
    積乱雲の下降流は冷気を含んでいます。
    冷気が地面付近にたまるとその冷気が雲の外へ広がるので、急にヒヤッとした風を感じたら、積乱雲の接近を疑ってください。
  • 天気予報に「所によりにわか雨」「大気の状態が不安定」「大雨、落雷、突風、竜巻、雹(ひょう)」という語がでてきた
  • 防災気象情報で「大雨・洪水警報」「大雨・洪水特別警報」「周辺や川の上流で大雨」という表現が出てきた
  • 川の水かさが急に増えてきたり、濁ったり、木の葉や枝、ごみなどが大量に流れてきた

土砂災害の予兆

次に局地的集中豪雨に見舞われた地域で起きる土砂災害(崖崩れや土石流、地すべり)の予兆と対処方法をご説明します。
土砂災害のおそれのある区域は全国に約66万区域もあると推定されています。
険しい山が多い日本は、崖崩れや土石流、地すべり等が発生しやすく、国土交通省のサイトに掲載されている「土砂災害危険箇所」等を確認し、土砂災害の危険性がある地域を事前に確認しておきましょう。
ハザードマップポータルサイト

がけ崩れ

がけ崩れは斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象です。
崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多いです。
主な前兆現象は、がけにひび割れができる、小石がパラパラと落ちてくる、がけから水が湧き出る、湧き水が止まる・濁る、地鳴りがするなどです。

地すべり

地すべりとは斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象です。
土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生します。
主な前兆現象は地面のひび割れ・陥没、がけや斜面から水が噴き出す、井戸や沢の水が濁る、地鳴り・山鳴りがする、樹木が傾く、亀裂や段差が発生するなどです。

土石流

山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象が土石流です。
時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうこともあります。
主な前兆現象は山鳴りがする、急に川の水が濁り、流木が混ざり始める、腐った土の匂いがする、降雨が続くのに川の水位が下がる、立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえるなどです。

野外で局地的大雨に襲われたときの対策

どれだけ注意を払っていても、局地的大雨に遭遇してしまうこともあります。
そのような際は、河川の増水と浸水に最大限の注意を払わねばなりません。

社長
特に川や渓流は急に増水するケースがあるため、絶対近づかないようにしましょう。

また、気象庁は「高解像度降水ナウキャスト」や「降水・雷・竜巻発生確度ナウキャスト」を通じ、今後の雨や雷、竜巻発生確度の予想を5分ごと30分先まで250m四方、1km四方、10km四方の領域単位で予測発表をしていますので、雨の動向を知ることができます。

「高解像度ナウキャスト」

まとめ

ここではキャンプなどアウトドアで野外にいる時局地的集中豪雨に見舞われた時の心構えをお伝えしました。
前兆でお伝えしたことをしっかり覚えておいてくださいね。
そのような時は迷わず、即刻、自主避難してください。

2018年7月に広島県や岡山県などの西日本を中心に200人以上もの死者をもたらした「平成30年7月豪雨」。
令和元年には台風15号・19号による大雨があり、筆者の住む千葉県も甚大な被害を受けました。
日本は陸地の70%が山間地で世界最大の大陸と海の間にあるため、今後も台風、前線など気象変化に最大限の注意を払わなければなりません。

近年は特に集中豪雨が増え、しかも「局地化」「集中化」「激甚化」しています。
「高解像度ナウキャスト」を活用して雨が強く降りそうな場所を把握してください。
また、山間部にあるキャンプ場を利用したときに豪雨に遭遇した場合、山間部の道には必ずと言ってよいほど大雨の後はがけ崩れが発生しています。
充分に安全を確保してから帰路に着くよう、注意が必要です。

社長
アウトドアブームで浮かれた気分を引き締め、いつも最悪を想定し、心の備えも万全にして楽しいキャンプにしてください。

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2021年3月5日

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Kazuki

佐藤和樹(Kazuki Sato) 株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。 趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。 本社は千葉県にあり、 キャンプ用品をメインに取り扱っている。 製品の設計や開発なども独自に手掛ける。 UJack(ユージャック)は universal jack(世界に浸透する)を意味し、 文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。 あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。 Twitter、インスタグラム、Youtubeなどでも活動中!