前回リフトであげて色々なチェックを行いましたがこれによって色々な課題が目白押しな状態になってしまいました。
これから時間をかけてじっくりと車検を通すために仕上げていかなければなりません。
というわけで本日は67インパラのブレーキまわりの整備を行っていきたいと思います。
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67インパラのブレーキは前後共にドラムブレーキ
この年式のインパラはオリジナルの仕様であれば前後にドラムブレーキを備えています。
一応ブレーキに関してはアフターパーツも出ており、フロントもリアもどちらもディスクブレーキへ仕様を変更することができます。
車検を受ける際に車両装備の届け出も行いますが予めディスク化しておけば後々改造申請などをしなくて済むので余裕があればディスクブレーキに換装してしまうのが良いかもしれません。
筆者はとりあえず現状の車両の状態を優先させたいと思うので今回ディスクへの換装は行わないことにしました。
それにひとまずドラムブレーキのフィーリングが知りたいという思いがあります。
ということで今回は搭載されている4輪のドラムブレーキの状態を確認し、必要に応じてシリンダーの交換などの作業を追加していきたいと思います。
シボレーインパラのドラムブレーキ分解作業
ということでいよいよお楽しみの時間がやってきました。
因みにこちらの工場ですが、非常に親しみやすく作業中の工場内への立ち入り、
撮影の許可をいただきましたのでなるべく邪魔にならない範囲で整備の模様をみなさんにお伝えしていきます。
ドラムブレーキはタイヤを外せばドラムの”ガワ”がバコンと外れます。
こちらはフロント右のドラムブレーキですね。
錆びなどはあってしかるべきですので見るべきはホイールシリンダーからの漏れなどです。
ホイールシリンダーは画像左下の左右にラバーのキャップがしてある部品です。
この中にはブレーキフルードが入っており、ブレーキを踏んだ際に加圧され左右に接続されているブレーキシューが押し広げられることでブレーキが作動します。
このホイールシリンダーの中には文字通りシリンダーが入っているのですがこのシリンダー構造が劣化してくるとフルードが漏れるようになります。
ブレーキフルードがホイールシリンダーから漏れるどうなるか?
ホイールシリンダーからブレーキフルードが漏れると滴ったフルードがドラムブレーキ内を悪い意味で潤滑することになります。
つまり滴ったフルードがブレーキシューとガワを介してくるくると回転するようになります。
そうすると当たり前ですがブレーキが利かなくなります。
そう考えるとブレーキ整備=ホイールシリンダーおよびブレーキシューの確認となります。
とにかく分解を進めていきます。
こんな感じの工具を使ってシューについている銀色のパーツを外します。
色々バネなどがあるので位置関係を忘れないようにしましょう。
リアはパワーブレーキのコードがあるので完全に外れないでぶらーんとなります。
ホイールシリンダー裏のブレーキラインなどを外して、同じく裏からホイールシリンダーも外します。
ホイールシリンダーの分解
外れたホイールシリンダーも分解していきます。
真っ黒なブレーキフルードと謎の沈殿物がたくさん出てきます。
ホイールシンダーはダストカバーというゴムのカバーとテーパーの切ってあるラバーシールと金属のピストン、そしてシリンダーから構成されています。
正常ならオイルはラバーシールによって塞き止められている状態ですが、
画像のような沈殿物などが嚙み込みラバーシールやホイールシリンダーに傷がついたりすると隙間からにじむようになります。
また、ホイールシリンダーにも傷を作ってしまうのでこの場合、ホイールシリンダーを研磨することで傷を取り除きフラットにすることで漏れの修理ができます。
なおラバーシールに傷がある場合はラバーシールそのものの交換が必要なります。
綺麗に見えますが傷があるのでアウトです。
こちらが外したホイールシリンダーの部品一式
ドリルに研磨石をかませたワンオフの工具を使用して修理をしていました。
どれだけ研磨するのかは経験による感と見た目で判断してるようです。
これで漏れが収まれば修理は完了です。
まあその場では確認できないので時間置いてダストカバーをめくった時にブレーキフルードが出てこなければ問題ないという判断になります。
それよりも問題なのがこれだけオイルが汚れているということはマスターシリンダーがヤバそうということでマスターシリンダー側のチェックを行います。
インパラのマスターシリンダーの状態をチェックしてみた
マスターシリンダーはボンネットを開けて右奥に見えるこちら
とりあえずブレーキフルードを謎の工具で吸い取ります。
底の部分にはとんでもない量の沈殿物が….
マスターシリンダーの取り外し
とりあえずブレーキラインを外してマスターシリンダーを取り外してみます。
後ろにあるでっかい円形の物体はマスターバックというらしい。
真っ黒な沈殿物。
マスターシリンダーの分解
マスターシリンダーの内部にアクセスするためにピストンを抜き取ります。
ピストンを抜き取るためにセンターリング?を外しますがこれに結構苦戦していました。
因みにマスターシリンダーもプライマリーピストン側にブレーキフルードの漏れが確認できたので念のため研磨作業を行ってみます。
基本的なメカニズムはホイールシリンダーと変わらないので同じように研磨で修理することも可能です。
結果からいうと今回はマスターシリンダーを丸ごと交換することにしました。
ブレーキフルードは塗装を痛めるので注意
書き忘れていたのですがブレーキフルードは車の塗装に付着すると痛めてしまうので付着したらしっかりと拭き取っておきましょう。
ホイールシリンダーが割れてる件
なんと左フロントのホイールシリンダーが割れておりました。
根元のボルトの穴の部分が割れていたので幸いオイル漏れなどには繋がらないのですが何にしても危険極まりない状態です。
これも次回交換していきます。
佐藤和樹(Kazuki Sato)
株式会社UJackの代表取締役社長。現在26歳。
趣味はキャンプと車弄りと映画鑑賞。
本社は千葉県にあり、
キャンプ用品をメインに取り扱っている。
製品の設計や開発なども独自に手掛ける。
UJack(ユージャック)は
universal jack(世界に浸透する)を意味し、
文字通り世界中の人々にユージャッカーになってもらうことが目標。
あなたのアウトドアライフにさらなる”喜び”を。
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