本日は1967年式シボレーインパラのブレーキまわり整備の続きをPA-Rにて行っていきたいと思います。
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インパラのマスターシリンダー交換
最初の記事で書いたように筆者のインパラのマスターシリンダーは要交換状態で整備保留になっていたのですが交換パーツが届いたので本日はブレーキまわりの仕上げを行います。
届いたパーツがこちら
因みにディスクブレーキに換装する場合は容量が異なる別のマスターシリンダーがありますのでそちらを手配する必要があります。
今回手配したのは前後ともドラムブレーキ用のマスターシリンダーとなります。
新しいマスターシリンダーの取り付け
ピストンが接触する部分にグリスを塗って取り付けを行います。
謎の黒いブーツが付いていますが蛇腹もなく非常に収まりが悪いですが内側に少し折り返してうまく収まる位置でセットしておきました。
ブレーキフルードのエアー抜き作業
今回ホイールシリンダー、マスターシリンダー、ブレーキホース、ブレーキラインなどの交換をしているのでブレーキフルードのエア抜き作業が必要となります。
このほかにもブレーキフルードを交換する場合にもエア抜きは必要です。
エアー抜きの作業を行わないとブレーキがスカスカになってしまいブレーキ作動不良となり大事故の原因になります。
またブレーキフルードが汚れた状態で走行していると混じった不純物の影響などでフルードの沸点が下がり沸騰したりするとエアー抜き不良と同じような症状が起こります。
マスターシリンダー単体でのエア抜き
通常ブレーキフルードのエア抜きを行う場合は、マスターシリンダーからホイールシリンダーまでのすべてのブレーキラインを組んだ後にブレーキフルードを入れてエア抜きを行います。
しかし長沢整備士曰くそれだとブレーキフルードのエアーが抜けるまでに時間が掛かりすぎるのと、
ブレーキフルードがマスターシリンダー内に馴染むまでの間にマスターシリンダー内のラバーシールを痛めてしまうことがあるということで、
まずはマスターシリンダー単体でのエアー抜きを行うのがベストということらしいです。
ということで配管を折り返したオリジナルのツールでマスターシリンダー単体のエア抜き作業を行います。
ここにモノタロウのブレーキフルードを入れます。
この状態でゆっくり何度もブレーキペダルを踏みこむとマスターシリンダー内部がブレーキフルードで満たされます。
完全に満たされるとエアー(バブル)が上がらなくなります。
各ホイールシリンダーまでのエアー抜き
マスターシリンダーのエアーが抜けたら一度を蓋を被せて素早くブレーキラインの接続を行います。
以前にも書いたようにブレーキフルードは塗装を侵食するのでまわりを養生するなどして作業をした方が良いです。
エアー抜きを行う順序としてはマスターシリンダーから一番遠い場所から行っていくのが正攻法です。
つまりインパラの場合は左フロントにマスターがあるので右リアからエアー抜きを行っていきます。
エアーを抜くにはホイールシリンダーにエアー抜き用のバルブが付いているのでここに特殊な工具を装着します。
因みにこの工具は長沢整備士が筆者のインパラのためにワンオフで製作してくれたものになります。
長めのソケットのサイドを削ってブレーキフルードを回収するためのホースを差し込めるようになっています。
特に筆者のインパラは作業スペースが非常に狭く、通常の工具が入りませんでした。
またわざわざワンオフしなくてもこんな感じの工具が売ってるのでサイズが合えば代用できると思います。
ホースの先にはペットボトルなどのフルード回収用の入れ物を用意してそこに先端を差し込んでおきましょう。
後はマスターシリンダー内のブレーキフルードがなくならないように注意しながらブレーキペダルはゆっくりと何度も踏み込みます。
具体的には以下のような手順を繰り返して作業します。
- ホイールシリンダーのニップルを緩める
- ブレーキペダルをゆっくり踏み込んでブレーキフルードに混じったエアーを抜く
- ホイールシリンダーのニップルを閉める
- ブレーキペダルを1~2回空踏みする
するとブレーキの踏みしろが少しずつ上に上がってくるようになります。
この一連の工程を2~3サイクル程度行えば完全にエアーを抜くことができます。
ブレーキのエアー抜きの作業は1人よりも2人で行ったほうが作業効率が良いみたいです。
ブレーキ整備を行った後は各部の最終点検を忘れずに
ブレーキの整備は実際に走行してみないと分からない部分と走行する前に行うべき最終チェックがあります。
まずは走行前チェックとして各部からのフルード漏れやブレーキ各部の組付け不良がないかどうかをしっかりとチェックしておきます。
特にフルード漏れに関しては最初は問題なく走っていてもある日突然ブレーキが利かなくなるということに繋がるため見落とさないように注意が必要です。
市販のブレーキクリーナーなどでオイル汚れを落としてからしばらく時間をおいて滲みの有無などを確認しましょう。
筆者のインパラは今回新しくホイールシリンダーを交換した左フロントからの僅かなオイル滲みがありました。
こんな感じの銅製のリングが付いてますが通常は新品交換が必要です。
これらが全て問題なければ走行テストをしてブレーキの方効きなどが起こっていないかをチェックします。
止まるときに強めにブレーキを踏んでみてハンドルがどちらかに取られるようならブレーキの方効きかアライメントが狂っているので調整が必要となります。
こちらに関してはアライメント調整の記事で併せてまた書いていきたいと思います。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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