アウトドア派は病気知らず? ビタミンNについて

最近、興味深い言葉に出会いました。「自然欠乏症候群」

皆さんは「自然欠乏症候群」について聞かれたことがありますか?

今回は、「なぜ人間は家の中ばかりいると、耐え切れずに心身の調子が悪くなったり、外で過ごす時間が欲しいと感じたりするのか」そして、「外で過ごすことの楽しみにはどんな活動があるのか」を探ってみることにします。

『自然欠乏症候群 ― 体と心のその「つらさ」、自然不足が原因です』
(ワニブックスPLUS新書) 新書  山本 竜隆 (著)

上記の本によると、体と心がつらい、といった現代人特有の体調不良は「自然との触れ合い」が足りないことに原因があると言います。
人工物や化学物質に囲まれ、昔の人のように、日の巡りに合わせた生活サイクルを無視した日々を送ることが、心身を 病ませる原因だと指摘しています。

社長
立ち止まって考えると、確かに私たちは人工物に囲まれていますね。

スマホをはじめ、PC、電化製品、サプリメント、化学繊維…… アウトドアのキャンプでさえ、物であふれています。
証拠にインターネットで「キャンプ」を検索すると、出てくるワードのほとんどがアウトドアグッズです。
「便利な、快適な、おしゃれなOOO」キャンプ用具であふれています。

キャンプって元々、日常から離れ、不便さをも楽しむことではなかったのかな?と筆者は疑問に思っています。

やまひつじ
いうてそんな感じの記事書きまくってるように見えますが?
社長
まあ、それはその、あれだよあれ。

日常のストレスとは?

日々、私たち現代人はどんなストレスにさらされているのでしょうか?まず、精神的なストレスをあげてみましょう。

  • 仕事関係のストレス:転勤・昇進・左遷・転職・失業・退職・残業・夜勤・ 責任・セクハラなど
  •  学校関係のストレス:入学・転校・進学・退学・成績不振・いじめなど
  •  家庭関係のストレス:結婚・離婚・転居・同居・別居・子供の独立・家庭内 暴力など
  •  人間関係のストレス:上司・同僚・部下・取引先・友人・先生・隣人・家庭・嫁姑など
  •  離婚・家族との別居や死別・友人との死別など
  •  家族や友人の病気・将来に対する不安・恐怖・怒り・失恋・失敗・挫折など

さらに身体的なストレスにはどのようなものがあるかみてみましょう。

  • 環境ストレス:暑さ・寒さ・気圧変化・騒音・照明・ほこりなど
  • 肉体的ストレス:病気・ケガ・妊娠/出産・長距離通勤・長時間 勤務
  • 化学的ストレス:空気汚染・食事や嗜好品(酒・タバコ)
  • 生物的ストレス:細菌・ウィルス・花粉など 
  • 生活習慣の乱れ:過食・偏食、睡眠不足、昼夜逆転、運動不足など
  • IT関連ストレス:情報過多、SNS疲れ、モニターからの光刺激、 電磁波など

参考:ブレインケアクリニック院長
一般社団法人 日本ブレインケア・認知症予防研究所所長 今野裕之の資料(2018.6.7)

「自然欠乏症候群」言葉の由来

イギリスでは数年前 ”Nature Deficit Disorder”(自然欠乏症候群)という言葉が話題になりました。
きっかけは2005年にアメリカで出版された『Last Child in the Woods: Saving Our Children from Nature-Deficit Disorder』(邦訳:『あなたの 子どもに自然が足りない』)という本です。

「自然に親しまずに育った現代の子供たちの多くは身体的・精神的な問題を抱えやすい」と警笛を鳴らしたこの本は読者に衝撃を与えました。イギリスでは1970年代以降、肥満児・自閉症・鬱病を抱える子どもが増え続けていたからです。
その子たちに自然に接触するチャンスを与えると症状が良くなったという結果が出ています。

社長
日本の子どもたちも例外ではありませんね。

生活がどんどん都会化・電子化し、危ないことを避けて通るような生活をしている子どもがほとんどです。
親の代では40%だったのが、今の子どもたちのわずか10%しか、自然に触れた生活をしていないと聞きます。

親世代の小学校時代は鬼ごっこ・木登り・かくれんぼをしたり、クローバーやレンゲを摘んで花かんむりを作ったり、泥団子や砂山を作ったり、花の蜜を吸ったり、カエルを捕まえたり、雪だるまを作ったり等々、枚挙にいとまがないほど自然と触れ合って育ちました。
生活の大半を占めていたのではないかと思います。
というのは別に親の世代に限ったことでもなく、我々20歳世代としても小学生時代はスマホやケータイなどはまだ十分には普及していなかったので親世代ほどでなくともそれなりに自然の存在は身近だったのを覚えています。
それこそ小学生時代は校庭に裏山があったので昼休みになればほぼ毎日のように山で遊んでいました。

社長
木登りで転落して一生ものの傷を負ったのもそのせいだ
やまひつじ
最近の子供はもうそんな遊び方はやらないんでしょうな
社長
近所の公園もガラガラだもんなー

そしてこれは知人の話ではございますが、
ちょうど4年前、パートナーの仕事の関係で、熊本県の山間部で暮らすことになったそうです。当初は1~2年の予定でしたが、大自然の中の日常が何とも形容しにくいほど快適で、人間だけでなく犬も、猫ものびのび暮らしている様子から、迷わず住み着くことに決め、もう、空が四角い都会には戻れなくなってしまったのです。幸い二人とも現役を退き、都会に住む必要がなくなった時期とも重なったということもあります。今では、生活のすべてが季節のめぐりと密着しているそうですよ。

ナショナル・トラストのレポート「Natural Childhood (自然の中の子ども)」

英国ナショナル・トラストが ”50 things to do before you’re 11 3/4” (12歳までにしておくべき50のこと)を提案しています。その中からいくつか、興味深い自然体験遊びをご紹介しましょう。

全てが自然の中ですることで”Adventurer”(冒険家)、”Discoverer”(発見家)、”Ranger”(レンジャー)、”Tracker”(追跡者)、”Explorer”(探検家)というカテゴリーで、10個のアクティビティーを紹介しています。

【例】

  • 丘を転げ落ちる
  • 網で魚を捕まえる
  • 枝で方向を示したトレイル(小道)をつくる
  • かたつむり競争をする
  • 裸足で散歩に出かける
  • 化石や骨を探しに行く
  • 星を見に行く
  • 蝶を育てる
  • いかだをつくる
  • キャンプファイヤで料理する

上記は一例ですが、日本でもできるアクティビティーを加えてみます。
「薪あつめ」「ヤマメのつかみ取り体験」「シイタケ栽培体験」「養蜂体験」「栗ひろい」「山菜摘み」「木の実を集めてリース作り」などがあります。

ここで、英語の表現を一つ、ご紹介しましょう!

“There is no such thing as bad weather, just the wrong gear.”
悪い天気なんてものはこの世にない、間違った服装があるだけだ。

最後に、五家荘のキャンプ場をご紹介します。

五家荘渓流キャンプ場って、どんなところ?

https://www.nap-camp.com/kumamoto/10025/

標高700M。平家方の落ち武者や落人が流れたという説がある秘境八代 五家荘。近隣には見どころも沢山☆
国見岳から流れる、川辺川の源流域にあたる“にがこべ谷川”が横を流れ、場内にも小川が引かれています。キャンプはもちろん、バンガローにも宿泊可能。川遊びはもちろん、夏にはヤマメつかみ取り大会も行われます♪

引用:パンフレット

住所:熊本県八代市泉町樅木77-1

アクセス案内:九州自動車道・松橋ICより50km:車で約80分

営業期間
シーズン営業  3月上旬~11月末まで
定休日なし
チェックイン14:00
チェックアウト10:00
立地環境 川/林間
施設タイプ バンガロー / 区画サイト
サイトの地面:芝/土

おわりに

先ほどお話しした知人は夏場、近くのキャンプ場の管理の手伝いをしていますが、非常識なキャンパーが多くいると言います。
昨年、小学生の子ども二人を連れたおしゃれなお母さんが、「子どもにキャンプを体験させたい」と言って高級車に乗って来られたそうです。この記事のタイトル、ビタミンN(natureの頭文字)を意識されたお母さんの考えは理解するものの、何も予備知識(火のおこしかた等)もなく、「ダニはいないか?」「電子レンジはあるか?」等の質問をされたそうです。

また、夕方遅く到着し、テントを張るのも暗闇の中、といったキャンパー、ごみは持ち帰りの規則をはき違え、近隣の民家のごみ箱に入れて帰るマナー不足のキャンパーもいるようです。

キャンプに行くときの、最低限の知識、用具の準備、心構えすらなく、いきなりキャンプ場に行くことは危険でもあります。

次回は子連れキャンプについて、特に安全面や虫対策についてお話ししたいと思います。

“Children don’t spend enough time in Nature because adults don’t. If we want our children to value Nature and experience it, we must.”

「!大人が自然に親しまないのに、どうして子どもが自然好きになる?まずは大人が行動を起こそう!」


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ABOUTこの記事をかいた人

Kazuki

佐藤和樹(Kazuki Sato) 株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。 趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。 本社は千葉県にあり、 キャンプ用品をメインに取り扱っている。 製品の設計や開発なども独自に手掛ける。 UJack(ユージャック)は universal jack(世界に浸透する)を意味し、 文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。 あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。 Twitter、インスタグラム、Youtubeなどでも活動中!