焚火と一言でいっても、その火をキャンプファイヤーで使うのか、調理用として使うのかで目的に応じて薪の組み方がいろいろあるのをご存じでしょうか?
今回は焚火台ではなく直火での焚火の組み方についてや、雨や雪の日の工夫などもご紹介します。
Contents
キャンプでの楽しみ方でアレンジ!薪の組み方5つの方法
着火道具と焚きつけ用の細い枝などを用意し、少しずつ火を大きくしていくのですが、
実はここからが重要。
火を起こすだけではなく、焚火は火の維持・コントロールしていくスキルが求められるのです。
楽しみ方によって組み方が変わる
例えば冬場に焚火を囲み、体を温めながらみんなで語り合うという目的であれば、周囲を明るく照らすような元気な炎が喜ばれるでしょうし、ソロキャンプなどで静かに燃える炎を見つめながら、コーヒーやワインを片手に…
というような場合は薪の火を小さく燃やし続けるような組み方をするとそれらしい雰囲気が出るでしょう。

大きな火力を得られるティピー型
焚火の中では最もベーシックでポピュラーな薪の組み方で、別名「合掌型」ともいいますが、円錐型に組む方法です。
【メリット】
初心者の方でも火が起こしやすく、炎が縦方向に燃え上がりやすいので、大きな火力を得たい時におすすめです。
【デメリット】
火が大きくなりやすい反面、薪が燃え尽きやすく頻繁に薪を投入する必要があります。
薪を新たに投入する際は、円すい型を崩さないように立てかけると基本形を維持することができます。
火力を弱めたいという場合は、薪の投入を止めると火は弱まります。
【ティピー型の組み方・手順】
- ねじった新聞紙を置き、その上からスギの葉などを焚きつけとして置く
- 炎が外側に燃え広がるように上から小枝を重ねていき、その上からやや太めの枝を、外側全方向からまんべんなく立てかける
- 焚きつけの新聞紙にマッチで着火する(少し時間を置くとスギの葉や小枝に燃え広がっていく)
※風があると風向きに炎が流れることがあるが、通常炎は上に立ち上がる - 火が大きくなったら太い薪を投入し、火力を強めていく
簡単に焚火が始められる「差し掛け型」
焚火の組み方の中で、最も簡単だといわれる「差し掛け型」。
太い丸太を1本用意し、そこに薪を立てかけるだけで焚火を起こすことができるので、薪を組むわずらわしさがありません。
【メリット】
丸太に差し掛けた下の空間に空気の流れができるので、火が思っている以上に燃えます。
【デメリット】
熱量が少なくなると、火が消えやすいので薪切れに注意しましょう。
【差し掛け型の組み方】
- 薪を立てかけるのに適した太さの丸太を探し、焚火ができそうな場所に置く
- 丸太にくっつけるようにして焚きつけ用のスギの葉や枯れ葉などを置く
- 焚きつけの上に鉛筆程度の太さの小枝を適当に並べていく
- 小枝の上に少し太い枝を差しかけて焚きつけを覆っていく(どれぐらいの大きさの焚火にするかで並べる枝の数を変えるとよい
- 焚きつけに火をつけ、下から炎が広がり焚火が始まったら火起こし完了
ひとり焚火に最適なインディアン型
放射状に5~6本の太い薪を配置する方法ですが、薪の先端部分だけを燃やすので火が大きくなりすぎません。
また中心部で小さな火を保つこともでき、少ない薪でも長時間楽しめる組み方なので、ひとり焚火に最適です。
【メリット】
常に何本かの薪が燃えているので、一気に消えてしまう心配が少なく、火を維持するのも比較的簡単です。
※薪が燃え尽きてきたら、薪を少しずつ中心部に押し出すようにします。
【デメリット】
調理の熱源や照明用の光源としては少し弱いです。
【インディアン型の組み方】
- 薪を放射状に並べる(薪を何本使うかは薪の太さをもとに自由に決めることができる)
- 全部の薪を配置する前に、中心部に焚きつけや細い枝を置いて火をつける
(ある程度燃え始めたら残りの薪も置いていく)
※火がつきにくい場合は、うちわで仰いだりガンブローなどで風を送るとよいでしょう。
長時間燃え続けるトップダウン型
キャンプファイヤーで使う井桁型のバリエーションともいえる薪の組み方です。
通常の焚火だと、下から焚きつけを燃やしていきますがトップダウン型では焚きつけを最上段に置き、下方向に火を拡大していく燃やし方です。
上から下に向かって火が燃えていくというユニークさがあります。
長時間燃えてくれるので焚火で暖を取りつつ、横に寝転がったりするときに重宝します。
【メリット】
下から順に燃えにくい薪を積んでいるため、炎が一気に燃え広がらないという点で、薪の追加投入無しでも燃え続けることができます。
【トップダウン型組み方】
- 太い薪をすき間なくくっつけて並べ、2段目は90°方向転換させて太い薪を並べる
- 3段目は少し、細い薪を並べる。
下に燃え落ちないように本数は、左右幅よりも少なめにする - その上に、90°方向を変えてさらに細い薪を重ねる。
4段目ぐらいまで薪を重ねればOK。 - 最上段に焚きつけのスギの葉や極細の枝を置いたら薪組は完成
雨で地面が濡れている日の組み方
もし焚火をやろうとした時に雨が降ってきて、雨で地面が濡れている場合は、薪を地面に組む前に地面を一段高くし、濡れていない地面を作る必要があります。
そのまま薪を地面に置いてしまうと薪が地面から水分を吸ってしまうので、それを防ぐためにも、地面に石を並べて地面を作るという方法があります。
なるべく平らで、安定感のあるものを選んで地面代わりにします。
なるべくガタ付きのないように組み合わせていきましょう。
積雪で地面に湿気と冷気がある時の工夫
冬場や春先など雪が地面に積っていると、地面に転がっている石でさえ見つけられないかもしれません。
積雪で石が見つけられないという場合は、焚きつけ用の薪とは別に地面に敷く用の薪を用意しておきます。
それによって、雪の冷たさと湿気を遮ることができます。
太い薪をすき間なく並べて、焚火用の地面として代用します。
その上に、ティピー型で薪を組んで火をつけます。
迫力のある大型キャンプファイヤーにおすすめの組み方
キャンプの目玉でもあるキャンプファイヤーですが、太い丸太を井桁型に組んであるのを見たことがあるという方もいらっしゃると思います。
ただ井桁型だけでは火は付かないので、中央部分に「ティピー型(円錐状)」に薪を組むと迫力のある大きな火になり、そこから井桁型に燃え移り、井型からも炎が上がるので迫力満天です。
【井桁型+ティピー型の組み方】
- まずは井桁型から組んでいく。
縦横交互に2本ずつ組み上げる。
幅は40cm四方、高さは50cm程度が無難。
ちなみに井桁から上がる炎は1m以上になる。 - 井桁に組んだ薪の中央部分に縦方向に薪を入れていく。
- 一番下に焚きつけ用の新聞紙を仕込み、さらにその上にスギの葉などをすき間なく詰める
- 最後に上から薪を差し込み、ティピー型に仕上げていくと完成
※ティピー型の部分があると火はあっという間に燃え広がります。
まとめ
最近は焚火台も充実してきましたが、ここでご紹介した直火で焚火をするときの組み方を覚えておくことで、さまざまな火の楽しみ方ができるだけでなく、災害時など命をつなげるためも役立つスキルにもなります。
直火禁止のキャンプ場も多くなっていますが、焚火後に黒く残る残骸があると景観上あまりよくないからといわれています。
白い灰がわずかに残るくらいまで枝を完全に燃やし切ることができればスマートです。

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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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