自転車は手軽でいいですね?
健康にもお財布にも。
筆者は海外で、気軽に自転車をそのまま列車に乗せて移動している人を度々見かけました。
「どうして日本ではできないのかな?」「人が多く混んでいるからかな?」
と不思議に思っていたところ、房総に人を呼び込むB.B.BASEができたことを知りました。
日本でも自由に自転車を列車に積み込むことができるのでしょうか?
ここでは自転車先進国のヨーロッパの事情をお伝えし、望ましい日本のありかたを模索してみたいと思います。
Contents
ヨーロッパの自転車事情
ヨーロッパ北部の国々では、列車に自転車用車両が連結されていて自転車をそのまま乗せることができます。
日本のように折りたたんで、輪行バッグにいれたりする必要がありません。
例えばドイツ国鉄では日本の新幹線にあたるインター・シティ・エキスプレス(ICE)以外、ほとんど全ての列車に自転車用車両が連結されています。
ドイツ以外にもオランダ、ベルギー、デンマークではほとんど全ての列車に自転車が乗せられ、イギリス、フランス、スイス、オーストリア、イタリアなどでも自転車OKの列車が多く走っています。
自転車先進国のドイツとオランダ、イギリスの事情をみてみましょう。
ドイツ
基本的には終日・曜日を問わずに列車内に自転車持ち込み可能です。
少なくともHbf (Hauptbahnhof=中央駅)を名乗る大きな駅では、ホームに上がる手段としてエレベータやエスカレータ、階段の横に荷物用のコンベアがあるので、自転車を運ぶのに大変便利です。
行き先までの自分の運賃、プラス、自転車用のキップを購入する必要があります。
購入は自販機ででも可能です。
ICE(ドイツを中心に運行されているヨーロッパの超特急列車、インターシティーエクスプレス)以外は自転車を分解することなく持ち込めます。
IC(ヨーロッパ各国の主に在来線において、その都市間連絡を主たる目的として運行される列車、インターシティー)であれば予約しての持ち込みは可能です。
吊フックで自転車を吊り上げるような仕組みも含まれておりスペース有効活用をしています。
オランダ
オランダの国民は自転車を一人1台以上保有し、4人に1人が会社への通勤、通学、買い物等に利用しているという自転車王国です。
オランダは坂や雨が少なく自転車に乗りやすいという地形もその要因ですが、行政が積極的に自転車利用を促進するための活動や設備を整えていったことがあげられます。
その他、国土の約25%が海面下にあり、地球温暖化による影響を受けやすい土地柄であるため、環境に対する意識が高いこともあげられます。
1991年に国が主導して「Bicycle Master Plan」を打ち出しました。
駐輪スペースの確保が大きな問題となっているようですが、それでもアムステルダムでは、現在約20万台分の駐輪スペースがあり、2020年 までに38,000台分の駐輪施設を新たに設ける予定です。
次に、鉄道と連動した自転車レンタルシステム 「OV-fiets」をご紹介しましょう。
これだと、自転車を運ぶ手間が省けます。
「OV-fiets」はオランダ鉄道会社(NS)が行っているサービスで、国内の主要な駅やバス停、地下鉄の駅、街の中心部の各地、約300ヵ所に、無人もしくは有人のレンタサイクル(OV-fiets)のステーションが設置されています。
電車で出かけ、その先で使うのにとっても便利なサービスですね。
以前までの月額の会員費が廃止になり、シンプルに1度の利用(24時間まで)3,85ユーロで自転車を借りることができます。
一応、登録の際に0,01ユーロを個人確認として支払います。
登録者一人に対して2台借りられるので、家族や友人と使うことも可能です。
電車で出かけ、トラムやメトロを乗り継ぐよりも格安な移動手段になっています。
現在の会員数は10万人以上で、利用者の90%は鉄道 定期券保持者だとか。
今後は、鉄道駅以外にも、市街地やバスターミナ ルにも貸出設備が設置される予定です。
以下の「OV-fietsのサイトはこちら」をクリックし、利用したい駅名や場所の名前を入力すると、その周辺のレンタサイクル(OV-fiets)のステーションが表示されます。
次にオランダのサイクルトレイン事情をご紹介しましょう。
普通の自転車は平日の午前6時30分~9時と16時30分~18時は列車内に持ち込むことができません。
7月と8月は終日持ち込みできるようです。
料金は1台1日あたり6EURです。
イギリス
イギリスでは、原則、自由に鉄道に自転車を積み込むことができます。
折りたたみである必要はなく、またカバーをかけなくてもOKです。
特急列車には自転車用のカーゴスペースがあり、そこに乗せなくてはいけません。
下記のようなサイトからネット購入できます。
日本の自転車事情
日本でヨーロッパのように電車利用と自転車利用とを組み合わせることはできるのでしょうか?
現在、自転車の電車への持ち込みの可否は鉄道事業者ごとに規定されていますが、自転車を折り畳み(分解)、袋に入れれば、ほぼすべての会社の鉄道に無料で自転車を持ち込むことができます。
近鉄養老線
休日、春・夏・冬休み9:00~17:00の指定車両(播磨~大垣)に持ち込みが可能。
持ち込み料金は無料。
駅を起点にした5つのサイクリングコースも設定されていて、希望者にはサイクリングマップを配布しています。
松浦鉄道
休日、春・夏・冬休みの指定列車(伊万里~佐世保)に持ち込みが可能。
持ち込み料金は無料。
一畑電気鉄道
平日、9:00~16:00、休日、終日、全線に持ち込みが可能です。
持ち込み料は一律片道300円。
熊本電鉄
全線で、年末年始を除く9:00~15:00まで自転車の無料持ち込みが可能です。
熊本市内商店街への買物や病院通いに利用されています。
房総地区を中心に運行されているB.B.BASE
B.B.BASEとは、「BOSO BICYCLE BASE」の略。
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツサイクルとともに乗車し、房総半島でサイクリングを楽しむための専用列車です。
両国駅の地平ホームを起点に、週末を中心に内房コース、外房コース、銚子コースなど4コースが運行されています。
常総線の水海道駅 – 大田郷駅間
9時00分~14時30分で自転車持ち込み可能です。
日常の足を支援する取り組みとして、一畑電気鉄道や熊本電鉄の取り組みは大変評価できるものです。
まとめ
ヨーロッパの多くの国々では、自転車を分解したり、折り畳んだりせずに列車に乗せることができます。
このため、自転車と鉄道利用を気軽に組み合わせて長距離の移動やレジャーを楽しむライフスタイルが定着しています。
日本でも自転車がブームと言われて久しいですが、なぜ今、スポーツサイクルに特化したB.B.BASEのような列車が登場したのでしょうか?
日本では観光客の集客のための打ち上げ花火式の取り組みのような印象を受けます。
ヨーロッパの自転車政策は住民のニーズ主導で、生活に根付いている点が日本と大きく違います。
国レベル、地方自治体レベルで都市計画の一環としてサイクルトレインを位置づけることが大切であると思います。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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