キャンプに行って、テントの中や、外に置いていた靴の中にムカデが入っていた、という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
基本的には音に反応して、ささっと逃げて、人間に向かってくることはないのですが、接触すると咬みつきます。
形の気持ち悪さや、いつ咬まれるか、という不安からトラウマになってしまう人もいるようです。
ここではアウトドアの敵、ムカデの習性を知り、咬まれないようにする予防方法、そして万一、咬まれてしまった時の対処法を解説します。
キャンプと虫は切り離せない関係です。
こちらが大自然にお邪魔しているという感覚をもって、虫たちを毛嫌いするだけでなく、上手に付き合っていきましょう。
ムカデとは?
ムカデは本州、九州、四国、沖縄とほぼ日本中に生息しています。
活動期間は地域によって違いますが、3月~10月です。
特に6~8月が活動期で被害が増大します。
ムカデは、「節足動物 大顎亜門 多足上網 ムカデ網」で、漢字では「百足」と書きますね。
実際には足は100本ではなく、15対、30対、170対など種類によって異なります。
日本でみかけるムカデの種類はトビズムカデ(体長:8~15cm、体:黒緑色、足21対)、アオズムカデ(体長:8~10cm、体:黒緑色、足21対)、アカズムカデ(体長:4~7cm、体:赤、足23対)です。
ムカデの寿命は6~10年で、鋭い牙の毒アゴがあり、セロトニン、ヒスタミンなどタンパク質を分解したり、血液中の血球を溶解したりする複数の酵素を含んでいます。
そのため咬まれると激痛が走り、頭痛や発熱、嘔吐、めまいなどを発症する人もいます。
咬まれると患部が腫れ上がります。
ムカデの毒はスズメバチの毒に似ていますので、子ども連れキャンプの場合は特に注意をはらって、テント内や靴のなかにムカデが入らないよう、用心してください。
形がよく似た生物にヤスデ、ゲジゲジがいます。
ヤスデ は20~45mmとムカデに比べてかなり小さいのが特徴です。
ヤスデは毒を持っていませんが、体表から臭い体液を放出するため、踏みつけてしまうとかなり臭いです。
ムカデやゲジゲジと比べると丸みを帯びていて、刺激したりすると丸まります。
ゲジゲジの体長は20~25mmで、ムカデやヤスデと比べても足が圧倒的に長いので、見分けるのは簡単です。
毒は持っていますが、咬まれたとしても人体にはほとんど影響はありません。
ムカデの習性、臆病で夜行性!
基本的に臆病な性格ですが、たまたま踏んでしまったり、頭や服に入り込んだムカデを払った時などに反撃されることがあります。
ムカデは夜行性で、日中は草むらや落ち葉、石の下などに潜んでいます。
生命力がとても強く、頭部がちぎれた状態でもしばらく生きていることがあるので、死んでいるように見えても注意してください!
ムカデは光に集まった虫を補食しに集まります。
そのため、ランタンなどを使う場合は、テントから少し離れた場所に設置した方がいいです。
また、テントの設置場所も、出来るだけ開けたところを見つけてください。
近くに朽ちた倒木や石などある場合は、その付近にいる可能性があります。
また、ムカデは水気のあるところを好みます。
「ムカデが1匹いたら、必ずもう1匹いる」と聞いたことはありませんか?実際はムカデにはつがいで行動するという習性もなければ、明確な根拠もありません。
しかし、キャンプ中テント内でムカデを発見したということになれば、その場所がムカデの好む環境だということなので、注意をしないと他にもムカデが出てくる可能性が高いです。
ムカデは乾燥を嫌い、狭く、暗く、さらに湿気でじめじめしているような環境を好みます。
このことから、一匹ムカデを見かけたらもう一匹、あるいは、何匹もいることが多いと言われたのでしょう。
予防が第一!咬まれる前のムカデ対策
キャンプでムカデを回避する方法は、テントを乾燥した場所に設置すること、エサとなる他の虫(小さな虫、ゴキブリが好物)を呼び込まないように、就寝時までテント近くにランタンを置かないようにします。
テントの中に入り込んで、洋服やバッグの中などに忍び込んでいたりする場合もあるので、テントを開けっ放しにせず、しっかりファスナーを閉めておくようにしましょう。
次に、ハッカ油スプレーの利用をおすすめします。
ムカデはハッカの匂いが苦手です。
ブヨなどにも効果的なので、キャンプに行く前に是非、手作りハッカ油スプレーを用意してみてはどうでしょうか。
作り方はとても簡単で、ハッカ油2〜3滴、消毒用エタノール5ml、水 25mlをスプレー容器に入れて振るだけです。
1週間は効果が期待できます。
キャンプ場に着いたらすぐ、身体の露出部分にハッカ油スプレーをし、テント設営後はテント内にもハッカ油を振りかけてください。
これはムカデや害虫をテント内に入れない有効な方法です。
万一、ムカデに咬まれた場合の応急処置、対処法
不幸にも咬まれてしまった場合は、すぐさま患部を42度以上のお湯(触り続けられる程度)の熱めの温で洗いながら、患部の外から内に向かって毒を絞り出すようにしてください。
ムカデの毒は、42℃以上の熱で変性します。
ムカデの毒は毒牙の先端から放出されるのではなく、内側の噴射口から分泌されるため、よほど深く咬まれない限り、毒は皮膚内に注入されることはありません。
そのため患部を冷やす前の熱めの湯による加熱洗浄処理が大変有効なのです。
熱めのお湯がなければ、流水で傷口を洗いながら皮膚表面の毒を洗浄します。
特に子どもの場合、大変痛い処置ですので、泣きじゃくりますが我慢して行ってください。
蜂に刺された時のように、すぐ冷やす方もいらっしゃいますが、この温度の湯がムカデ毒の緩和にとても役立ちます。
体長が10cmを超えるムカデに咬まれた場合、子どもの場合は特に危篤なアナフィラキシーショックのリスクが高まります。
迷わず病院へ、急行してください。
医師に咬まれた時の状況や場所などを的確に伝えるようにしてください。
大人であっても、何度もムカデに咬まれてしまうと、人によっては強いアレルギー反応が出て重症化します。
おわりに
以上、キャンプ場でのムカデ対策をご説明しました。
キャンプに虫はつきものと言っても過言ではありません。
毛嫌いするのではなく、虫と上手に付き合う、すなわち予防に力を入れる方が、被害に会ってからの対策を考えるよりも得策といえます。
テントの外にいるときは、サンダルでは無く靴にして、長そで長ズボンはキャンプの常識です。
ご紹介したハッカ油スプレーは、是非お試しください。
筆者は山間部に住んでいますが、3月に入ると加湿器の水の中にハッカ油を2~3滴たらします。
子ども連れキャンプの場合は、事前に虫毒アレルギーに詳しい病院を探しておくのが無難です。
皮膚科が最もお勧めですが、無ければ救急病院とし、地図で場所を確認したうえで所要時間も調べておきましょう。
ムカデはスズメバチと同じ毒を持つ有害生物です。
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佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
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