キャンプではテントやタープ設営、ハンモックなどの設置などで樹木にロープを巻き付けることも多いです。
今回は、ロープの扱い方とキャンプで一般的によく使われるロープワークをご紹介します。
キャンプの際に覚えておきたいロープワーク!
ロープワークは、ペグが打てないテント設営などの際に、直接木に紐を結んだり自在金具のように長さを調整したりと、なにかと役立つキャンプで使える技術の1つ。
今回は、キャンプで大活躍してくれる、おさえておくべき代表的なロープワークです。
ロープの種類と構造について
ロープには天然繊維系と化学繊維系のものがあるので、編み方によっても種類がわかれています。
ナイロンテープ
化学繊維ででてきたロープです。
強度が強く、クライミングロープやアスレチックにもされています。
用途によって太さはさまざまで重量のある荷物を運ぶときなどに活用しやすいロープです。
編みロープ
糸やストランドを編みこんで1本のロープにしたものです。
一般的には、芯となるストランドの周りを編んださやで覆った丸編みロープが主流です。
型崩れしにくいが、伸びやすいのが特徴です。
三つ縒りロープ
糸(ファイバー)を縒って作った3本のストランド(糸をより合わせたもの)を縒って1本のロープにしたもので強度が高くなる編み方です。
束ねる時は縒り目の方向に合わせて巻くと型崩れしにくいです。
ロープの取り扱い注意点
ロープはあくまで消耗品なので、摩擦などによって表面が傷ついて劣化しているものは、取り換えるようにしましょう。
ロープの扱い方の注意点としては
- 地面にそのままの状態で置かない
- 踏まない
- 濡らさない
- 焚火のそばなど熱源の近くで使わない
- 負担をかけ過ぎない
- 使用前にこまめに点検する
などがあります。
ロープを踏んだり、地面に置いたままにしておくと、ロープの繊維内に砂や小石が入り、ロープを傷つける恐れがあるほか、水に濡れるのも劣化の原因になります。
また化学繊維でできたロープは、熱に弱いので、焚火の近くなど熱が加わりやすい場所での使用は控えましょう。
パラシュートコード
名前のとおり、もともとはパラシュートコードとして使われていましたが、軽量で使い勝手がよくアウトドアシーンではテントやタープとして多用します。
素材はナイロン製が主流です。
予備として数メートル分持っていると安心です。
麻ひも
ホームセンターや100円ショップなどでも手に入りやすい麻素材で作られたひもです。
細かなものを縛ったりもしますが、解いて着火剤として活用することができます。
ロープのまとめ方
ロープは絡まったりよじれたりすると劣化の原因になります。
保管の際にも長さや太さを合わせてきれいにまとめておきましょう。
短いロープのまとめ方
短めのロープのまとめ方手順です。
- まずはロープの端を親指の後ろから回して挟むようにして持ちます。
- 残りのロープを薬指と小指の間に通し、親指の後ろに回して8の字を描くように巻き付けていきます。
- 最後に束ねる分のロープの端を残し、8の字の交差した中心の束を押さえながら手を外し、残したロープの端を束の中心に巻きつけます。
- 巻き付けた終わりの最後の1周に親指を挟み、ロープの端を内側からすき間に通します。
- ロープの端をゆるまないようにしっかりと引っ張って完成です。
長いロープのまとめ方
長いロープの場合は、わっかにしてまとめていく方法が一般的です。
- 右手にロープの端を余らせながら持ち、両端を広げて立ちます。
- 右手に持ったロープで左手に輪を作ります
- ロープがねじれたり、たるまないように両腕を広げて持ちます。
これを繰り返して輪を作り、ロープをまとめていきます。 - ロープがひととおりまとまったら、最初に余らせていたロープの端をまとめた束に1周巻きつけます。
- ④で巻き付けたロープの反対側からもう一度巻きつけ、ロープの端を巻き付けた輪の中に通し、締め上げて完成です。
覚えておきたい定番結び
ここでご紹介するロープの結び方は、例えばテントをペグに固定する際や、ハンモックの設置の際など、比較的よく使う結び方なので覚えておくと便利です。
まずは手始めに靴ひも結びから
普段、蝶々結びされている方も多いと思いますが、アウトドアの活動中は、いつの間にかほどけてひっかかってケガをすることは防ぎたいもの。
しっかりと固定させるために欠かせない結び方です。
【手順】
- 普通に靴ひもを結ぶように止め結びをする
- 一方の端を2つ折りにして、反対のひもを上から巻く
- 蝶々結びの要領で、②で巻いたひもを2つ折りにしながら輪の中に引き出す
- ③で引き出した2つ折りの部分を反対の輪に1回巻き付ける
- 左右の輪を一緒に引っ張る
- さいごにぎゅっと結び目を締めて完成
1.ボーラインノット(もやい結び)
木と木の間にロープを結び、物干し用などに活用できる結び方です。
タープなど負荷をかけるシーンには不向きですが、ロープを木に固定する際や簡単にほどける結び方をしたいときに使える方法です。
【手順】
- ロープを木に回し、右側の端を少し余らせた状態で途中に輪をつくる
- ロープの左側を①で作った輪の中に通す
- ②で通した左端を右側のロープの下に通す
- 右端のロープの下をくぐらせて輪の中に左側のロープを通す
- ④の端と右側のロープを反対方向に引っ張り、結び目を締めて完成
2.クローブ・ヒッチ(巻き結び)&ハーフ・ヒッチ(ひと結び)
クローブ・ヒッチは比較的ほどきやすいので、簡単に巻き付けるときに活用できます。
ロープを木に固定する際や、ロープの結び目の強度を高めたいときにおすすめです。
【手順】
- ロープを木に回し、右側にくるロープが下に来るように手前でクロスさせる
- そのまま右側にきたロープを木に1周巻く(ロープが長い時は、複数回巻き付けるとよい)
- 巻いたすき間にロープの端を通して、引っ張り結ぶ。
- 縛った右側のロープの端を左のロープの下をくぐらせて1周巻いて結ぶ
- ④の結び目までロープを締めて完成
3.スカンジナビアン・ヒッチ
防寒だけでなく、ロープの摩擦から手を保護する上でも、グローブをしたまま作業できる結び方です。
【手順】
- ロープを木に回し、右側にくるロープが短くなるようにして、左手の手のひらにのせる
- 右側のロープを手のひらに1周巻き付ける
- 右手で右側のロープを持ちながら、左手の甲を自分に向け、ロープが交差した位置に左側にあったロープが垂れるようにする
- 左手の人差し指と、中指で右手に持っていたロープをつまむ
- そのまま左手を引いて、左手に巻き付けていた輪の中に④でつまんだロープを通し、少し右側に残す
- 左手はそのまま、右手に持ったロープを引っ張り、結び目を締めて完成
4.ダブル・フィギュア・エイト・ノット
テントやタープ設営時にポールやペグに引っかける時によく使うロープワークです。
輪の大きさをあとから調節するのは難しいので、設営の支点として活用するのがおすすめです。
【手順】
- ロープの先を2つ折りにし、2つ折りにした部分で輪を作る
- 2つ折りにした先を輪に通し、結び目を締める
- 結び目を固く締めれば完成
5.トートライン・ヒッチ(自在結び)
もう一つテント設営などでロープの張り方を適宜調節したい時に使える便利な結び方です。
結び目の位置を変えると緩めたり張ったり調節しやすいのが特徴です。
【手順】
- ロープを渡したいところに回す
- ロープの端をハーフ・ヒッチで1回結ぶ
- 少し離した位置に、もう一度ハーフ・ヒッチで結ぶ
- ロープの端を2回目の結び目の内側に巻き付けたら、1番外側に結び目が来るようにさらに、ハーフヒッチで結ぶ
- 図のように結び目ができれば完成
※結び目を掴んでスライドさせると、張りを調節できます。
救助にも使える結び
では最後に、緊急時に備えて命綱を腰に巻いて使うことができるロープワークを紹介しておきましょう。
何が起こるかわからない大自然の環境下で緊急時でも焦らずできるよう覚えておきましょう。
命綱を結ぶ際の方法
【手順】
- 腰にロープが回し、右手でロープの端を2つ折りにして持ち、左側のロープの上にクロスさせる
- お腹と①のロープの交差位置の間にできた空間に、右手を下から入れてロープを巻き付けるように手首を返す
- 右手で持った輪を作ったほうのロープをもう一方のロープの上に持っていく
- 右手のロープの輪を解きながら、ロープの端を右手で持って、右手首の輪の中にくぐらせる
- 右手に持ったロープを引きながら、右手首の輪から手を抜く
- 結び目をしっかりと締めて完成
余ったロープの先をひと結びしておくとよい
※実際に、自分の体にくくりつける場合は、事前にしっかりとした練習が必要です。
むやみにロープに体重をかけないように注意しましょう。
まとめ
ここで紹介したロープワーク以外にも方法はあります。
実はアウトドアシーンにおいてロープは切っても切れない存在です。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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