今回は炭焼き体験についてお話します。
炭焼きといえば、里山でおじいさんが炭窯で焼いていたイメージですね。
山の中を歩いていると、あちらこちらに炭窯の跡を見つけることができます。
昔の人たちは、炭の原料になる木のあるところで一通り焼くと、次の場所に移動し、そこに窯を築いて、また焼きました。
その炭も、燃料革命により需要が減り焼く人も少なくなり、現在では炭はキャンプでバーベキューをするときに使うくらいで、日常的に燃料として使用することは店舗以外ほとんどありません。
ここでは、炭の歴史、種類、作り方、そして、その伝統を受け継ぎ、後世に紹介・体験する取り組みをご紹介しましょう。
炭(木炭)って?
木材を炭窯でゆっくり乾留してつくった炭質物のことを炭、または木炭といいます。
木材の種類や炭化温度の高低によって、黒炭と白炭を区別します。
炭は灰分が3%以下と少なく、炭素が80〜95%、発熱量は7000〜8000kcalです。
生産地は岩手,北海道、島根が有名で,全国の生産量の40%を占めています。
炭の種類は,なら炭,かし炭,雑炭など原材の違いと形状によって区別されています。
昔は主に燃料として使われましたが、1950年代後半以降、ガス、石油などが燃料として普及し、徐々に衰退しました。
近年になって、地球にやさしい燃料として見直され、燃料以外にも土壌改良、水や空気の浄化などに利用されています。

炭の歴史を知ろう
次に炭が日本人の生活に根付いていった歴史的変遷をたどってみましょう。
日本列島では新石器時代の頃から木炭が用いられていたと推定されています。

1. 和炭(にこずみ)
木材を積み重ねて火をつけた後、土をかけて蒸し焼きにする伏炭法製法。
柔らかい炭で、製鉄・冶金用として用いられました。
2.荒炭(あらずみ)
土や石で築いた炭窯で焼いた硬質の木材(クヌギ・ナラ・カシ)を伏炭法で焼く製法。
暖房・炊事用に用いられました。
3.炒炭(いりずみ)
和炭・荒炭を二度焼きする製法。
暖房・炊事用に用いられました。
炭は他にも 水質浄化材、土壌改良材、防腐材としてや、湿気予防、などに使用されていました。
こうしてみると、炭は古くから日本人の生活に深く関わっていたのですね。
平安時代には山林部を中心に炭焼きが広く行われて商品化されました。
年貢として炭を徴収していたことも記録に残っています。
室町時代後期から江戸時代にかけては、窯が冷えてから外に出す「窯内消火法」によって、軟らかく火がつきやすい黒炭が開発されました。
しかし、1940年代、日中戦争が拡大すると、木炭の生産と流通が停滞し、市民生活に支障を来すようになりました。
日本の木炭生産量は、1950年に年間約200万トンを記録していましたが、その後はエネルギー利用の変化により、1970年には約28万トン、1980年には約7万トンと急激に減少していったのです。

このような中で、子ども達と共に、炭焼き体験をすることは、大変意義のあることだと思います。
次にもう少し炭について知り、そのあとで体験できる場所をご紹介しましょう。
炭の特徴は?
日本の木炭は400℃の温度で炭化をすすめた後、精錬工程として細かな「ネラシ」が入るのが特徴です。
白炭は空気を入れて未炭化成分を焼き飛ばすネラシを行い、黒炭は密閉した炉内で時間をかけて炭化を上げるネラシを行います。
白炭
カシ系の硬い木材が使われ、叩くと鉄琴のような金属音がするのが特徴です。
まず炭窯の焚き口で燃料となる薪を燃やし窯全体の温度を上げ、その後焚き口を閉じて窯内部を400℃で5日間ほど熟成し、その後炭窯の焚き口を徐々に開いて未炭化成分を焼き飛ばし、炭の温度を1000℃ – 1200℃まで上昇させたのち、炭を数時間かけて窯の外に掻き出して、随時速やかに「消し粉」(土と灰を混ぜて水を含ませたもの)をかけ、1日かけて冷やす、といった行程でできあがります。
伝統的な手作業なので、全行程2週間を必要とします。
白炭は燃焼臭が少なく、長時間安定した火力が持続し、飲食店などで使われます。

高価で燃焼しにくいのが特徴の炭です。
着火してからおよそ8時間程度、火力を保ち続けることができます。
黒炭
ナラ系の木材が多く使われ、400℃あたりで熟成させた後、炭窯の煙道を閉じ、徐々に700℃あたりまで温度上昇させ、次に焚き口と煙の出口も閉じて炭窯全体を密閉し、酸欠状態で時間をかけて鎮火、自然冷却を行い完成します。
白炭よりも炭素以外の成分が多く残っていることから火力と、燻製のような芳香がはっきりあり、比較的着火しやすく燃焼時間も1〜2時間以内程度なので、バーベキュー(パーティー)など肉料理に向きます。
ホームセンターなどで売られている炭はたいてい黒炭です。

炭焼き体験ができる所をご紹介!
1.
〒509-8231 岐阜県恵那市中野方町782−1
里山・森林体験 NPO法人 恵那市坂折棚田保存会
炭焼き体験の行程
坂折棚田では、水田での稲作とともに長年にわたって山仕事が続けられ、美しい里山の景観が保たれています。
炭焼きは山仕事の中でも大切な作業のひとつであり、伝統的な技術です。
炭焼き体験では地元の炭焼き名人指導で良質な炭焼きの技術を学びながら里山の暮らしを体験できます。
【1回目】(1日目): 指導者から作業内容と道具の説明と指導
【1回目】(1日目): 棚田周辺で切り出した落葉樹を割ります
【1回目】(2日目): 長さを揃えた木を窯に詰め込み約1日間火を焚き続けます
【2回目】: 中が冷えるのを待ち木炭を取り出します
【2回目】: 木炭を使いやすいサイズに切ります。
見事な里山の木炭の完成です
実施時期
1回目(1日目):2019年1月19日(土)13:00〜16:00
1回目(2日目):2019年1月20日(日)9:00〜14:00
2回目:2019年2月3日(日)10:00〜14:00
所要時間
約2〜4時間(日にちにより異なります)
参加費用
1名7,500円/1回目と2回目のべ3日間の体験費と懇親会(夕食)費
※出来上がった「炭のお土産」付きです
※宿泊を希望される方は4,500円で中野方の民泊(朝食付き)をご紹介します
※1日のみの参加も同額料金となります
※昼食費用は含まれていません。
地元産の弁当の予約承ります
会場
坂折棚田
集合場所
坂折棚田なごみの家
引用:http://sakaori-tanada.com/experience/forest/1337/
2.
長野県佐久町。
地元の吉本(林業)で、50年ぶりに炭焼き窯を再現し、炭焼きを復活させました。
3.
いずみふれあい農の里
〒594-1136
大阪府和泉市仏並町2043
TEL.0725-92-3310
FAX.0725-92-2626
4.
とちの木村
〒667-1532
兵庫県美方郡香美町小代区新屋1432-35
公益財団法人日本アウトワード・バウンド協会
尼崎市立美方高原自然の家
TEL:0796-97-3600 FAX:0796-97-3602
5.
川西市の県立一庫公園「こども北摂里山探検隊~一庫公園の森探検と炭焼き体験!~」
開催日:2019年2月2日(土)
川西市国崎字知明1-6
参加費: 無料
お問合せ:北摂里山博物館
電話0797-83-3114
まとめ
以上、炭、及び炭焼体験に関する情報をご紹介しました。

日本の文化に古くから根づいていた炭について知ること、そして実際に炭焼きを体験してみることは、子どもはもちろん、大人にとっても有意義な体験であると思います。
是非、参加してみてください。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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