イノシシはキャンパーにとって、熊よりも遭遇する確率が高い野生危険動物です。
イノシシを実際に見たことがない人は、野生のブタくらいに思うかもしれませんが、イノシシはかなり凶暴です。
また、最近のイノシシはキャンプ場に来る人に慣れていて、買い物袋などを狙って襲ってくる、ゴミをあさる、テントの周りを徘徊する、クーラーボックスなどをつつく、テントの中に入る、という実害も報告されています。
噛みつかれたら大怪我!しかも走るスピードも突進力も半端ないほどのエネルギー。
跳ね飛ばされて怪我をする事故のほか、指を噛み切られたり、股下に入ったオスの大きな牙で太ももの動脈を裂かれて失血死した事故も発生しています。
ここでは、大変危険なイノシシの生態を知り、キャンプ中、イノシシを寄せ付けないための予防対策を解説いたします。
Contents
なぜイノシシがキャンプ場まで出て来るの?
参考:環境省「二ホンジカ等の生息や被害の現状」
二番目にあげられるのは、狩猟者が減少したことです。
1975年には50万人以上だった狩猟者が、2015年には19万人にまで減少しました。
さらにベテランの狩猟者は高齢化して捕獲量が減っています。
参考:農林水産省「鳥獣被害の現状と対策」(平成30年)
荒地が増えたことが三つ目の原因です。
耕作を放棄した土地は荒れた竹林、ススキ・ササなどの植物に覆われた土地になります。
こういった環境はシカやイノシシに餌場・隠れ場所を提供する生息適地となり、鳥獣被害を深刻化させる要因のひとつになるのです。
参考::農林水産省「荒廃農地の現状と対策について」(平成28年)
もともとシカやイノシシなどの野生動物は用心深くて、わざわざ人のいる場所には寄ってきません。
しかし、人間の気配が薄れた中山間部では、動物の生息域と人間の生活圏の境界線が曖昧になってしまいました。
かつては里山として人間の営みがあった土地も、森林管理や炭焼き、狩猟などで出入りする人が高齢化でいなくなりました。
イノシシの生態
イノシシは警戒心が強いため基本的には人間を避けます。
しかし、刺激され、興奮すると攻撃的になり、人を襲ったりする可能性があります。
イノシシの特徴は、目が悪く、鼻が利き、完全な夜行性ではなく、闇では行動が出来ません。
イノシシは栄養があって、消化のよい部位を好んで食べます。
また、繁殖力が高く、ほぼすべてのメスが毎年4〜5頭の子を産みます。
キャンプ場でイノシシを寄せ付けないための予防対策
1.食べ物、生ゴミをしっかり管理してください。
食べ残した物を身の回りに置いておくことはとても危険です。
ゴミは車中管理にしましょう。
2.野生動物にエサをあげてはいけません。
エサやりなどをされた動物は不用意に人間に近づき、思わぬ事故につながります。
後で述べますが、兵庫県の失敗がまさに、その良い例です。
3. 身の安全が一番です。
撃退アイテムを携行してください。
4. 簡単な対策としては、目立つロープでテントの周りにバリケードを築きます。
5. 児玉兄弟商会 獣除け線香
動物が嫌がる忌避物質の唐辛子(とうがらし)成分で動物を遠ざけることが出来る線香です。
シカ・イノシシ・タヌキ・イタチ・ノラ猫などが対象動物になっています。
周りにキャンパーがいるキャンプ場などでの使用は控えた方が良い、という意見もあります。
6. いつも傘を手元において、いざという時、開いてください。
万が一、興奮した猪がこちらに向かって突進してくる様なら、目の前で鼻めがけて傘を開いてみて下さい、イノシシは目が悪いため直進するという行動に出るのですが、傘で視界が奪われ、パニックになって逃げだします。
爆竹のような大きな音を出して追い払うより、効果的です。
7. テントから離れるときは入り口のファスナーをしっかり閉めてください。
不幸にも遭遇した時の対処法
最終手段として、熊撃退スプレーを使ってください。
もともと、熊用ですが、イノシシ撃退にも使えます。
登山やトレッキング、山菜取りなどで山に入り込む時には熊に遭遇することがあるかもしれませんが、キャンプ場にいるとき、至近距離でいきなり熊に出会うことは滅多にないと思います。
スプレーを噴射する際の風向きに注意してください。
自分自身の顔や目にかかると、少量でも大きなダメージ(失明の恐れ)があります。
モチヅキ カウンターアソールト 熊撃退スプレー
成分:唐辛子エキス、代替フロン (HFC-134a)
最小噴射距離:9m
兵庫のイノシシ被害が全国最多、餌やりの罪
兵庫県内でイノシシが餌を求めて住宅街に現れ、ごみを荒らしたり、人を襲ったりする被害が深刻化しています。
市は「餌付け」を禁止する全国初の条例を施行するなど対策を講じていますが、被害は一向になくならなりません。
環境省によると、イノシシによる人身被害は29年度に全国で55件(76人)発生し、兵庫県が全国最多の15件(16人)でした。
兵庫県内では昨年10月9日夜、神戸市中央区の路上で、バイクで走行していた70代の男性がイノシシと接触して転倒し、重傷を負いました。
11月5日には同市灘区の路上で、パトロール中だった県警の男性巡査長がイノシシに襲われ、右足を切る軽傷をおっています。
さらに12月4日には神戸市と隣接する芦屋市の路上で、散歩していた80代女性がイノシシに左手の薬指をかみちぎられる重傷を負いました。
このほか、ハイキング中に尻をかまれたり、路上で食料の入った買い物袋を奪われたりしています。
山にはイノシシの食べ物が豊富にあるのになぜ市街地にまで出てくるのでしょうか?原因は昭和40年代後半から見られるようになった住民による餌付けです。
こうした状況を危惧した神戸市は14年、全国初の「イノシシ条例」を施行し、規制区域を設けて、その区域での餌付けやごみ捨てを禁止しました。
しかし、思うような効果がでていません。
兵庫県鳥獣対策課の赤堀邦輝副課長は「イノシシは人に隠れて生活するのが本来の姿。
市街地に出てきてしまうと、わなの設置も難しく、住民感情などもあり捕獲が困難になる。
厳密に餌付けを防止し、人と住み分けさせることが重要だ」と話しています。
おわりに
整備されたキャンプ場の多くは人の出入りが多く、動物にも人間のテリトリーだということが示されているので、イノシシなどが近寄ることは多くないと思います。
とはいえ、エサ不足の夏には食べ物を求めてキャンプ場にイノシシが出没することがあります。
獣害にあわない為には、食べ物や残飯をしっかり管理することが最重要課題です。
ファミリーキャンプなどで、小さな子どもがいる場合には、動物に怪我をさせられたら大変です。
楽しく思い出深いキャンプになるよう、マナーを守って、獣害対策をしっかりしましょう。
上記の兵庫県のように、イノシシへのエサやりが社会問題にまで発展したケースがあります。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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