日本のナショナル・トラストって?私たちにもできることは?

ナショナル・トラスト活動とは、自然環境を守る一つの市民運動で、無計画で無謀な開発などからかけがえのない地球環境を守り、自然や歴史的建造物などを後世に残していこうとする活動です。
日本でナショナル・トラストがはじまったのは、高度経済成長期まっただなかの鎌倉においてでした。
以来、全国にナショナル・トラストの輪が広がっていき、現在、50以上の地域でナショナル・トラスト活動が展開されています。
この記事では日本のナショナル・トラスト事情をお伝えし、私たちにもできることを考えてみたいと思います。

日本でナショナル・トラストができたきっかけ

1964年、作家の大佛次郎氏ら鎌倉市民が中心になって、鶴岡八幡宮の裏山を宅地開発から守った「鎌倉風致保存会」発足からです。
宅地開発計画に反対する住民らが、イギリスでおこなわれていたナショナル・トラストの考え方にヒントを得て募金活動を展開し、集まった基金と鎌倉市からの援助で土地を買い戻し、森を保護することに成功しました。

やまひつじ
この活動は古都保存法のきっかけになりました。

その後、北海道斜里町での「知床100平方メートル運動」や和歌山県田辺市での「天神崎の自然を大切にする会」など、ナショナル・トラストの理念に基づいた活動が、それぞれの地域で風土に合わせた方法で進められ、根付いてきました。
そして1992年には環境省の認可を受けて「社団法人日本ナショナル・トラスト協会」が設立されました。
ナショナル・トラスト運動によって保護されている土地の面積は、約9,000ヘクタールにもなりました。

日本のナショナル・トラストの現状

生態系豊かな自然や美しい風景・建造物・生物などを守るため、行政は公有地化や国立公園などの保護区の指定が進めていますが、後世に残していきたい重要な自然であっても保護区に指定されていない場所もあります。
国立公園に指定されている保護区の中にも私有地も多く含まれているため、いつ失われてしまうかわからない危険をはらんでいます。

行政だけでは守りきれないこのような所を民間によるナショナル・トラスト活動によって保全と再生を進めていくことが必要なのです。
活動分野も、土地や建物の取得だけでなく、まちづくり、環境教育、普及・啓発など多岐に広がっています。

ナショナル・トラストで守る対象には、歴史的邸宅・公園・庭園・森林・沼沢地・湖・草原・牧場などいろいろありますが、日本の場合「希少生物」にまで範囲を広げています。

公益社団法人 日本ナショナル・トラスト協会

全国各地で活動している50以上の団体のまとめ役が日本ナショナル・トラスト協会です。
多くの人達にナショナル・トラスト運動への普及や理解向上をめざし、運動を全国的に広げるために「ナショナル・トラストを進める全国の会」が1983年に結成されました。

社長
1992年に環境省を主管として、公益社団法人 日本ナショナル・トラスト協会が生まれました。

日本ナショナル・トラスト協会のしごとは、ナショナル・トラスト活動を多くの人に知ってもらうこと、 既存の各団体が活動しやすいようにサポートすること、土地の買取りや遺贈がしやすい税制度・法制度を政府に提案していくこと、新しく活動を始めた団体への助言をすることなどです。
世間のニーズの高まりに呼応して、2007年から積極的に土地を取得していくことに力を入れています。

日本ナショナル・トラスト協会が特に力を入れているのが「希少生物」をテーマにしたナショナル・トラストです。
絶滅の危機にある生き物が、安心して暮らしていけるよう、その生き物に適した自然地を購入し守っていく活動です。
例をあげると、絶滅危惧種のツシマヤマネコとアマミノクロウサギ、そして、世界的に「北限のブナ林」として有名な北海道・黒松内町のブナ林などです。
ビオトープ管理士資格試験などを行っている日本生態系協会と連携しています。

問い合わせ先:公益社団法人 日本ナショナル・トラスト協会
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-30-20 音羽ビル
電話:03-5979-8031

公益財団法人 日本ナショナルトラスト(JNT)とは?

日本ナショナル・トラスト協会とは別に、公益財団法人 日本ナショナル・トラストが1992年、国土交通省を主管として設立されています。
自然や文化遺産の観光資源保護調査を実施したり、買取り、遺贈、委託を受けて文化遺産などを保全しています。
これまで旧安田楠雄邸庭園、駒井家住宅、白川郷合掌造り民家などの保全にあたりました。

なぜ、同じような活動をする公益社団法人が同年に二つ設立されたのかは筆者にはわかりませんが、JNTの前身が1968年に観光資源保護財団として設立され、1992年名称を現在の日本ナショナル・トラストに変更した経緯から、また主管が国交省であることから観光にも力を入れていると思われます。

JNTは「ほかにも日本全国でナショナル・トラスト活動を行っている団体は多々ありその目的は共通していますが、体制・フィールド・手法などが異なっており、それぞれがその特性を活かして日本の実情にあったナショナル・トラスト活動を行っています」と説明しています。

問い合わせ先:公益財団法人日本ナショナル・トラスト(JNT)
〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 海事センタービル4F

JNTでは次のような催しを計画し、参加者を募集しています。

「われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクト~秋の一斉茅刈り~」
【実施日】11月9日(土)・10日(日)
9日(土)  9:00~20:00 レクチャー、茅刈り、直会
10日(日) 9:00~14:00 屋根組み体験・白川郷ツアー(白川村の伝統的な方法で合掌造り民家の屋根の骨組みを組み立てます)
【場 所】岐阜県大野郡白川村の茅場
【参加費】9日の茅刈り:村民・JNT会員 無料、一般 500円
10日の屋根組み体験・白川郷ツアー:2,500円
【主 催】白川郷荻町集落の自然環境を守る会
【共 催】白川村、白川村教育委員会、白川郷合掌家屋保存組合、(一財)世界遺産白川郷合掌造り保存財団、公益財団法人日本ナショナル・トラスト
【申 込】10月18日(金)まで
【問合先】公益財団法人日本ナショナル・トラスト(担当:事業課 出口) E-mail: m-deguchi@national-trust.or.jp

11/9,10開催!われらが紡ぐ白川郷かややねプロジェクト~秋の一斉茅刈り~参加者募集

私たちができることは?

まずは、自然や環境に関わることに関心を持つことからはじめましょう。
動物園や植物園に行ったり、イベントに参加したり、会員になったり、ボランティアとして支援したり、自分のできる事から参加をしてみるといいですね。
地域ごと、季節ごとの自然が楽しめる観察会や、キャンプ、そば打ち体験、写真コンクール、清掃活動、農業体験など、会員でなくても参加できるものもあります。

まとめ

日本のナショナル・トラストは、英国のザ・ナショナル・トラストを参考に、日本の風土に合った活動をして実績をあげています。
日本では環境省が主管の公益財団法人 日本ナショナル・トラスト協会と、国交省主管の公益財団法人 日本ナショナル・トラスト(JNT)があることをお伝えしました。
ナショナル・トラストの精神は、日本だけでなく、カナダ、アメリカ合衆国、ジャマイカ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、フィジー、バルバドス、バミューダ、韓国、台湾など各国に広がっています。
JNTはアメリカやオーストラリアのナショナル・トラストなどと相互入場協定を結んでいるので、JNT会員は優待を受けられる施設もあります。

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